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露木先生の受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

第2回 時代が変わるとき

 今回は、第33回社会福祉士国家試験の共通科目の解説をお送りいたします。そして、次回第3回では、第32回社会福祉士国家試験の専門科目の解説をお送りする予定です。いよいよ、今年度の講義が本格的にはじまりますよ。

「平成」は自然災害時代? そして「令和」は?

 日本は、平成の時代が終わり、令和の新しい時代となりました。タイトルでも示しましたが、平成は「自然災害」、特に震災が多い時代でした。「平成」を、この一言でくくるのは安易な感じもしますが、事実、気象庁のデータを見てみると、震度6以上の震災は、大正期は2回、昭和期は5回に対して、平成期は震度6強以上の震災だけ数えても14回と、多く地震の災害に見舞われました。代表的な震災を列挙してみると、平成7年の阪神淡路大震災からはじまり、平成12年の鳥取県西部地震、平成16年の新潟県中越地震、平成19年の能登半島地震、新潟県中越沖地震、平成23年の東日本大震災、平成28年の熊本地震、平成30年の北海道胆振地方東部地震など、多くの地震が各地に大きな災害を引き起こしました。これらの震災で、お亡くなりになられた方々には心よりお悔やみ申し上げます。あの日から、日常や生活が一変してしまい、未だ復旧の途にある方も多くいらっしゃるかと思います。一刻も早い復旧ができますよう、心からお祈り申し上げます。

 「令和」はどのような時代になるのでしょうか? 前回もお話しした通り、〈未来は予想するものではなく、造るもの〉ですので、我々人類が、どのような地球にしたいのか、そのために今何が必要か、人類の一人ひとりが何をしなければならないのかを一人ひとりが能動的に、行動することが重要なのではないでしょうか。これにより、令和の時代が決まるのだと思います。

 さて、話が少しずれてしまいましたが、今回は、3月15日に合格発表がありました「第33回社会福祉士国家試験」の講評と要約をしたいと思います。

第33回社会福祉士国家試験 ―チェックしておいてください!

 まだ、試験問題を見ていない人は、この機会に一読しておいてください(問題【共通科目】【専門科目】正答)。

 合格者数 10,333人(受験者数 35,287人)で、合格率は、29.3%でした。さて、気になる合格の基準ですが、1問1点で、満点が150点ですが、今回は得点93点以上の人が合格でした。この得点は、近年の合格ラインの平均値となる点数と言えそうです。ただ、実際に受験された方にとっては、平均値(93点)とは言え、1点、2点の不足に「泣いた」という方も多いのではないでしょうか。なお、試験科目の一部免除を受けた受験者は総得点67点に対し得点40点以上の人が合格でした。詳細は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの情報をご参照ください。

 次に、第33回試験の出題傾向についてですが、これまでの試験同様に「正しいもの(適切なもの)を一つ選ぶ形式」の問題のみでした。また、第25回試験から新たな出題形式が採用され、「正しいものを二つ選ぶ形式」の問題が出題されていましたが、減少傾向ではありますが、33回試験でも出題されました。このような動向は今後も想定されるため、試験という過度の緊張のなかで問題文を的確に読み、柔軟に対応できる適応力が重要となってきます。そのため、「うろ覚え」では対応できず、各項目についてはしっかりと暗記、理解しておく必要があります。

 曖昧な知識では正確な解答まで辿り着けず、解答に迷った人が多かったように思います。このような場合、試験が終わった後、不安な気持ちで合格発表を待つことになります。皆さんも、今から、着実な基礎固めをしていきましょうね。

 試験を受けた人たちから感想をいただいたのですが、「しっかりと暗記しておけば、意外と解けた問題が多かった」という冷静な感想でした。私も同感です。しっかりと統計や法律、用語などについて整理していた人は、あとはじっくりと、まちがえなく問題を読解さえすれば解答できた問題が多かったと思います。ただ、そうは言っても、やはり、実際の試験となると冷静さを欠いてしまうものです。ここで大切なのが、日頃からの学習になります。繰り返し覚えた知識は、強いプレッシャーの下でも揺るぎない知識としてあなたを支えてくれます。

