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ほじょ犬って、なあに?

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

身体障がい者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。

プロフィール橋爪 智子 (はしづめ ともこ)

NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。

著書

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著(中央法規出版)

『よくわかる 補助犬同伴受け入れマニュアル』共著
(中央法規出版)

第182回 【FM radio J-WAVEで補助犬特集!】全文テキスト掲載!

堀:3大のひとつめ行きました。二つ目、

橋:ふたつめ、「保健所の指導があるので」と言われることがあるんですね。

堀:いわゆる、衛生面に関してってことですか?

橋:はい。ただこれは、食品衛生法上、保健所から指導されているのは、『調理場に動物を入れてはならない』ということなので、客席は該当しないという所で、どこでも大丈夫になっていますので、そこの誤解はないと有難いなと思います。

堀:僕もある程度の長い時間の会議の現場とかで、聴導犬が一緒にいた。でも、その会議の最中、テーブルの下の見えにくいところに、じーっと座っていて。で、よく言われる、聞かれると思うんですけど、トイレはどうするんでしょうか?そのへんで急にとか、そういうことはない?

橋:そうですね。これが3つ目に関わってくるんですけど、「とにかく犬は困る」って言われるんですね。多分、社会の皆さんがまだまだ犬のマナーについてご存知ないので、犬って汚いんでしょ、とか犬ってそこら中でおしっこしてしまう、吠えてしまう、そういうイメージをお持ちの方が、日本ってまだまだ多いなということを感じます。補助犬の場合は、堀さんがおっしゃったように、専門の訓練所できちんと訓練を受けていて、しっかりと適性がある子が選ばれています。プラス、障害者の方もちゃんと犬の管理を学んで、吠えたり、バタバタ走り回ったりしないような行動管理と、排泄の時間とタイミングも、犬に負担をかけなるのではなく、その子の様子を観察しながら、タイミングを考えて、じゃあここで済ませて建物の中に入りましょうとか。多目的トイレを使って、排泄物をきちんと管理をして、処理をしてから建物の中に入りましょうということで、3歳児の子供の保護者のようなイメージで、ちゃんと行動も衛生も管理されているので、安心して受け入れていただけると思います。

堀:なるほど。さっき、冒頭も少し触れたんですけど、お店の方々も、法律が、差別解消法だったり、補助犬法であったりとか、施行される中で、正直どこかで誰かに教えてもらわないと、対応ができないと。取材をさせてもらったランドマークタワーで、店子さんたち、結構いましたね。100人近くいましたかね。みなさん一生懸命、メモを取りながら。やはり、現場のニーズっていうのはすごく感じる部分はおありなんじゃないですか?

橋:関心はすごく高く持ってもらっているんですね。ただやはり、実際に補助犬を連れたお客様がこられた経験があるか?といわれると、なかなかその経験がないので、余計に想像だけが先行して、犬って大丈夫なの?ほかのお客様に迷惑なんじゃないの?って思ってしまうのかな、ということを感じています。

堀:なるほど。一方で入店拒否以外に、補助犬を連れている方に対する、偏見誤解差別、っていうのは具体的にどのようなものがあるんでしょうか?

橋:そうですね。まだまだ「補助犬が可哀想」ということを言われたり、「人が手助けすればいいじゃないの」というセリフを耳にすることがあるんですね。

堀:ほうほう。可哀想?

橋:「人のために働かされて可哀想」そこに至るまでの思いって、色々なものがあると思うんですけど、まずは正しく知って欲しいなと思っています。まずですね、『人にしてもらったこと』、例えば手足に障害のある方が物を落とした、家で家族がいらっしゃる場合、わざわざその家族が何かをしている時に、「ごめん、ちょっとモノを落としたので拾ってもらえる?」ってお願いして拾ってもらう。そこは、たとえ家族であっても気兼ねがある、遠慮だったり。「忙しいのに、また?」とか言われちゃうんですよね。

堀:はいはい、ありますよね。

橋:そういう場合に、人にやってもらうというのと、「○○ちゃん、テイク△△」という指示を出して、ペンが落ちたら、ペンを取ってもらう。そうすると、犬に指示をしてできた事って、自分ができたことなんですね。

堀:ふーん。

橋:障害がある方々って、障害があることでできなくなることがたくさんある、どんどんできなくなっていく中で、補助犬と共にできたこと、自分ができることを増やせるって、すごく自尊心だったり、自立心が高まるという部分で、やはり人と犬との違いって、人にやってもらえばいいんじゃないの?という簡単なものでは無いんだろうな、ということを感じています。

堀:ちょっと変なことを聞きますけど、犬たちの方は、ごめん、今ちょっと眠たいんだわ、とか、しんどい、疲れたから待って、とかそういう反応はあるんですか?

橋:人と違うのが、犬の素晴らしい所なんですけれども。犬って眠りが浅い動物なんですね。なので、四六時中、「今はお父さんだったりお母さんが、仕事依頼しないから寝てたらいいわ」ってことで寝てる。そこで、ぱっと物音がして、もの落とした、仕事だ!ということで、指示を受けてする。そうすると、一番大好きなお父さんやお母さんに褒められるんですね。犬のトレーニングは褒めて褒めて、遊びの延長でやっているので、常に一番大好きな人にどうやったら褒めてもらえるかって考えてるんです。

堀:あぁ、そういう感じ?

橋:そうなんですよ。なので、見ていただいたらわかるんですけど、しっぽフリフリお仕事をしてくれるので。

堀:うん、そうでしたねー。

橋:その代わり、必ず褒めます。障害者の方も、「ありがとう」(お仕事してくれて)ってことを伝えるようにしています。

堀:それはやはり、犬と利用者の方の相互の信頼関係というものがあって、そして共にしているということが大前提になるということなんですね。

橋:はい、その分きちんと愛情を込めて大切にしています。

堀:さぁ、この後、海外では補助犬はどうなっているのか。海外での事例をもとに紐解いて参ります。

・・・・・(曲)・・・・・

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