露木先生の受験対策講座
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- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
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社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。
第13回 「保健医療サービス」のポイント
5.保健医療サービス関係者との連携と実際
本項目では、医師、保健師、看護師等との連携、地域の社会資源との連携について押さえておくことが重要です。この2つの項目については、連携の方法、連携の実際、医療チームアプローチの実際などについてよく理解しておいてください。前項でも触れましたが、連携や協働を行うための基礎知識や、その初歩として相手の専門性や業務内容、役割や機能についてよく理解しておく必要があります。
では、なぜ連携や協働が、重要かつ必要なのでしょうか。それは、人々の抱える問題が多様化し、複雑化しているからです。今までの支援は単一の専門職が単一の視点に基づいて行っていましたが、今後の支援は、多くの専門職が手を繋ぎ合い(連携)、ともに支援を行っていく(協働)ことになります。つまり、各専門職がそれぞれのアセスメントや診断、計画をもち寄って、それを一緒に共有する(カンファレンスなど)ことで、包括的な支援プランを作成していくことになります。
また、本項目では、医師、保健師、看護師、助産師やリハビリテーション・スタッフ、その他コメディカル・スタッフとの連携についても具体的に理解しておく必要があります。また、地域の社会資源との連携についての整理も重要です。「地域」なくして「医療」を語ることが困難な昨今、当該医療機関がどのような地域に立ち、その地域からどのような期待をされているのか、そのために地域の社会資源とどのように協働していくのかなど、具体的に整理しておくことが大切です。
第33回試験では、業務中の負傷及び障害に伴う経済的不安と復職に対する医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)の対応事例が出題されており、労災の休業補償給付や休業特別支給金、医療保険制度の傷病手当金、また、介護保険制度や障害者総合支援制度の福祉サービス、さらに障害者雇用と就業に関する幅広い知識と、他職種・他機関との連携についての理解が必要でした。また、第30回試験では、緩和ケア病棟における緩和ケアチームの各専門職の視点と役割に関する事例問題が問われました。
本項目は、人々のニーズや医療の意味が拡大する現代の保健医療分野では、チーム医療や他職種の連携や協働、統合が重視されています。また、診療報酬をはじめ国の保健医療政策や計画に連携が重要とされていることからも、今後も連携や協働に関する知識や技術については、出題される可能性が非常に高いと思います。基礎と共に、事例問題を想定し、応用力などをつけておきましょう。そのためにも、過去問解説集や模擬問題集を中心に、事例問題慣れをしておくとよいでしょう。
以上が、「保健医療サービス」のポイントです。
次回は、「権利擁護と成年後見制度」の具体的な内容、ポイントについて解説していきます。
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