第11回 人生の春夏秋冬をどう迎えどう送るか(5)
長寿のためにはカロリーを減らすこと
近年アメリカで、長寿のために一番大切なことは何かという研究が発表されました。それは少食にするということです。人間に限らず、動物や昆虫すべてについていえるというのです。
たとえばハエについてですが、ハエの寿命は1週間ですが、食べ物がないところにハエを放しておくと10日から2週間も生き続ける。ご馳走を食べて太って死ぬわけです(笑)。ですから、冗談ですが、ご婦人の方で、どうも主人とは相性が悪いし、適当な時に死んでくれればというような人は、試してみるように(笑)。
私はそのような学説が発表される20〜30年前から、長寿には少食のほうがよいのではないかと漠然と考えていました。厚生労働省は成人の一日のエネルギー必要量を2000〜2800キロカロリーをとしているのですが、私は自分の摂取するカロリーをあえて一日1300キロカロリーに落としました。もちろん運動をする人はもっと栄養をとらなくてはなりません。また成長期の子どもや青年も同様です。
しかし私のように歳をとってしまったら成長することはないわけですし、運動する時間もありません。そこで、一日3食を1食に減らしました。
子どもは一日3食しつかりとることが必要です。でも、犬などの動物は一日1食ですし、人間も江戸時代より以前は一日2食だったのです。お百姓さんは、朝早く起きて田んぼや畑に行って、午前10時頃帰ってその日初めての朝食を食べます。あとは夕方の食事のみです。文化的になると、お茶やおやつの時間などで一日6回ぐらい食べますね(笑)。
60歳を過ぎたら、2割位は減食したほうがよいです。そして運動は軽くてもすることを勧めます。
たとえばハエについてですが、ハエの寿命は1週間ですが、食べ物がないところにハエを放しておくと10日から2週間も生き続ける。ご馳走を食べて太って死ぬわけです(笑)。ですから、冗談ですが、ご婦人の方で、どうも主人とは相性が悪いし、適当な時に死んでくれればというような人は、試してみるように(笑)。
私はそのような学説が発表される20〜30年前から、長寿には少食のほうがよいのではないかと漠然と考えていました。厚生労働省は成人の一日のエネルギー必要量を2000〜2800キロカロリーをとしているのですが、私は自分の摂取するカロリーをあえて一日1300キロカロリーに落としました。もちろん運動をする人はもっと栄養をとらなくてはなりません。また成長期の子どもや青年も同様です。
しかし私のように歳をとってしまったら成長することはないわけですし、運動する時間もありません。そこで、一日3食を1食に減らしました。
子どもは一日3食しつかりとることが必要です。でも、犬などの動物は一日1食ですし、人間も江戸時代より以前は一日2食だったのです。お百姓さんは、朝早く起きて田んぼや畑に行って、午前10時頃帰ってその日初めての朝食を食べます。あとは夕方の食事のみです。文化的になると、お茶やおやつの時間などで一日6回ぐらい食べますね(笑)。
60歳を過ぎたら、2割位は減食したほうがよいです。そして運動は軽くてもすることを勧めます。
いのちは誰かに受け継がれる
私は95歳ですから、人生でいえばもう冬ですが、それでも春の芽が身体の中にあるということです。大きな木が台風で折れても、春になるとその根本から、芽が出て、木になり、緑の葉っぱが出るじゃないですか。それを「ひこばえ」ともいいますね。年をとっても、身体の中に若い命があるのだということを考えてください。
近頃はがんの終末期の看護や医学的なケアのことを「ターミナルケア」といいます。昔はあちこちにターミナルホテルがあったのですが、お葬式のホテルかと勘違いされて呼び方を変えました。でも、「ターミナル」というのは、英語では終点とか終着駅という意味ばかりではなく、始発駅という意味もあります。
私はスウェーデンに行った帰りに、英国のヒースロー空港で飛行機を乗り換えたのですが、「日本に行く人は、ターミナルCへ行ってください」というアナウンスがありました。ターミナルCが出発のゲートなのです。ですから「ターミナル」は、到着をするゲートでありながら、出発をするゲートでもあるという意味をもっています。
冬で終わるのではなく、冬からまた春が生まれるのです。自分が春として生きられなくても、子どもが、あるいはもっと広くいのちが春として成長していくのです。私たちのいのちは、誰かに受け継がれて初めて全うするものなのです。自分の代ですべて終わるのではなく、次の世代、もう一つ次の世代に引き継がれていく。人生を完成させるためには、子どもや孫に自分のいのちを伝えていかなくてはなりません。(続く)
(2007年9月3日)
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