 また、法律や制度についても多く出題されていました。事前に法律や制度にあたっていた人は、確実に得点できたと思います。この統計や制度に関しては、毎年必ず問われますし、非常に重要な学習ポイントであることがわかります。さらに、このような問題は図表での出題がありませんので、過去問解説集模擬問題集で繰り返し問題を解き、文章や問題に慣れておくことが重要です。

 さらに、合格基準として全19科目(18科目群)の各科目群で点数があることが条件なので、この18科目群の中で1科目群でも0点があると不合格になってしまいます。実際、0点科目があって、不合格だったという人もたくさんいらっしゃいます。このことからも、全科目を万遍なく学習する必要があります。また、得意、不得意は主観的なところも多く、確実に必要・重要項目を暗記、整理していくことが重要となります。実際、社会福祉士として実践するうえでも、幅広い知識と技術の習得は必須条件となりますので、国家試験合格のためだけでなく、取得後の知識としても、必ず整理、暗記しておきましょう。

 さて、今回は、第33回社会福祉士国家試験の午前〈共通科目〉の解説を行います。ちなみに、社会福祉士の国家試験は、1日で実施され、午前が精神保健福祉士との「共通科目」で、午後は社会福祉士の「専門科目」となっています。

 午前「共通科目」は、試験時間は10時から12時15分までの135分(2時間15分)で、以下の11科目が実施されます。

  • ■ 人体の構造と機能及び疾病(7問)
  • ■ 心理学理論と心理的支援(7問)
  • ■ 社会理論と社会システム(7問)
  • ■ 現代社会と福祉(10問)
  • ■ 地域福祉の理論と方法(10問)
  • ■ 福祉行財政と福祉計画(7問)
  • ■ 社会保障(7問)
  • ■ 障害者に対する支援と障害者自立支援制度(7問)
  • ■ 低所得者に対する支援と生活保護制度(7問)
  • ■ 保健医療サービス(7問)
  • ■ 権利擁護と成年後見制度(7問)

午前<共通科目>問題について

 午前<共通科目>問題の総評として、本年度の試験の合否を分けた大きなポイントは、用語や概念、理論についてしっかりと理解できていたかどうかだと思います。本年度の試験は、用語や概念、理論にかなり忠実な問題が多かったため、しっかりと学習し、理解していた場合、明快に解答できたと思います。さらに、この基礎知識を具体的に活用する場面が事例などで出題されており、ある意味で応用的な問題だったと言えます。ただし、1点でも多く得点するためには、やはり基礎固めが重要です。この基礎固めは、夏までにしっかりしておくと、後半の学習がぐっと楽になります。

 問題としては、出題基準や、テキスト、法律などをある程度ベースにしながら作成された問題と、オリジナルに作成された問題とがありました。また、事例問題については、昨年同様にやや長文の事例が出題されていました(特に午後<専門科目>問題)。加えて、昨年度同様に、短文の事例問題が散りばめられていました。また、事例問題としては位置づけられていないものの、実践場面における社会福祉士の判断を問う問題なども多く見受けられました。

 それでは、各科目について、講評していきたいと思います。なお、専門科目については、次週に続きます。

各科目の分析(共通科目)

人体の構造と機能及び疾病(7問)

 本科目の出題傾向は、昨年とほとんど変わりませんでした。つまり、出題基準からバランスよく、広範囲の事項について出題されていました。各問題をみてみると、問題2では、「人体の構造と機能」について問われ、定番ですが「人の成長と老化」について問われていました。これに加え、WHOや「健康日本21」、健康増進法などの健康に関する定義(問題3)や、障害やリハビリテーションについても問われていました。予想していた内容としては、このほか、「がん」や「DSM-5」についても出題されました。また、各設問の「誤りの設問文」の「誤り」が微細な情報であったり、わかりにくいなど、受験生にとってはやや難しかった科目かもしれません。

