露木先生の受験対策講座
毎週火曜日更新。人気講師による受験対策講座を、一年通してご提供。合格を目指して一緒にがんばりましょう。
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
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社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。
第2回 第34回社会福祉士国家試験の振り返り
今回は、3月15日に合格発表があった第34回社会福祉士国家試験の共通科目の解説をお送りいたします。そして、次回は、専門科目の解説をお送りする予定です。いよいよ、今年度の講義が本格的にはじまりますよ。
第34回社会福祉士国家試験 ―チェックしておいてください!
まだ、試験問題を見ていない人は、この機会に一読しておいてください(問題【共通科目】・【専門科目】・正答)。
今回は合格者数 10,742人(受験者数34,563人)で、合格率は、31.1%でした。合格の基準は、1問1点・満点を取ると150点で、今回は得点105点以上の人が合格でした。この得点は、近年の合格ラインの平均値となる点数をやや超えるものです。近年の動向としては6割90点を超える年(回)が増えてきています。合格ラインが高得点になってくると、1点、2点の不足に泣く人もふえてくると思います。なお、試験科目の一部免除を受けた受験者は総得点67点に対し得点47点以上の人が合格でした。詳細は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの情報をご参照ください。
次に、第34回試験の出題傾向についてですが、これまでの試験同様に「正しいもの(適切なもの)を1つ、ないし2つ選ぶ形式」の問題のみでした。このような動向は今後も想定されるため、試験という過度の緊張のなかで問題文を的確に読み、柔軟に対応できる適応力が重要となってきます。
試験を受けた人たちから感想をいただいたのですが、「しっかりと暗記しておけば、意外と解けた問題が多かった」という冷静な感想でした。私も同感です。しっかりと統計や法律、用語などについて整理していた人は、あとはじっくりと、まちがえなく問題を読解さえすれば解答できた問題が多かったと思います。ただ、そうは言っても、やはり、実際の試験となると冷静さを欠いてしまうものです。ここで大切なのが、日頃からの学習になります。繰り返し覚えた知識は、強いプレッシャーの下でも揺るぎない知識としてあなたを支えてくれます。そのため、国家試験勉強では、「うろ覚え」では対応できず、各項目についてはしっかりと暗記、理解しておく必要があります。曖昧な知識では正確な解答まで辿り着けず、解答に迷った人が多かったように思います。このような場合、試験が終わった後、不安な気持ちで合格発表を待つことになります。皆さんも、今から、着実な基礎固めをしていきましょうね。
また、法律や制度についても多く出題されていました。事前に法律や制度にあたっていた人は、確実に得点できたと思います。この統計や制度に関しては、毎年必ず問われますし、非常に重要な学習ポイントであることがわかります。さらに、このような問題は図表での出題がありませんので、過去問解説集や模擬問題集で繰り返し問題を解き、文章や問題に慣れておくことが重要です。
さらに、合格基準として全19科目(18科目群)の各科目群で点数があることが条件なので、この18科目群の中で1科目群でも0点があると不合格になってしまいます。実際、0点科目があって、不合格だったという人もたくさんいます。このことからも、全科目を万遍なく学習する必要があります。また、得意、不得意は主観的なところも多く、確実に必要・重要項目を暗記、整理していくことが重要となります。実際、社会福祉士として実践するうえでも、幅広い知識と技術の習得は必須条件となりますので、国家試験合格のためだけでなく、取得後の知識としても、必ず整理、暗記しておきましょう。
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