露木先生の受験対策講座
毎週火曜日更新。人気講師による受験対策講座を、一年通してご提供。合格を目指して一緒にがんばりましょう。
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
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社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。


第37回 クローズアップ~相談援助の理論と方法
今回は、「相談援助の理論と方法」で特に理解しておくべきポイントについて解説します。前回の「相談援助の基盤と専門職」と関連づけて学習していきましょう。
「相談援助の理論と方法」のポイントの振り返り
本科目の問題数は全21問と、得点の配分が一番大きい科目です。本科目でしっかりと得点できていることが合格の必須条件となります。また、「相談援助の基盤と専門職」と関連づけて学習することも重要です。
事例問題は、いずれも短文の事例問題でした。今後も事例形式での出題が予想されますので、事例問題についての対策が重要です。
具体的に内容を見てみますと、理論やアプローチ、モデルに関する問題、ソーシャルワークのプロセスに関する問題が、例年、多く出題されています。理論やアプローチ、モデルに関する問題では、「人と環境の交互作用」を中心とするシステム理論やエコロジカル理論が重要ですので、きちんと整理しておきましょう。また、ソーシャルワーク・プロセスについては必ず整理が必要です。このほか、エコマップの活用や面接技術、スーパービジョン、コンサルテーション、記録、グループワークなどについても整理しておきましょう。
本科目は出題数も多く、出題範囲も広域でかなりのボリュームですが、過去問解説集や模擬問題集などで学習しておけば、確実に得点できるものが多いと思います。不明確な用語については、今のうちに社会福祉用語辞典などを活用して整理しておいてください。
理論やアプローチ、モデルの整理(1)
人と環境の交互作用
本科目では、「人と環境の交互作用」について理解することが重要です。特に、システム理論が中心となります。キーワードとしては、一般システム理論、サイバネティックス、自己組織性などがあげられます。
前回(第36回「クローズアップ~相談援助の基盤と専門職」)も解説しましたが、ソーシャルワークの歴史は、この「人(個人)」と「環境(社会環境)」をどのように捉えるかの歴史ともいえます。リッチモンド以来、ソーシャルワーク研究において、「人(個人)」をどのように理解し規定するのか、また、「環境(社会環境)」をどのように理解し規定していくのか、さらに、「人(個人)」と「環境(社会環境)」をどのように捉え結びつけていくのかなどの議論が繰り返されてきました。時には、「環境面」や「社会面」などの貧困問題を忘れたソーシャルワークと皮肉を言われることもありました。その後、1950年代後半以降、問題の所在を「人(個人)」や「環境(社会環境)」のみに焦点を当てるのではなく、「人(個人)」と「環境(社会環境)」を一つのシステムで理解すればよいという新しい考え方が急速に広がっていきました。つまり、「人(個人)」と「環境(社会環境)」のように二元化して捉えるのではなく、「人(個人)」と「環境(社会環境)」を一つのシステムに内包することで一元化して捉えるようになりました。
その後も、ソーシャルワークの統合化や生態学の影響を受け、現代の「人(個人)」と「環境(社会環境)」の交互作用面に介入するソーシャルワーク援助が一般化されていきました。
本項目については、絶対にマスターしておいてください。とても重要で、今後も出題されやすい項目です。この内容がわからない人は、ソーシャルワークを理解することが困難となります。この「人(個人)」と「環境(社会環境)」の交互作用について理解し、そこを支援ターゲットとすることが、ソーシャルワークの専門性・独自性でもあるのです。
図1 人と環境の交互作用

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