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露木先生の受験対策講座

毎週火曜日更新。人気講師による受験対策講座を、一年通してご提供。合格を目指して一緒にがんばりましょう。
露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

特集⑤合格者に聞く!私が受かった勉強法 社会 精神 介護
特集④ 受けてみよう!「模擬試験」のススメ! 社会 介護

第30回 クローズアップ~社会保障

 今回は、「社会保障」で特に理解しておくべきポイントについて解説します。

「社会保障」のポイントの振り返り

 社会保障は、社会保険と社会扶助の2つに大別されますが、本科目では、特に前者の社会保険の種類をはじめ、それぞれの目的や対象、給付内容、財源構成などに基本的な事項について理解、整理することが重要です。また、事例問題については、例年7問中1~2問前後が出題されています。したがって、丸暗記をするというよりも、制度を利用できる応用力を養うことが必要です。つまり、関連する知識を結び付ける能力が必要で、例えば、公的保険と民間保険の関係や、社会保険と社会扶助の関係などを整理しておく必要があります(事例問題として出題されなくても、社会保険の実際的な内容を問う問題が増えてきています)。

 過去の事例問題をみてみると、「ひとり親世帯」や「子育て支援」や「出産・育児支援」「家族介護に関わる社会保障」「公的医療保険」「労働者災害補償保険」「医療保険制度」「短時間労働者の社会保険加入」などに関する内容が出題されており、非常に実践的な知識を問う問題でした。今後も、知識と実例を連動させる事例問題が出題される可能性が高いので、基礎知識とともに、実際の内容や具体例を想像しながら学習を進めていきましょう。

 この科目は、用語が耳慣れないため取りかかりにくかったり、苦手意識をもっている受験生が多いようです。しかし、実は一度しっかりと用語を理解して構造を整理してしまうと、確実に得点ができる科目の一つです。

 このほか、日本をはじめ、諸外国(フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、スウェーデン)における社会保障制度に関する問題が出題されています。このことから、日本や諸外国の社会保障についても整理しておく必要があります。国際比較については、このほか、合計特殊出生率などについても整理しておくといいでしょう。

 また、本科目において注目しておきたい問題は、年金、雇用や労働に関する問題です。今後も、この傾向は変わらないと思いますので、年金、雇用と労働に関しては必ず整理しておいてください。例えば、労働者災害補償保険などは絶対に確認しておいてください。これらの社会保障の知識は、社会福祉士になった後でも、非常に重要な知識となります。

社会保障の構成要素~社会保険と社会扶助の関係

 社会保障の構成要素は、前述しましたが、社会保険と社会扶助の2つに大別できます。つまり、社会保障とは、社会保険と社会扶助を包括した用語であることがわかります。
 内容を整理してみますと、「社会保険」には、「年金保険」「医療保険」「介護保険」「雇用保険」「労働者災害補償保険」の5つがあります。次に、「社会扶助」の具体例をあげてみますと、「生活保護(公的扶助)」「社会手当(各種手当)」「社会福祉制度(福祉サービス)」などがあげられます。

図 社会保障の構成要素

 では、まずは社会保険について整理します。社会保険とは、保険の技術を用いて保険料を財源として給付を行う仕組みであり、国や公的な団体を保険者とし、被保険者は強制加入が原則となります。前述した年金保険制度や医療保険制度などが典型的な例です。

 一方、社会扶助とは、租税を財源にして保険の技術を用いずに給付を行う仕組みであり、国や地方公共団体の施策として、国民や住民に対して現金またはサービスの提供が行われる仕組みです。その典型は、公的扶助制度である生活保護制度ですが、児童福祉、障害者福祉、高齢者福祉といった社会福祉制度(措置による福祉など)や、児童手当や福祉年金(国民年金制度創設時に、すでに高齢のために適用対象外となった層に対する措置として、保険料負担を必要としない無拠出の年金制度)も含まれます。

 社会扶助についてもう少し整理しておきますと、社会扶助(方式)の長所としては、第一に、一定の要件に該当すれば、負担とは無関係に給付の対象となることができることです。また、第二に、ある特定の需要にきめ細かく対応することが可能なことがあるということです。ただし、その反面、制度に安住しがちな人々の存在を引き起こしたり、財政負担の増大につながりやすいという短所も持ち合わせています。また、必要性に応じて給付を行うといった観点から、対象者に対する詳細な資力調査(ミーンズテストと呼ばれる所得や資産調査)によって所得制限を行ったり、家族状況によって利用を制限したり、利用料を応能負担にしたりといったかたちで運用されることが多いという特徴もあります。

 例えば、年金保険による老齢年金や医療保険制度の医療給付には所得制限がありませんが、児童手当や福祉年金の給付にあたっては、対象者を限定する所得制限が設けられています。


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