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露木先生の受験対策講座

毎週火曜日更新。人気講師による受験対策講座を、一年通してご提供。合格を目指して一緒にがんばりましょう。
露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

第13回 「保健医療サービス」のポイント

3.保健医療サービスの概要

 本項目は、医療施設の概要、保健医療対策の概要について押さえておくことが重要です。医療施設の概要では、病院、特定機能病院、回復期リハビリテーション病棟、地域医療支援病院、診療所などについて整理しておいてください。テキストの内容のレベルで十分なので、病院の機能や役割についても一度整理しておきましょう。

 また、簡単に説明しておきますと、医療施設については3つの類型に整理することができます。

 まず、1つ目は、医療法による医療施設の機能や類型です。ここでは、病院(病院の病床は、(1)精神病床、(2)感染症病床、(3)結核病床、(4)療養病床、(5)一般病床の5種類に分けられています)や診療所、かかりつけ医、助産所、介護老人保健施設などの理解が必要となります。

 また、2つ目は、保健医療政策による医療施設の機能や類型です。ここでは、国立高度専門医療研究センター、がん診療連携拠点病院、救命救急センター、へき地医療拠点病院、災害拠点病院、エイズ診療拠点病院などの理解が必要となります。

 3つ目は、診療報酬における医療施設の機能・類型です。ここでは、回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、障害者施設等一般病棟、緩和ケア病棟、在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院などがあげられます。これらの役割や機能についても、よく整理しておく必要があります。このような基本的な事項は、しっかりと確認しておいてください。

 第34回試験では、問題72で「災害拠点病院」について問われています。また、問題73では「医療法改正(第6次)」の内容について問われています。問題73の医療法改正については、やや詳細な内容となっていますが、過去問をベースに整理しておましょう。さらに、第33回試験では、問題72で「日本のがん対策」について、問題73で「医療法等による地域医療構想」について問われています。これらについては、併せて「医療計画」について一読しておきましょう。また、第32回試験では、問題71で「医療施設等の利用目的」について問われていますが、介護医療院、療養病棟、地域包括ケア病棟、介護老人保健施設、回復期リハビリテーション病棟などから出題されています。ここでは、介護医療院と、地域包括ケア病棟をチェックしておきましょう。また、第31回試験では、問題74で「へき地医療」について問われました。基本的な内容ですので、過去問ベースで整理しておきましょう。

4.保健医療サービスにおける専門職の役割と実際

 本項目では、保健や医療における専門職の役割や機能について、具体的に整理することが必要となります。例えば、医師、保健師、看護師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカーなどの役割です。また、前項とも関連しますが、インフォームドコンセントの意義と実際についても理解しておく必要があります。

 医療ソーシャルワーカーの役割の理解については、業務指針などを中心に整理するとよいと思います。「医療ソーシャルワーカー業務指針」では、業務の範囲を(1)療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助、(2)退院援助、(3)社会復帰援助、(4)受診・受療援助、(5)経済的問題の解決、調整援助、(6)地域活動としています。また、業務の方法等としては、(1)個別援助に係る業務の具体的展開、(2)患者の主体性の尊重、(3)プライバシーの保護、(4)他の保健医療スタッフ及び地域の関係機関との連携、(5)受診・受療援助と医師の指示、(6)問題の予測と計画的対応、(7)記録の作成等としています。これらの業務の範囲や方法等については、テキストや業務指針などを使用してよく理解しておいてください。
 また、医療ソーシャルワーカーと同様に、ほかの専門職の役割を理解する場合にも、各種専門職の倫理綱領や業務指針などを参考にするとよいと思います。また、養成課程、根拠法や業務内容の概観などを理解することも重要となります。このように、ほかの専門職について正しく理解することが、次項で触れる連携や協働をしていくなかでとても重要となります。

 ちなみに、過去の問題を見ておくと、第34回試験では、問題75で理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の業務について問われ、第33回試験では、問題74で医師の資格、業務及び偏在や、問題75で訪問看護ステーションの指定要件について問われています。第32回試験では、訪問リハビリテーションを行う際の理学療法士の業務/保健師の保健活動について問われ、第31回試験では、前述した通り、医療関係職種の具体的な業務内容(業務範囲)について問われています。

 このほか、本項目では、患者の権利といった観点から、インフォームドコンセントやセカンドオピニオン、アドヴァンス・ディレクティブ(事前指示)についても必ず整理しておきましょう。そして、近年注目されている「ACP=アドバンス・ケア・プランニング」や「人生会議(厚生労働省)」などについては必ずチェックしておきましょう。重要項目と言えます。第34回試験では、問題73で患者の治療方針の決定について、インフォームドコンセントをはじめ、インフォームドチョイス、インフォームドアセント、リビングウィルなどについて問われています。

 以上のことから、広く保健医療サービスにおける専門職の役割と実際については、必ず整理しておいてください。


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