第22回 健康のために大切なこと(4)
歯は健康の元
この頃、内科の若い先生は「口を開けなさい」とか「レントゲンを撮りましょう」ということを言わなくなってきています。あるいは、「口を開けて」と言っても、喉の腫れだけを見て、歯の様子は見ません。関心がないのです。
もっと内科の先生が歯に関心を持ち、「これは歯列が悪いし、これは自生臼歯がうまくなってないから、歯科の先生に連絡してみよう」というようなことができればよいと思います。
歯科の先生によると、歯は健康の元であると言います。
私も最近、古い虫歯を抜きましたが、今も自分の歯は18本あります。92歳までは20本ありました。長生きするには、歯が大切です。そしてよく噛むことも大切です。きちんと噛む習慣を身につけましょう。
要は何でも習慣です。寝ることも習慣です。
もっと内科の先生が歯に関心を持ち、「これは歯列が悪いし、これは自生臼歯がうまくなってないから、歯科の先生に連絡してみよう」というようなことができればよいと思います。
歯科の先生によると、歯は健康の元であると言います。
私も最近、古い虫歯を抜きましたが、今も自分の歯は18本あります。92歳までは20本ありました。長生きするには、歯が大切です。そしてよく噛むことも大切です。きちんと噛む習慣を身につけましょう。
要は何でも習慣です。寝ることも習慣です。
楽しく運動をしましょう
不眠症の人は、あお向けに寝るのをやめてみましょう。うつぶせに寝ると動物のようになり、考えごとができなくなるのです。
たとえば、夜、夫や娘の帰宅時間が遅くなると、「なにしてるんだ」などと心配になりますが、それは非常にストレスになります。
そんなふうに心配事があるときは、ちょっと歩いてみると、心配する気持ちがなくなっていきます。1000歩も歩けば、借金があっても何でも、心配事は頭から出て行きます。それでもまだ心配な気持ちが残っているというときは、さらにもう少し歩いてみてください。
頭を爽やかにするには、今言ったように適当に運動することが効果的です。私はいつも、駅のエスカレーターには乗りません。そして、階段を駆け上がり、エスカレーターに乗った見知らぬ人と競争します。勝ったときは「やったー!」と思います。空港などの「動く歩道」も、あえて乗らずに、速歩で追い抜きます。そしてまた「やったー!」と思うわけです。このように、自分の行動に目標を持つ、そして競走するという気持ちを持つと、人間というのはいつまでも若くあるのです。ぜひ実践してほしいと思います。
たとえば、夜、夫や娘の帰宅時間が遅くなると、「なにしてるんだ」などと心配になりますが、それは非常にストレスになります。
そんなふうに心配事があるときは、ちょっと歩いてみると、心配する気持ちがなくなっていきます。1000歩も歩けば、借金があっても何でも、心配事は頭から出て行きます。それでもまだ心配な気持ちが残っているというときは、さらにもう少し歩いてみてください。
頭を爽やかにするには、今言ったように適当に運動することが効果的です。私はいつも、駅のエスカレーターには乗りません。そして、階段を駆け上がり、エスカレーターに乗った見知らぬ人と競争します。勝ったときは「やったー!」と思います。空港などの「動く歩道」も、あえて乗らずに、速歩で追い抜きます。そしてまた「やったー!」と思うわけです。このように、自分の行動に目標を持つ、そして競走するという気持ちを持つと、人間というのはいつまでも若くあるのです。ぜひ実践してほしいと思います。
認知症の方には大切に対処しましょう
さて、年をとって頭がボケてくるのではと心配している人がいるかもしれません。確かに年をとると頭の構造はゆるんできます。肉体的な構造は、10歳、20歳、30歳と筋肉が落ちていきます。しかし、知的な能力は落ちません。認知症にならなければ、年をとっても頭の判断力はむしろ磨かれていくのです。
ところが、認知症の人には何がおきるかと言うと、さっき食べたおかずが何だったかわからなくなります。ひどくなると、朝10時頃には、もう朝食を食べたかどうかを忘れてしまいます。このように、記憶力が低下するのがこの病気の特徴です。
記憶力が落ちても「どっちのネクタイがいいですか?」などという質問には「こっちのほうがいいです」と答えられます。つまり今現在進行中のことは識別できるのです。私は認知症の患者さんを診ていますが、「先生、きょうのネクタイとっても似合っていますね」と言ってもらえます。けれど「あなたの名前は?」と聞くと答えられません。自分の年や名前は言えないのです。
認知症になって、何もかもわからなくなるわけではありません。悪くなるのは記憶力です。ですから、何か差し上げると「ありがとうございます」と答えますし、介護の人が「今から帰らせてもらいます」と言うと、「気をつけて帰ってください。お母さんによろしく言ってください」と、適正に判断します。記憶力がないからといい加減な対応をすると、その人は「あの人は、私を本当に支えてくれないわ」ということになります。
認知症にかかる人は多く、80歳になると5人に1人がかかります。がんは、3人に1人がかかり、4人に1人は心筋梗塞で亡くなります。ですから予防的に検診を受けないと手遅れになります。それがわかっているのに検診を受けてない人がいますが、どうぞ検診を忘れないでください。
認知症になった人でも、環境が良いと、物忘れはひどくても「どうもありがとうございました」と、ケアをする人に対してお礼を言います。一方、記憶力が落ちたからといって人間ではないように思って接すれば、認知症の人が「自分は嫌われた」と感じて非常に不機嫌になるのは当然のことです。皆さんも認知症の人には親切に、大切に接してあげてください。「さっき言ったじゃないですか」などと責めないで、何回でも同じことを言ってあげることが必要です。
