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もっと知りたい！訪問看護のこと

第４回　訪問看護師さんの１日に密着！　後編
～大島訪問看護ステーション

　いつもお世話になっている訪問看護サービスの魅力をお伝えしている今回の特集。最終回は、訪問看護師さんの１日に密着！（後編）になります。午後は３軒のお宅に訪問しました。

午後の訪問看護へ

　13：50、午後の訪問へ出発です。
　14：15にＳさん宅に到着しました。Ｓさんは83歳。訪問看護の他にデイサービスやホームヘルプサービスを使って一人暮らしを続けています。ヘルパーさんをまめに使っているので、訪問看護師との「連絡ノート」をつくり、薬や食事のことなど伝言事項を書き記し、協力してＳさんの在宅生活を支えています。
　この日は、足がむくんでいるので循環を良くするための足浴、皮膚疾患の治療、１週間分の薬のセット、マッサージ、酸素吸入などを行いました。

　１時間の訪問看護を終え、自転車で移動し、15：25に４軒目のＯさん宅に到着しました。Ｏさんはご夫婦２人暮らしです。訪問看護サービスはもう10年くらい利用しているそうです。介護保険上は奥さまが利用していますが、ご主人さまも高血圧があるので血圧チェックを行います。
　バイタルチェックをすませ、奥さまの詰め切りや足のマッサージ。首や腰の体操、立位訓練、摘便、おむつ交換を行いました。
　好奇心旺盛なＯさんは、若い頃シナリオライターをしていたそうです。本当は薬剤師になりたかったけど、親に反対されて文才をいかした職業に就かれたというお話を楽しそうにしてくださいました。このようなおしゃべりも、利用者さんの気分転換やストレス発散につながっているようです。
　訪問看護については「何かあれば、電話をすればすぐに対応してくれるから安心。それに、病院に対しても連絡調整をしてくれるから、受け入れるときに（症状を的確に伝えてくれるので）助かるみたい」とおっしゃっていました。

　16:45。最後に訪問したＫさんは、リウマチを抱えながら一人暮らしをされている方です。訪問看護は週に５日利用しています。ホームヘルパーも利用していますが、安心度が違うといいます。「ヘルパーさんにはトイレ介助や清拭をお願いしています。訪問看護師さんには、在宅酸素の調整や痛いところを見てもらって湿布を貼ってもらったり。来てもらうと、とっても安心するの」とお話してくださいました。
　病状の観察や手当を終えると夕食の支度をします。と言っても食事を作るわけではありません。ベッドのリクライニングを調整し、体が痛くならないようにスポンジを入れ、コルセットを巻き、ヘルパーさんが作ったご飯をセットするまでが訪問看護の内容です。
　これから朝までは一人で過ごします。こうした暮らしをもう10年も続けているそうです。
　17:55にＫさん宅を後にすると、あいにくの夕立。雨にビショビショに濡れながらも、心地よい疲労感に包まれてペダルを踏みました。

訪問看護は在宅生活を支える要

　ステーションに戻り記録をつけ、18時半頃ステーションを後にするそうです。お昼休み以外休みなく働き続け、本当に体力がいる仕事だと思いました。
　本日は５軒のお宅を訪問しましたが、どの方も「訪問看護師さんがいるから、安心して在宅生活を続けられる」とおっしゃっていました。訪問看護が在宅生活を支える要になっていることが良くわかりました。
　武笠さんは、訪問看護の魅力を「一人ひとりとじっくり関われること。そして、お一人おひとりのさまざまな生き方や考え方、価値観にふれることができ、刺激を受けること」と言います。病院では、入院期間の短い間だけの関わりになり、退院した後の生活をうかがい知ることはできません。しかし、訪問看護は、その方のお宅に訪問し、ときには10年以上もの長期間にわたって看護を提供します。一人の方と深く長く関われること、その方の生活を支えられることが訪問看護の魅力なのです。また、そのことを魅力と思ってくれる看護師さんにケアしてもらえることは、私たち利用する側の者にとっても嬉しいことですね。
　医療依存度の高い要介護者が在宅生活を続ける要として、これからも訪問看護師さんの活躍を期待しています！