第20回 介護について悩んでいます<2>
認知症の老親の介護はどうしたらよいでしょうか
【Q】
母が認知症と診断されました。どのような介護をしたらよいでしょうか?
【A】
家族だけで抱え込まず、肩肘張らず、気長に、楽に
【解説】
認知症の症状は実に多様です。もの忘れの程度や記憶に残りやすいこと、行動など、人によって違うからです。
そこで、まず、診断を受けられたのを機に、定期的な服薬があるのであれば、服薬後、どのような変化があるのか、次回の受診時にお話して下さい。
また、危険を伴う行動について、例えば車の運転や火の取り扱いなどは介護者がいて安全にできるのであればいいのですが、思わぬ大事故につながる心配もあるため、今後は止めるという判断もしなければならないと思います。本人にとっても認知症の症状を自覚されることもあります。
例えば、最近、忘れっぽくなったとか、勘違いすることが多くなったなどです。本人もそうした症状から大変不安な思いを抱えて過ごされているかもしれません。また、介護者から寄り添うような、安心できる言葉かけをしてもらうことにより、安心して生活することができるかもしれません。
たとえ介護の専門職でも、実の親が認知症であることは受け入れがたいと感じることが多いのではないでしょうか。頭では理解できたとしても、以前のしっかりしていたころの面影を感じ、「なぜ、自分の親が」と自問自答する日々が続くという話を聞いたことがあります。
そこで、まずは介護者の心の準備ということも大事なポイントですね。介護者の苛立ちや不安が伝わると、お母様を不安にさせてしまうことが懸念されます。むしろ大抵のことでは動じない心で、介護者が大きな気持ちでいると相手も安心できるのではないでしょうか。
私が日ごろ、お会いしている介護者の皆様を参考にさせていただきましたが、簡単なことではないとは思います。でも、あまり肩肘張らず、気長に、楽にということをおすすめしています。
しかし、お母様は認知症になられたとしても、できることはまだたくさんあるはずです。そこで、できることには参加してもらいましょう。お母様自身の精神的な充足感があればきっと表情も生き生きとされるはずです。その結果、家族関係もよい関係が保たれますし、なるべく認知症の進行を予防するためにも他者との交流を持ち、刺激を受け生活の活性化を図るとよいと思います。
また、介護保険による予防サービスもありますし、市町村によっては介護保険外のサービスを行っている場合があるかもしれません。例えばデイサービスセンターで他者との交流を図るというのはよくある話ですが、とても予防効果が高いと思います。
人と交流すること自体が嫌いな方はともかく、同世代と会うというのは家族が代われない機会ですので、元々、行きたがらない方でも1〜2回行くと人が変わったように楽しみになる、ということもあります。
アメリカのピーター・ホワイトハウス博士によれば、世代間交流(同世代だけでなく、いろいろな世代間の交流)も効果があることを発信していました。赤ちゃんや子供たちと交流できるサービスなんていうのもおもしろいですね。
また、「・・・してはいけない」、「・・・はダメ」などの否定語などはあまりよくないといわれています。思わずいってしまいそうになりますが、気をつけたいところです。
母が認知症と診断されました。どのような介護をしたらよいでしょうか?
つくば市・A子
【A】
家族だけで抱え込まず、肩肘張らず、気長に、楽に
【解説】
認知症の症状は実に多様です。もの忘れの程度や記憶に残りやすいこと、行動など、人によって違うからです。
そこで、まず、診断を受けられたのを機に、定期的な服薬があるのであれば、服薬後、どのような変化があるのか、次回の受診時にお話して下さい。
また、危険を伴う行動について、例えば車の運転や火の取り扱いなどは介護者がいて安全にできるのであればいいのですが、思わぬ大事故につながる心配もあるため、今後は止めるという判断もしなければならないと思います。本人にとっても認知症の症状を自覚されることもあります。
例えば、最近、忘れっぽくなったとか、勘違いすることが多くなったなどです。本人もそうした症状から大変不安な思いを抱えて過ごされているかもしれません。また、介護者から寄り添うような、安心できる言葉かけをしてもらうことにより、安心して生活することができるかもしれません。
たとえ介護の専門職でも、実の親が認知症であることは受け入れがたいと感じることが多いのではないでしょうか。頭では理解できたとしても、以前のしっかりしていたころの面影を感じ、「なぜ、自分の親が」と自問自答する日々が続くという話を聞いたことがあります。
そこで、まずは介護者の心の準備ということも大事なポイントですね。介護者の苛立ちや不安が伝わると、お母様を不安にさせてしまうことが懸念されます。むしろ大抵のことでは動じない心で、介護者が大きな気持ちでいると相手も安心できるのではないでしょうか。
私が日ごろ、お会いしている介護者の皆様を参考にさせていただきましたが、簡単なことではないとは思います。でも、あまり肩肘張らず、気長に、楽にということをおすすめしています。
しかし、お母様は認知症になられたとしても、できることはまだたくさんあるはずです。そこで、できることには参加してもらいましょう。お母様自身の精神的な充足感があればきっと表情も生き生きとされるはずです。その結果、家族関係もよい関係が保たれますし、なるべく認知症の進行を予防するためにも他者との交流を持ち、刺激を受け生活の活性化を図るとよいと思います。
また、介護保険による予防サービスもありますし、市町村によっては介護保険外のサービスを行っている場合があるかもしれません。例えばデイサービスセンターで他者との交流を図るというのはよくある話ですが、とても予防効果が高いと思います。
人と交流すること自体が嫌いな方はともかく、同世代と会うというのは家族が代われない機会ですので、元々、行きたがらない方でも1〜2回行くと人が変わったように楽しみになる、ということもあります。
アメリカのピーター・ホワイトハウス博士によれば、世代間交流(同世代だけでなく、いろいろな世代間の交流)も効果があることを発信していました。赤ちゃんや子供たちと交流できるサービスなんていうのもおもしろいですね。
また、「・・・してはいけない」、「・・・はダメ」などの否定語などはあまりよくないといわれています。思わずいってしまいそうになりますが、気をつけたいところです。
社会福祉士・デイサービスセンター施設長 石川佳一
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(アクティブシニア編集部)