第18回 良き友をもちて
変化をきっかけに新しい人間に
小学校時代の友達ばかりと接していると、「子どものときに、あんなことがあったね」などと思い出話をして笑い合ったりはしますが、いつも同じ話になってしまうので、脳が新しい刺激を受けることも少なくなります。
昔からの友達ばかりでなく、年をとってから新たな友達と出会うことによって、自分の成長が遂げられるのではないでしょうか。一人では新しい勉強に挑戦できなくても、友達と一緒なら勉強できるということもあるからです。
当初、私は『新老人の会』の会員を75歳以上に限定していたのですが、今では75歳以上をシニア会員、60歳以上をジュニア会員、20歳以上をサポート会員として、世代を超えた交流を図っていただきたいと思うようになりました。現在、会員は5,963人になりましたが(12月8日現在)、来年にはその2倍の1万人以上、再来年はさらにその2倍の2万人、3年後は4万人、4年後には6万人にしたいと思っています。そうすると5年後には10万人を越しますから、日本の政治を動かすような大きなグループとして活動できるようになると思います。
昔からの友達ばかりでなく、年をとってから新たな友達と出会うことによって、自分の成長が遂げられるのではないでしょうか。一人では新しい勉強に挑戦できなくても、友達と一緒なら勉強できるということもあるからです。
当初、私は『新老人の会』の会員を75歳以上に限定していたのですが、今では75歳以上をシニア会員、60歳以上をジュニア会員、20歳以上をサポート会員として、世代を超えた交流を図っていただきたいと思うようになりました。現在、会員は5,963人になりましたが(12月8日現在)、来年にはその2倍の1万人以上、再来年はさらにその2倍の2万人、3年後は4万人、4年後には6万人にしたいと思っています。そうすると5年後には10万人を越しますから、日本の政治を動かすような大きなグループとして活動できるようになると思います。
新しい発想で行動する
今の子どもたちは、体力や運動能力が落ちているといわれています。もっと体力をつけて、難民のキャンプに行っても病気もしないで働けるぐらいの日本人の若者が増えてほしいと思います。
人間は、ある事件に出遭ったりするとこれまでの生き方が大きく変わることがあります。「目からうろこが落ちる」と言いますが、これは聖書にある言葉で、イエスの弟子のパウロが、それまで迫害していたキリスト教に改宗し、しかも熱心な推進者になったことに由来する言葉です。これまでは「つらい」と思っていたことが、何かのきっかけで「いや、これこそ良いことだ」と、自分の価値観がそれまでと逆転していまう状態になることです。
たとえば、ある人と出会い、その人からエネルギーをもらって目が醒めるような興奮を感じたことがありませんか。子どもが病気をしたとか、夫が転勤をするとか、自分の環境に変化が訪れたときなど「私のこれまでの生き方でよかったのか、これからどう生きていくべきか」ということを考える必要に迫られることがあります。
そこで、思い切って新しい発想で行動してみる。たとえばつらいことに遭遇したからといってそれを避けるのではなく、勇気をもってぶつかってそれを打破し、逆にテコとするような気持ちで行動してみると、非常に大きなエネルギーが与えられることがあります。今までやったことがなかったこと、あるいは困難なことや不幸に出遭ったときに、その人を新しい人間につくり変えるのです。
人間は、ある事件に出遭ったりするとこれまでの生き方が大きく変わることがあります。「目からうろこが落ちる」と言いますが、これは聖書にある言葉で、イエスの弟子のパウロが、それまで迫害していたキリスト教に改宗し、しかも熱心な推進者になったことに由来する言葉です。これまでは「つらい」と思っていたことが、何かのきっかけで「いや、これこそ良いことだ」と、自分の価値観がそれまでと逆転していまう状態になることです。
たとえば、ある人と出会い、その人からエネルギーをもらって目が醒めるような興奮を感じたことがありませんか。子どもが病気をしたとか、夫が転勤をするとか、自分の環境に変化が訪れたときなど「私のこれまでの生き方でよかったのか、これからどう生きていくべきか」ということを考える必要に迫られることがあります。
そこで、思い切って新しい発想で行動してみる。たとえばつらいことに遭遇したからといってそれを避けるのではなく、勇気をもってぶつかってそれを打破し、逆にテコとするような気持ちで行動してみると、非常に大きなエネルギーが与えられることがあります。今までやったことがなかったこと、あるいは困難なことや不幸に出遭ったときに、その人を新しい人間につくり変えるのです。
上手に経験を生かす
人間として生きる上で欠くことのできないものに、「愛すること」「やさしくすること」があります。また「勇気を持つこと」も必要です。それから「耐えること」です。つらいことを耐えることによって感性が豊かになり、つらい経験をした友人のいい友達になることができます。不幸なことを経験したり、子どもを亡くした経験を持つ人は、おなじような思いで悲しんでいる人のよい慰め手になることができます。
これまで大きな病気をしたことがないというような元気な人は、病人のお見舞いに行く時には気をつけてほしいと思います。元気な顔で「ご機嫌いかが?」と現れたりすると、病人はかえって病気が悪化してしまいそうです。病んでいる人、苦しんでいる人には、相手の気持ちに共感する態度を示し、深く同情していることを伝えるといいでしょう。