ところが、認知症の人には何がおきるかと言うと、さっき食べたおかずが何だったかわからなくなります。ひどくなると、朝10時頃には、もう朝食を食べたかどうかを忘れてしまいます。このように、記憶力が低下するのがこの病気の特徴です。
記憶力が落ちても「どっちのネクタイがいいですか?」などという質問には「こっちのほうがいいです」と答えられます。つまり今現在進行中のことは識別できるのです。私は認知症の患者さんを診ていますが、「先生、きょうのネクタイとっても似合っていますね」と言ってもらえます。けれど「あなたの名前は?」と聞くと答えられません。自分の年や名前は言えないのです。
認知症になって、何もかもわからなくなるわけではありません。悪くなるのは記憶力です。ですから、何か差し上げると「ありがとうございます」と答えますし、介護の人が「今から帰らせてもらいます」と言うと、「気をつけて帰ってください。お母さんによろしく言ってください」と、適正に判断します。記憶力がないからといい加減な対応をすると、その人は「あの人は、私を本当に支えてくれないわ」ということになります。
認知症にかかる人は多く、80歳になると5人に1人がかかります。がんは、3人に1人がかかり、4人に1人は心筋梗塞で亡くなります。ですから予防的に検診を受けないと手遅れになります。それがわかっているのに検診を受けてない人がいますが、どうぞ検診を忘れないでください。
認知症になった人でも、環境が良いと、物忘れはひどくても「どうもありがとうございました」と、ケアをする人に対してお礼を言います。一方、記憶力が落ちたからといって人間ではないように思って接すれば、認知症の人が「自分は嫌われた」と感じて非常に不機嫌になるのは当然のことです。皆さんも認知症の人には親切に、大切に接してあげてください。「さっき言ったじゃないですか」などと責めないで、何回でも同じことを言ってあげることが必要です。
年齢は関係ありません
では「大老」とか「中老」とか、「老」という漢字には尊敬の意味が含まれています。英語では「老」は「elder」。老人のことは「the」を付けて「the elderly」といいます。英語の「elder」も、「目上の人」という意味の尊敬語です。
アメリカでは男女の性の差別や人種の差別に加えて、年齢の差別は良くないと言って、履歴書には生年月日を書きません。それからアメリカの学校の先生には定年がありません。アメリカでは、その仕事ができさえすれば、年齢は関係ないのです。
ところが日本では、年齢のことは非常にやかましく言います。しかし、日本でも年齢の差別をしない方向にこれからなっていくのではないかと思います。ですから、いい意味で「老人」という言葉を使いたいのですが、日本には「老廃物」という言葉をみてもわかるように、「老」には悪いイメージがあります。
しかし本来「老」というのは尊敬語です。そこで、私は、孟子の尊敬語を生かして「老」という字を使い、新しい意味の老人だということで「新老人」という言葉をつくりました。「新老人」というのは英語で言えば「the elderly」であり、これを、新しい老人の解釈としていきたいと考えています。
そして、若い人が「将来、こういう新しい老人になるんだ」あるいは「なりたいんだ」と目標にしてくれたらいいと思います。私はあちこち旅行して、この運動を世界中に広めていきたいと考えています。アメリカにもオーストラリアにもメキシコにも。日本では、子どもや若い人が少なくなってきています。そこで皆さんが日本を再起させるために、そして良い子どもを育てるために、よいモデルになりましょう。
年をとれば若干、体に故障が出てきますが、故障があっても皆さんが健やかな気持ち、爽やかな気持ちを持って、笑顔で人々に接することができれば、日本はもっともっと明るくなります。
アメリカでは男女の性の差別や人種の差別に加えて、年齢の差別は良くないと言って、履歴書には生年月日を書きません。それからアメリカの学校の先生には定年がありません。アメリカでは、その仕事ができさえすれば、年齢は関係ないのです。
ところが日本では、年齢のことは非常にやかましく言います。しかし、日本でも年齢の差別をしない方向にこれからなっていくのではないかと思います。ですから、いい意味で「老人」という言葉を使いたいのですが、日本には「老廃物」という言葉をみてもわかるように、「老」には悪いイメージがあります。
しかし本来「老」というのは尊敬語です。そこで、私は、孟子の尊敬語を生かして「老」という字を使い、新しい意味の老人だということで「新老人」という言葉をつくりました。「新老人」というのは英語で言えば「the elderly」であり、これを、新しい老人の解釈としていきたいと考えています。
そして、若い人が「将来、こういう新しい老人になるんだ」あるいは「なりたいんだ」と目標にしてくれたらいいと思います。私はあちこち旅行して、この運動を世界中に広めていきたいと考えています。アメリカにもオーストラリアにもメキシコにも。日本では、子どもや若い人が少なくなってきています。そこで皆さんが日本を再起させるために、そして良い子どもを育てるために、よいモデルになりましょう。
年をとれば若干、体に故障が出てきますが、故障があっても皆さんが健やかな気持ち、爽やかな気持ちを持って、笑顔で人々に接することができれば、日本はもっともっと明るくなります。
(2008年2月18日)
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財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
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