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特別編 第34回社会福祉士国家試験 問題の講評

特別編(1) 第34回社会福祉士国家試験 午前<共通科目>問題の講評

過去問や基礎知識をベースに、関連する新たな知識や、それを活かす応用力が必要でした。

 今週と来週の2回に分けて、第34回社会福祉士国家試験の講評を行いたいと思います。今回は、午前<共通科目>問題(精神保健福祉士との共通科目の問題)についてです。

 午前<共通科目>の試験科目は以下の11科目で、試験時間は10時から12時15分までの135分(2時間15分)でした。

  • ■ 人体の構造と機能及び疾病(7問)
  • ■ 心理学理論と心理的支援(7問)
  • ■ 社会理論と社会システム(7問)
  • ■ 現代社会と福祉(10問)
  • ■ 地域福祉の理論と方法(10問)
  • ■ 福祉行財政と福祉計画(7問)
  • ■ 社会保障(7問)
  • ■ 障害者に対する支援と障害者自立支援制度(7問)
  • ■ 低所得者に対する支援と生活保護制度(7問)
  • ■ 保健医療サービス(7問)
  • ■ 権利擁護と成年後見制度(7問)

 講評ですから、短絡的に「難しい問題でした」とか、「やさしい問題でした」とか、「よい問題でした」とか、「悪問でした」とか主観的なことはあまり書かないようにしたいと思いますが、そうは言っても…。まず、私が実際に解いてみた感想を少し述べると、問題自体は、「(過去の問題をベースとした)基本的な内容を問う問題」を中心に、「現代の社会問題や福祉に関する知識」が問われ、全体的な印象としては、「過去問や基礎知識をベースに、関連する新たな知識や、それを活かす応用力が必要でした」というところでしょうか。このことから、日頃から新聞などで時事を抑え、過去の問題とその設問文から芋づる式に関連知識をきちんと学習していれば解答できる内容が中心でしたので、「昨年同様の難易度」という印象です。ですから、合格ラインは、昨年の第33回試験の93点前後が目安となるでしょう。詳細をもう少し記してみると、「午前の共通科目、午後の専門科目共に、昨年同様の難易度で、基本を押さえておくことである程度は得点ができた。ただし、各科目1~2問程度のやや難しい問題が出題された」「設問文をシンプルにするためか説明がやや不足しており、解答に迷った」という印象でした。皆さんはいかがでしたか?

 過去の問題や、各種模擬問題をはじめ、けあサポなどで私が取り上げてきた基礎的な内容も問われていたので、制度や統計、基本的事項をしっかりと押さえていた方は、かなり明確、明瞭に解けた問題が多かったのではないでしょうか。また一方で、各科目で、新たに問われた項目もありました。多少、用語や法律・通知、人名などがわからなくても、設問文をしっかり読み、その内容や時代背景、福祉の変遷や動向などをしっかり捉えることで、正答までたどり着ける問題が多くありました。そういった意味では、一つひとつの設問の誤りを指摘できる力が必要でしたので、項目に対する関連知識が必要となります。このように、社会福祉士の試験では、福祉の動向や変遷などをきちんと理解しておくことが重要であることがわかります。

 さて、試験直後から、第34回試験を受けた方から感想をいただいているのですが、「しっかり暗記しておけば、意外と解けた問題が多かった」「問題文をよく読めば、初めての語句や・用語であっても内容が理解できた」「2つ選ぶ問題がとても多かったが、問題文をしっかり読んで挑むことで得点できた」といった冷静な感想を多くいただいています。私も同感です。しっかりと統計や法律、用語などについて整理していた人は、あとはじっくりと、まちがえなく問題を読解さえすれば解答できた問題が多かったと思います。ただ、やはり、実際の試験となると、そう冷静でなんていられないのもまた事実なんですけれどね。

 また、前述しましたが、法律や制度についても多く出題されていました。事前に法律や制度にあたっていた人は、確実に得点できたと思います。この統計や制度に関しては、毎年必ず問われますし、非常に重要な学習ポイントであることがわかります。さらに、このような問題は、図表での出題がありませんので、過去の問題や模擬問題を繰り返し解き、文章に慣れ、問題に慣れていた人は確実に得点できたと思います。

 午前<共通科目>問題の総評として、本年度の試験の合否を分ける大きなポイントは、用語や概念、理論についてしっかりと理解できていたかどうかだと思います。本年度の試験は、用語や概念、理論にかなり忠実な問題が多かったため、しっかりと学習し、理解していた場合、明快に解答できたと思います。さらに、この基礎知識を具体的に活用する場面が事例などで出題されており、ある意味で応用的な問題であったと言えます。

 事例問題については、昨年同様に短文の事例問題がちりばめられていました。また、各問題間及び各科目間の問題の難易度にバラつきがあったため、根気よく、確実に、わかる問題を得点できたかどうかが重要だと思います。途中で投げ出してしまったり、初めのほうに難しい問題があったので先入観で本年度の試験を「難しい」と捉えてしまった方は、苦戦したと思います。

 それでは、各科目について、それぞれ講評していきたいと思います。