第1回 人生後半は新しいことをしてみよう(1)
老人は75歳以上になってから
これからの65歳以上の老人は、20歳〜65歳までの生産人口の世代の世話になるのではなく、自立して社会活動に携わり、社会の生産力となり、医学の進歩とセルフケアによって、健康で生き生きとした人生を送らなければなりません。
そのために私は、これまでのように65歳以上の人々を老人とする定義を改めることを提言しています。「75歳以上」を新たに老人とする、それを「新老人」と呼ぶことにしようというものです。「新老人」というのは、新しい意味の老人という意味でつけました。英語でいえば「ジ・エルダリー」というのですが、「エルダー」というのは目上の人という意味で、長老や先輩などのことをいいます。
2000年に結成しました「新老人の会」は、まだ老人とは呼べないような人たちに「あのように生きたい」と思われるような理想的な年齢の取り方の「モデル」を提示することを目的の一つとしています。65歳になったからといって、年金をもらうことや自分の生活のことばかり考えるのではなく、いかに社会に参加し、貢献できるかという積極的な生き方をすすめています。
もちろん生活が苦しいとか病気になった人は、老人としてではなく、病人として援助すればいいのです。そういう意味において、政府には老人を積極的に活用するような法律に変えてもらうことを働きかけています。
法律を変えて世の中を変える
現在の法律では、看護師は医療行為をできないことになっています。医師の指示の下で業務を行わなければならないという、昭和23年に制定された保健師助産師看護師法という法律があるからです。
私は、たとえば、麻酔について勉強をした看護師で、一定の臨床経験を終えてさらに大学院修士課程を修了したりなど、きちんとした教育プログラムを受けていれば、麻酔管理をできるように「麻酔専門看護師」として認定するという法律に変えたいと思っています。日本では今、手術件数が増加しているのにもかかわらず、麻酔科医師の数が非常に不足して、医療の現場ではたいへん困っているからです。
小児科医師も不足しています。これも麻酔専門看護師と同じように「小児専門看護師」として、小児科病棟で臨床経験をもつ看護師が大学院でその方面を修めれば、小児の診察に関わることができるようにしたいと考えています。子どもを産んで育てた経験をもつ看護師は、経験の少ない研修医よりよほどレベルの高い医療を提供できるのではないかと思うからです。
このようなことは、アメリカでは既に40年前から行われているのです。私は、たとえ関係する医学会が反対しても、その法律を望むという方向に世論を持っていきたい。そのために厚生労働省に強く訴えていくつもりです。
医師は、大学を卒業して医師国家試験に合格したあと、2年間病院で臨床研修をしてからでないと開業することはできないという法律を制定することに私も関わっていたのですが、私が行動を起こしてからその法律が実現されるまで35年もかかったのです。このように新しい法律をつくるのに年数がかかるとなると、世界の医療の潮流から大きく遅れてしまうことになりかねません。
私は100歳になるまでの5年間のうちに、看護師があるレベルまでは診断などの医療行為に従事できるようにしたいと考えています。それを5年間でしなくてはならないからね、忙しいわけです(笑)。
しかし、もし法律ができなかったら、看護師に「あなたがやりなさい」と指示をします。それを法律違反として問題にするのであれば、みんなでサポートする。技術を比べたら、医師よりも看護師のほうが上だという証拠を挙げればいいわけですからね。
もう今は、私は時代遅れの法律など破って、みんなのためになることをどんどん進めていこうかと思っています。みなさんに賛成してもらえれば、それがパワーになって新しい世の中を実現できるのですからね。95歳を過ぎて私の考えはだんだん激しくなってきました。今から恋愛をしたらどんなに燃えるかなとね(笑)。(続く)
私は、たとえば、麻酔について勉強をした看護師で、一定の臨床経験を終えてさらに大学院修士課程を修了したりなど、きちんとした教育プログラムを受けていれば、麻酔管理をできるように「麻酔専門看護師」として認定するという法律に変えたいと思っています。日本では今、手術件数が増加しているのにもかかわらず、麻酔科医師の数が非常に不足して、医療の現場ではたいへん困っているからです。
小児科医師も不足しています。これも麻酔専門看護師と同じように「小児専門看護師」として、小児科病棟で臨床経験をもつ看護師が大学院でその方面を修めれば、小児の診察に関わることができるようにしたいと考えています。子どもを産んで育てた経験をもつ看護師は、経験の少ない研修医よりよほどレベルの高い医療を提供できるのではないかと思うからです。
このようなことは、アメリカでは既に40年前から行われているのです。私は、たとえ関係する医学会が反対しても、その法律を望むという方向に世論を持っていきたい。そのために厚生労働省に強く訴えていくつもりです。
医師は、大学を卒業して医師国家試験に合格したあと、2年間病院で臨床研修をしてからでないと開業することはできないという法律を制定することに私も関わっていたのですが、私が行動を起こしてからその法律が実現されるまで35年もかかったのです。このように新しい法律をつくるのに年数がかかるとなると、世界の医療の潮流から大きく遅れてしまうことになりかねません。
私は100歳になるまでの5年間のうちに、看護師があるレベルまでは診断などの医療行為に従事できるようにしたいと考えています。それを5年間でしなくてはならないからね、忙しいわけです(笑)。
しかし、もし法律ができなかったら、看護師に「あなたがやりなさい」と指示をします。それを法律違反として問題にするのであれば、みんなでサポートする。技術を比べたら、医師よりも看護師のほうが上だという証拠を挙げればいいわけですからね。
もう今は、私は時代遅れの法律など破って、みんなのためになることをどんどん進めていこうかと思っています。みなさんに賛成してもらえれば、それがパワーになって新しい世の中を実現できるのですからね。95歳を過ぎて私の考えはだんだん激しくなってきました。今から恋愛をしたらどんなに燃えるかなとね(笑)。(続く)
(2007年4月17日)
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