露木先生の受験対策講座
毎週火曜日更新。人気講師による受験対策講座を、一年通してご提供。合格を目指して一緒にがんばりましょう。
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
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社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。


第35回 クローズアップ~社会調査の基礎
さて、今回から「専門科目」に突入です。今回は、「社会調査の基礎」で特に理解しておくべきポイントについて解説します。一つひとつ積み上げていくと、必ず終わりは来ます。ラストスパート、最後の最後まで、一緒に頑張りましょうね。
「社会調査の基礎」のポイントの振り返り
本科目は、(1)社会調査の基礎や概論、(2)量的調査、(3)質的調査の3項目に大別されます。全7問の割合としては、(1)社会調査の基礎や概論から1~2問、残りの5~6問は,(2)量的調査と(3)質的調査からです。傾向としては、(2)量的調査のデータの収集法を中心に、(3)質的調査のデータ収集法やデータ分析法について問われています。
具体的には、(1)社会調査の基礎や概論については、2009(平成21)年4月に施行された「新・統計法」や「調査倫理」に関する問題、「個人情報の取扱い」などが出題されています。また、(2)量的調査については、「量的調査の基礎」「標本調査の抽出方法」「質問文作成の注意点」「分布の代表値」「測定の信頼性」などが出題されています。さらに、(3)質的調査については、「アクション・リサーチと参与観察」「質的データの分析」「面接法(グループインタビュー法含む)」「観察法」に関する問題が出題されています。
本科目を苦手する人も多いようですが、量的調査・質的調査ともに、学習のコツは、①データをどのように集めるか、②集めたデータをどのように評価(解析・分析)するかに着目して整理することです。つまり、①データの収集法と②データの分析・解析法を意識して整理すると、理解が促進されます。
今後も、(1)社会調査の基礎や概論、(2)量的調査、(3)質的調査の3項目からバランスをとって出題されるでしょう。したがって、質的調査の知識だけでなく、量的調査に関する知識の習得も重要となります。特に、用語と概念については、一度きちんと整理しておけば必ず得点できます。
社会調査の分類とその特徴
社会調査とは、国や地方自治体、企業、学校・保健医療福祉の機関、その集まりなどが調査の主体となって、諸課題の理解や対応策の立案などを目的として行う調査対象の実態把握についての試みを指します。なかでも社会福祉調査は、援助活動の実践の効果測定や、現在提供されている福祉サービスに対する要望や潜在的ニーズの発見などを目的に行われる調査技術とされています。
社会調査は、大きくは「量的調査(統計的調査)」と「質的調査(事例的調査)」の2つに分けられます。
まず、量的調査は統計的調査ともいわれ、対象に対する多数の数値データを観測して、状態や特性を分析し、量的に把握する調査方法です。量的調査には、母集団全てのデータを集める〈
一方、質的調査は事例的調査ともいわれ、調査対象を少数の事例に限定して、問題の特徴を示す多数の要因、その要因の相互関連性について洞察的な分析を行う調査方法のことです。質的調査の特徴としては、量的調査のデータが「数値化」されるのに対して、質的調査のデータは「文章化(言語によって記述されたデータ)」されます。
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