第3回 人生後半は新しいことをしてみよう(3)
80歳からボランティア院長に
私は65歳で聖路加国際病院は自ら設定した定年によって退き、聖路加看護大学の学長に就任しました。そして、私が62歳のときに創設した財団法人ライフ・プランニング・センター(LPC)の理事長としての仕事に力を注ぐことにしました。私はこのほかにもいくつもの財団の理事長を務めていますが、これらはすべてボランティアであって、どこからも給与はいただいておりません。80歳に再び聖路加国際病院の院長になりましたが、これももちろんボランティアです。
LPCの一部門として活動している「新老人の会」では、会員の中からヘルス・リサーチ・ボランティアを募り、老化に関する疫学的研究を10年間にわたって行うなど、斬新な研究調査に取り組んでいますが、これらには130万部以上も売れた私の著書『生き方上手』などの本の印税を充てています。ですから、政府などからの研究費を当てにしなくてもすむのです。
私たちが「新老人の会」を2000年9月に設立したときには,会員資格を75歳以上にしました。ところが、女性の平均寿命は約85歳ですからいいのですが、男性の平均寿命は約78歳ですから、男性の場合は入会してから3年ほどで亡くなってしまうことになります。
それではやりたいことも十分にできないかもしれないというので、入会資格を取り払い、75歳以上の人たちを「シニア会員」、75歳未満を「ジュニア会員」、そして、65歳までは「サポート会員」として、中年層の人たちにも参加を呼びかけて、共に活動してもらうことにしました。
40歳の人も、いずれは60歳になります。40歳の人が60歳の人を見て、「あの人のように元気に活動したい」「この人のように生きたい」と思うように、あるいは70歳の人が、「森光子さんのようにいつまでも若々しくありたい」と思うように、年齢にかかわらず「新老人の会」に加入して、自分の生き方のモデルを探すための場としてほしいと思い、若い人も入会できるようにしたわけです。
LPCの一部門として活動している「新老人の会」では、会員の中からヘルス・リサーチ・ボランティアを募り、老化に関する疫学的研究を10年間にわたって行うなど、斬新な研究調査に取り組んでいますが、これらには130万部以上も売れた私の著書『生き方上手』などの本の印税を充てています。ですから、政府などからの研究費を当てにしなくてもすむのです。
私たちが「新老人の会」を2000年9月に設立したときには,会員資格を75歳以上にしました。ところが、女性の平均寿命は約85歳ですからいいのですが、男性の平均寿命は約78歳ですから、男性の場合は入会してから3年ほどで亡くなってしまうことになります。
それではやりたいことも十分にできないかもしれないというので、入会資格を取り払い、75歳以上の人たちを「シニア会員」、75歳未満を「ジュニア会員」、そして、65歳までは「サポート会員」として、中年層の人たちにも参加を呼びかけて、共に活動してもらうことにしました。
40歳の人も、いずれは60歳になります。40歳の人が60歳の人を見て、「あの人のように元気に活動したい」「この人のように生きたい」と思うように、あるいは70歳の人が、「森光子さんのようにいつまでも若々しくありたい」と思うように、年齢にかかわらず「新老人の会」に加入して、自分の生き方のモデルを探すための場としてほしいと思い、若い人も入会できるようにしたわけです。
ヘルス・リサーチ・ボランティア
先にもちょっと触れましたが、「新老人の会」では、設立当初、会員の75歳以上の人たちに呼びかけて、ヘルス・リサーチ・ボランティアになっていただくようにお願いしました。「私どもクリニックで人間ドックを受けて、そのデータを研究のために提供してください。そして、あなたたちの日ごろの生活習慣について詳しくレポートを送ってください」というボランティアです。
人間ドックのデータとは、その人の医学的な資料ですね。もちろん承諾していただいて遺伝子も調べます。そして、生活習慣の調査とは、何を食べているか、どういうビタミンを摂取しているか、どういう運動をしているか、どのような趣味をもっているか、どのようなボランティアをしているか、どういう社会活動をしているか,というようなことを毎年詳しく聞き取る調査しています。
350名ほどの人たちがヘルス・リサーチ・ボランティアとして現在までずっと継続して調査に応じていただいています。
その人たちが85歳になったときに、再び血液を採って遺伝子を調べるつもりです。がんや認知症など、病気の原因となる遺伝子をすべて採取して解析するのです。この調査を始めてから6年経っていますから、あと4年後にはその結果がでる予定です。
そのときに、認知症の発症因子の遺伝子を持っているにもかかわらず、認知症が発症していない方々がいましたら、認知症の発症を抑えるか、あるいは眠らせるような外的な環境因子があって、それが食べ物なのか、栄養なのか、運動なのか、社会活動なのか、趣味なのかということを分析するという研究です。私自身も血液を採ってもらって遺伝子を調べてもらっています。
私自身も研究対象
そのような研究をアメリカでは、3〜4年前にスタートしています。日本にはたくさんの大学や研究機関がありますが、このような研究を始めたのは日本では私たちの「新老人の会」が最初です。4年後になるとわかりますからね。私が死んでしまってはそれを知ることができません(笑)。だから100歳まで生きないとね。せっかくやったリサーチの結果を知り、その成果を実らせたいのです。
その研究のために、皆さんも「新老人の会」に入られて、ヘルス・リサーチ・ボランティアになってください。東京の砂防会館に1年に1回来ていただいたら、懇切丁寧に私たちがチェックすることになっております。是非参加してください。リサーチにはあと50人ぐらい欲しいのです。(続く)
その研究のために、皆さんも「新老人の会」に入られて、ヘルス・リサーチ・ボランティアになってください。東京の砂防会館に1年に1回来ていただいたら、懇切丁寧に私たちがチェックすることになっております。是非参加してください。リサーチにはあと50人ぐらい欲しいのです。(続く)
(2007年5月7日)
- 「新老人の会」に関するお問い合わせ先
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財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5F
TEL:03-3265-1907
FAX:03-3265-1909
ホームページ:http://www.lpc.or.jp/senior_soc/index.htm