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特別講義 第34回社会福祉士国家試験の「この問題、難しかったですね!」
~正誤を分けたFork In The Road


特別講義 第34回社会福祉士国家試験の「この問題、難しかったですね!

事例問題を解くコツは

 問題を解説する前に、《事例問題を解くコツ》について整理してみると、以下のようになります。

事例問題を解くコツ
  • ①設問文から「何を問われているのか」を読み解く
  • ②事例から設問文で問われている内容に関する【キーワード】を見つける
  • ③そのキーワードと関連する[知識や技術、制度や政策、価値や倫理]を引き出す

 この3点を踏まえて、実際の問題を見ていきましょう。

問題40:地域福祉の原則と生活支援コーディネーターを理解できたかが分岐点

 まず、問題40から見ていきたいと思います。問題40は、〈「協議体」の運営(地域包括ケアシステム)に対する生活支援コーディネーターの提案〉を問う事例問題でした。
 【キーワード】としては、「生活支援コーディネーター」や協議体などの「運営」、「地域福祉の原則」などが挙げられるのではないでしょうか。この問題のFork In The Roadは、「生活支援コーディネーター」「組織や事業運営(評価含む)」「地域福祉の原則(住民主体)」の[知識や技術、制度や政策、価値や倫理]を理解していたか? ということです。例えば、「生活支援コーディネーター」については、その役割がサービス提供主体の間の連携を推進するなどのネットワークの構築機能、新たなサービスを創出するなどの資源開発、ニーズと取り組みのマッチングにあることを知っていたか、「組織や事業運営(評価含む)」では、事業を実施するにあたって、ストラクチャー評価、プロセス評価、アウトプット評価などを知っていたか、「地域福祉の原則」では、住民や参加者の自立性や地域課題の個別化原則を知っていたかが分岐点となりました。
 ここまで来ると、選択肢3の「多様な主体の協力を確保する」「参加を呼びかける」が、生活支援コーディネーターの役割であることがわかり、逆に選択肢2のように、「(介護分野以外は)協議の対象としない」といった提案が不適切であることがわかります。
 次に、協議体や地域包括ケアシステムの最終的な評価はアウトカム(結果)で評価されることになりますが、結果のみでは問題点が明らかにできず、改善が見出せないことも多いです。そこで、結果に至る過程(プロセス)を評価し、事業の基盤である構造(ストラクチャ)について評価することが重要になります。そのために、選択肢1の「これまでの地域ケア会議で出された地域課題を検討することを提案する」というのは適切な対応であることがわかります。
 最後に、「地域福祉の原則」をもとに事例を見ていくと、協議体や地域包括ケアシステムは、市町村等が地域の自主性や主体性に基づき、能動的に、地域の特性に応じて作り上げることが重要であるため、選択肢4の行政との連携は必要ですが、受動的に行政の目指す姿に向かって協議することを提案するのは不適切と言えます。同様に、選択肢5の先行事例を紹介するという内容は、一見、適切な提案に思えますが、「それと同じ活動を実施する」という部分が不適切となります。よって、解答は【1と3】となります。