私は21歳の時に、重い結核になりました。1年間寝たきりで、トイレにも行くことができないほどでした。その時のつらく絶望的な思いを忘れることができないので、今でも長い療養をしている患者さんに会うとその方の胸の内が思われます。「あなた、つらいでしょうね。僕も1年間あなたと同じようなつらい療養生活をしたことがありますよ。けれども今ではこんなに元気になっているのだから、あなたもこれに耐えて再起してくださいよ」とつい声をかけてしまいます。
自分が病気を体験したことで、私は病人の心を理解できるようになりました。病気を体験したことのない医師や看護師は、患者さんがいくら体の痛みを訴えてもわからないかもしれません。病気や苦しみを経験すると、感性が豊かになって、他人の苦しみを理解できるようになります。ですから、皆さんの不幸や失敗、病気の体験を大切にして、後々に上手にその経験を生かしてください。
これまで大きな病気をしたことがないというような元気な人は、病人のお見舞いに行く時には気をつけてほしいと思います。元気な顔で「ご機嫌いかが?」と現れたりすると、病人はかえって病気が悪化してしまいそうです。病んでいる人、苦しんでいる人には、相手の気持ちに共感する態度を示し、深く同情していることを伝えるといいでしょう。
私は21歳の時に、重い結核になりました。1年間寝たきりで、トイレにも行くことができないほどでした。その時のつらく絶望的な思いを忘れることができないので、今でも長い療養をしている患者さんに会うとその方の胸の内が思われます。「あなた、つらいでしょうね。僕も1年間あなたと同じようなつらい療養生活をしたことがありますよ。けれども今ではこんなに元気になっているのだから、あなたもこれに耐えて再起してくださいよ」とつい声をかけてしまいます。
自分が病気を体験したことで、私は病人の心を理解できるようになりました。病気を体験したことのない医師や看護師は、患者さんがいくら体の痛みを訴えてもわからないかもしれません。病気や苦しみを経験すると、感性が豊かになって、他人の苦しみを理解できるようになります。ですから、皆さんの不幸や失敗、病気の体験を大切にして、後々に上手にその経験を生かしてください。
お金の使い道を考えましょう
日本は世界のどの国よりも65歳以上の人が持っているお金の額が多いそうです。65歳以上の日本人が持っている個人金融は1,400兆円を超え、そのうち預貯金残高は717兆円(平成14年3月、日本銀行「資金循環勘定」による)にのぼります。1,400兆円というのはもう大変な額です。
上記のデータからいえば、その半分がタンス預金になっていて使われていないのです。親が健在のうちは仲が良かった子どもたちも、親が残した財産をいざ分けるとなると必ずといっていいほど争いが生じます。
ですから、自分の持っている財産は、自分が良いと思っていることに使いたいものです。日本人はお金の使い方があまり上手ではありません。お金はあるのに、そのお金が死んでしまっているようでは、せっかくのお金の価値が生かされません。自分が死んでからのことを指示するのではなく、生きている間に使い方をちゃんと考えましょう。
上記のデータからいえば、その半分がタンス預金になっていて使われていないのです。親が健在のうちは仲が良かった子どもたちも、親が残した財産をいざ分けるとなると必ずといっていいほど争いが生じます。
ですから、自分の持っている財産は、自分が良いと思っていることに使いたいものです。日本人はお金の使い方があまり上手ではありません。お金はあるのに、そのお金が死んでしまっているようでは、せっかくのお金の価値が生かされません。自分が死んでからのことを指示するのではなく、生きている間に使い方をちゃんと考えましょう。
良き友をもちて
私の経営しているホスピスでは音楽療法を行っています。痛みを感じないようにモルヒネをうまく使いながら、その人の好きな音楽で気持ちを和ませて、最期の時を心豊かに過ごしてほしいと思っています。
たとえ治癒できない病気であっても、現在の医療は体の苦痛はかなり止めることができます。しかし心を健やかにするには、医療以外の手立ても活用しなければなりません。それには音楽もそうですが、心の通うよい友をもつことが大切です。共にあるということがいかに心を慰めてくれることか。
年の締めくくりに,その意味をこめて「良き友をもちて」という言葉を皆さんに贈りたいと思います。
たとえ治癒できない病気であっても、現在の医療は体の苦痛はかなり止めることができます。しかし心を健やかにするには、医療以外の手立ても活用しなければなりません。それには音楽もそうですが、心の通うよい友をもつことが大切です。共にあるということがいかに心を慰めてくれることか。
年の締めくくりに,その意味をこめて「良き友をもちて」という言葉を皆さんに贈りたいと思います。
(2007年12月17日)
- 「新老人の会」に関するお問い合わせ先
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財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5F
TEL:03-3265-1907
FAX:03-3265-1909
ホームページ:http://www.lpc.or.jp/senior_soc/index.htm