露木先生の受験対策講座
毎週火曜日更新。人気講師による受験対策講座を、一年通してご提供。合格を目指して一緒にがんばりましょう。
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
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社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。
第26回 クローズアップ~社会理論と社会システム
今回は、「社会理論と社会システム」で特に理解しておくべきポイントについて解説します。
「社会理論と社会システム」のポイントの振り返り
本科目をはじめ社会学系の科目は、苦手意識から避けてしまう人が多いようです。過去の問題を分析してみると、社会システム(社会階層や社会移動、分化など)や社会集団及び組織、社会的役割、生活の捉え方(ライフサイクル、ライフスタイルなど)に関する問題が出題されています。そのほか、本科目では、社会変動や社会化、産業化・都市化、地位と役割などに関する社会を理解するための基礎的な知識も必要となります。難しい言葉が並んでしまったので、本科目をもう少し柔らかい言葉で表現してみると、「社会を科学的に理解するための科目」「我々の生活する「社会」を科学的に理解するための科目」と言えるのではないでしょうか。まずは、基礎的な用語と概念、理論や概念の提唱者や著書などを整理することが重要です。このような暗記事項は、覚えるまでは大変ですが、覚えてしまえば必ず得点できるものといえます。
出てくる用語には、日頃聞きなれない用語もあり、難しく感じるかもしれませんが、本科目の内容は、私たちの生活に密着した知識であり、生活やニュースなどを通して、関連づけながら学習することもできます。よって、最初から苦手科目と決めつけず、過去問解説集などを利用して満遍なく学習することが重要です。
過去の問題では、日本の人口動向に関する統計問題や、国勢調査に示された「日本の就労構造」に関する統計問題、所得水準を示す指標、社会的ジレンマや社会集団に関する基礎知識などが問われています。このように、本科目では「現代の社会をよく理解すること」「その社会を科学的に説明するための基礎知識を備えること」が求められていることです。
また、限界集落や家族と世帯、人の生涯の軌跡についても問われています。このほか、出題頻度の高い項目としては、「家族や世帯」「人の生涯の軌跡(ライフコースやライフイベント)」などが問われています。さらに「社会的役割」についても、例えば「役割葛藤」などについて問われています。
用語の正しい理解を…
本科目では、伝統的な社会学(近代の社会学)の知識とともに、現代社会における家族や地域社会、現代社会における社会問題などについても把握しておく必要があります。例えば、核家族化や家族機能と家族形態、家計調査などの家族に関するもの、町内会・自治会などの地域社会などに関するものがあげられます。そのほかにも、差別や貧困、失業、ホームレスやドメスティック・バイオレンス(DV)、児童虐待、いじめ、環境破壊、自殺の動向や格差問題などに関するものもあげられます。今年度は、自殺に関しても統計資料や自殺対策などについて整理しておくとよいと思います。
このため、『厚生労働白書』(厚生労働省)をはじめ、『労働経済白書』(厚生労働省)や人口問題に関する刊行物などに目を通しておく必要があります。また、日頃から新聞やニュースを通して、社会問題に敏感になっておくことが大事です。
今回は、用語に関する整理を中心に行いたいと思います。言葉を正しく知ることで、その事象がより深く理解できるはずです。本科目の学習で重要なことは、まず、正しく用語を理解することです。そのため、理解が曖昧になっている用語やうろ覚えの用語については、合格テキストやワークブックなどを利用して、確実に整理・確認をしておきましょう。
それでは、非常に基本的な用語を整理していきます。ただし、このような用語の理解こそが、得点への近道です。
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