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今月のケアマネジャー

ケアマネジャー

介護専門職の総合情報誌『ケアマネジャー』最新号の内容をご紹介します。

ターミナル期の支援、ステージ別ケアマネにできること
[特集記事から]

『ケアマネジャー』2018年12月号から、特集(ターミナル期の支援 基本ポイントと最新知識)の内容を一部ご紹介いたします。

 看取りに向けて利用者がさまざまな段階を踏むなかで、家族はもちろん、医療や看護も「その人らしい最期の迎え方は何か」に気を配っているもの。そんな時、もっとも頼りにされているのは、実はケアマネです。「自分が積極的に動くことで、ご本人が自分らしく生き切る環境が整えられる」という意識を持ちながら、人生の完結に向き合いたいものです。


ステージ1 平時

過去の病歴も把握して、“IF(病状が悪化したら)”を想定しておく

 多くの利用者にはさまざまな持病があり、人によっては何年も付き合いながら、その人なりの生活を続けています。

 この点を考えたとき、疾患ごとに長年付き合っている主治医(歯科医師なども含む)と連携し、利用者の生活歴のなかで「どんな病気とどのように付き合ってきたか」という情報を整理しておくことが大切です。そのうえで、「もしこの病気が悪化したら…」というIF(仮定)を立てつつ、生活の変化まで見据えた予後予測を立てておきます。

 一方で、その人が人生でもっとも大切にしていること(価値観など)のなかには、状態変化を経ても「変わらない」ものがあります。いわば、その人の「軸」となる生き方はどこにあるか。これを探ることも、看取りに向けた大切な準備の一つとなります。


ステージ2 病状変化

病状や意向の変化に対して「冷静さを保てる自分」を準備しておく

 いざ病状が大きく変化すると、ケアマネジャーはなかなか冷静さを保てないものです。あとは医師や看護師に任せきりにする」という見切りも生じがち。

 しかし、そこでケアマネが引いてしまえば、かかわりが強くなる医師や看護師に、利用者の「その人らしい生活」に関する情報が伝わらず、その人の意思をともなわない治療や療養が優先されてしまうことも。

 大切なのは、病状の変化等を前にしても「冷静さを保てる自分」を整えること。そのためには、自分はどんな状況になると慌てやすいのかを把握しておくことが必要です。たとえば、研修などを通じて多職種の視点を学び、「チームのなかで自分に求められていることは何か」を知ることも、自分を客観的に見つめるうえで欠かせない機会となります。


ステージ3 活動低下

“その人らしく生きる意味”を再発見し、家族に伝える

 病状変化が訪れると、その後も階段を降りるように「病状変化→活動低下」のサイクルが著しくなることが。そうした状況では、本人の意欲低下もさることながら、家族としても「あきらめ」や「憔悴」が先に立ってしまいがちです。

 そうしたなかでケアマネとして心がけたいのは、本人の活動が低下した場合でも「その人らしく生きる意味」を再発見することです。「ご本人はまだここまでできます」ということを家族にもきちんと示し、そこから「家族の間で新たな思い出づくり」を進めてもらえるよう下支えしていくことです。ケアマネの力量が特に問われる部分です。


ステージ4 看取り

平穏になれる環境づくりや、家族の不安を解消するためのアドバイスを

 「やはり最期は家族と水入らずで」という思いから、ここでも身を引いてしまいがちです。しかし、本人はもちろん、家族も「身内が亡くなる」という場面に遭遇すれば極度の不安におちいります。最後の最後で、本人と家族との間に心理的な溝が生まれやすくなるのです。

 ケアマネとしては「本人と家族が絆を再確認しつつ、その人らしく『生き切ってもらう』」ための橋渡しを心がけます。少しでも平穏になれる環境づくりや、家族の不安を解消するためのアドバイス(聴覚は最後までしっかりしていることも多いので、言葉がけをうながすなど)など、できることはたくさんあります。


ステージ5 看取り後

家族の喪失感に寄り添うグリーフケアやマニュアルづくり

 遺された家族の喪失感をどうフォローしていくかは、ケアマネにとって重要なポイント。グリーフケアの研修やマニュアルづくりなどを進める事業所も増えています。とはいえ、「そこから先は介護保険外(自身にとっての正式な業務の範囲外)」となれば、その対応に悩むケアマネも多いでしょう。

 本人が亡くなった後、遺された家族が施設でボランティアをするというケースがあります。グリーフケアを通じた会話から、家族が新たな社会資源になってくれることもあります。その時、その家族の姿のなかに「生き続けている本人の姿」を見ることができるかもしれません。


執筆:田中元 介護福祉ジャーナリスト
取材協力:
  • ・相田里香 介護サービス青い鳥管理者
  • ・一井圭 アイム介護福祉支援センター
  • ・佐々木克祥 奉優会等々力の家居宅介護支援事業所責任者
  • ・髙良直子 奉優会等々力の家居宅介護支援事業所副責任者
  • ・芥川裕美子 奉優会等々力の家居宅介護支援事業所
  • ・高橋敬子 奉優会等々力の家居宅介護支援事業所

 以上は、『ケアマネジャー』2018年12月号の特集「第1章 ターミナル期の支援 ケアマネジャーができることは何? ステージ別“ケアマネにできること”をチェックしよう」の内容です。このほかにも下記のような内容を解説しております。ぜひお手に取ってご覧ください。

ターミナル期の支援 基本ポイントと最新知識
状態別の役割からACP・新加算の取得まで

第1章 ターミナル期の支援 ケアマネジャーができることは何?

  • ステージ別“ケアマネにできること”をチェックしよう
  • ケアマネに求められる予後予測とは?
  • 病状や意向の変化に、冷静に対応するための準備とは?
  • 意向変化に合わせたケアプラン見直しのポイントとは?
  • 「本人」「家族」「医療職」「ケアチーム」に対してできることは?
  • 看取り後の家族の気持ちにどのように向き合う?

第2章 押さえておきたい! ターミナルケアマネジメント加算

  • 「ターミナルケアマネジメント加算」ってどんな加算?
  • 事業所の体制づくりと必要となる研修
  • 利用者・家族、他職種との調整

『ケアマネジャー 2018年12月号』
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    販売サイトはAmazon富士山マガジンサービスから順次拡大予定!
  • けあサポでは今後、中央法規出版発行の月刊誌『おはよう21』『ケアマネジャー』について、最新号のお知らせや、介護現場の皆様に役立つ記事の公開をしてまいります。