露木先生の受験対策講座
毎週火曜日更新。人気講師による受験対策講座を、一年通してご提供。合格を目指して一緒にがんばりましょう。
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
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社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。
第3回 第34回社会福祉士国家試験の振り返りーその2
今回は、前回(第2回)の続きで、第34回社会福祉士国家試験の専門科目の解説をお送りいたします。まだ第34回国家試験の問題を見ていない人は、この機会に一読しておいてください(問題【共通科目】・【専門科目】・正答はこちら)。
午後の「専門科目」は、試験時間は13時45分~15時30分までの105分(1時間45分)で、以下8科目の「専門科目」が実施されます。
■ 社会調査の基礎(7問)
■ 相談援助の基盤と専門職(7問)
■ 相談援助の理論と方法(21問)
■ 福祉サービスの組織と経営(7問)
■ 高齢者に対する支援と介護保険制度(10問)
■ 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度(7問)
■ 就労支援サービス(4問)
■ 更生保護制度(4問)
各科目の分析(専門科目)
社会調査の基礎(7問)
本科目は、昨年度と同様の難易度で、基礎的な知識や内容を問う問題が多く、1点も取れない(0点)という方は少なかったのではないでしょうか。例えば、社会調査の基礎としては、問題84で調査の倫理や個人情報保護に関する内容が問われ、問題85では「横断調査」と「縦断調査」について問われました。また、問題86、87では、データの収集に関する問題が問われ、質問紙調査の自計式(調査者自身が質問紙に記入する)と他計式(調査員が、調査対象者に代わって質問紙に記入する)や、調査票の回収後の手続きについて問われました。このほか、問題89、90では、調査手法として、観察法、面接法の詳細について問われていました。量的調査の難解な解析方法の出題はなく、唯一、問題88で集計結果に関するデータの読み方について問われていましたが、非常に基本的な内容に留まっていました。
現時点でできる学習は、まずは過去の問題で用語に慣れること、不明な用語については、過去の問題をベースに整理しておくことです。やや難解な用語についても、一度覚えてしまえば確実に得点できる内容が多くあります。
相談援助の基盤と専門職(7問)
本科目は、「相談援助の理論と方法」とセットの科目と言えます。社会福祉士やソーシャルワーカーの倫理、価値に重きが置かれ、社会福祉士にとって重要な原理・原則についても取り扱われます。これに、ソーシャルワークの歴史的変遷や国が規定する近年の相談事業(生活困窮者を対象とした自立相談:問題97)といった内容も含まれます。具体的には、問題91で「社会福祉士及び介護福祉士法、精神保健福祉士法」について問われ、問題92、94で、ソーシャルワーク発展に寄与した研究者とその理論、専門職化に関する内容が問われました。また、ソーシャルワークの基礎、基盤と言える「ミクロ・メゾ・マクロシステム/レベルへ介入視点」や「多職種連携協働」に関する基本的な内容を問う問題も出題されていました。令和2年に改定された社会福祉士倫理綱領にまったく触れられていなかったのは意外でした。社会福祉士になるすべての方が理解しておかなけらばならない、重要な内容です。今年度は、出題される可能性が非常に高いと思います。新たな社会福祉士倫理綱領について、必ず一読しておいてください。
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