心理学理論と心理的支援(7問)

 本科目に関しては、昨年度も広範囲な事項が満遍なく出題されていました。ただし、テキストワークブック過去問解説集模擬問題集などをしっかりと学習していた人は比較的簡単に解けたのではないでしょうか。問題8、9、10では、心理学概論の基礎的な知識が問われました。具体的には、問題8で「動機づけ」について問われました。また、問題9では「知覚」、問題10では「社会的関係」について問われました。このほか、問題12では、「ストレス」に関する問題が出題され、心的外傷後ストレス障害(PTSD)について出題されていました。基礎的な内容ですので、得点できたと思います。このほか、予想していた「心理検査」「心理療法」についても問われていましたが、こちらも基礎的な内容でした。

社会理論と社会システム(7問)

 本科目から続く社会学系の科目が苦手の人は多いですが、社会学系の科目は、現代社会を学問的に捉える力を試すものです。つまり、現代社会の問題と、それを科学的に整理する力(理論:人名や功績など)が必要になります。実際の問題を見てみると、問題16では、都市化ついて、フィッシャーやワース、クラッセン、ウェルマン、バージェスらの理論について問われていました。初めて開いた人名も多いかもしれませんが、設問文2のワースはどうですか? アーバニズム論はどうですか? 全部の人名や理論がわからなくても「持っている・学習した知識」でも解答が可能な問題が多くありました。また、問題19の役割については、ゴッフマンは暗記項目ですので、大丈夫でしたね。 併せて、問題18のライフコースについても用語を整理していたと思います。このほか、社会学の基礎となる用語として「社会的ジレンマ」や「マートンのアノミー」などが問われていました。残念ながら、貧困に関する用語や人名とその理論については出題されませんでしたが、これから社会福祉士として活躍するためには重要な知識なので、「ジニ係数」「相対的貧困率」などは、心に留めておきましょう。初めて「目にする」「耳にする」用語や人名ばかりかもしれませんが、4月のこの時点では、みな同じです。夏以降、聞いたことのある用語や人名がどんどん増えていきます。

現代社会と福祉(10問)

 本科目は、まず、現代社会の問題をきちんと理解していることが重要となります。そして、それを社会福祉学的に理解するために必要な項目が出題されていました。具体的な内容を見ておくのと、まず、「社会福祉法」から出題されていました(問題22)。このほか、「人間開発報告書2019」「男女共同参画」が出題されていました。昨年の第32回試験では「義務教育段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針」「ソーシャルワーク専門職である社会福祉士に求められる役割等について」、一昨年の第31回試験では「ヘイトスピーチ解消法」「性同一性障害や性的指向・性自認」「育児・介護休業法:介護休業制度」「最低賃金制度」が出題されていましたね。これらの問題を解くには、日頃から「いかに現代社会の動向に関心を向けているか」が重要となり、新聞などを通して時事に精通しておくことが重要です。この傾向は、今後も続くと思いますので、解けなかった受験生の皆さんは、日頃から新聞などを通して現代社会の動向に関心を向けておくことが重要です。よって、本科目は、基礎的な知識などの理解とともに、現代社会の理解が問われており、内容的にはやや難しい科目の中に入るかと思います。

地域福祉の理論と方法(10問)

 本科目の問題は、幅広い分野から問題が出題されていました。地域福祉の推進する社会福祉協議会や地域住民、民生委員、NPOや社会福祉法人、民間事業などの内容から始まり、事例問題で、社会福祉法人の生活相談員(社会福祉士)、地域包括支援センターのアウトリーチに関する実践事例や障害者支援施設の相談員(社会福祉士)の対応事例が問われました。なお、社会福祉法人の生活相談員の事例については、社会福祉法の改正に伴う「地域における公益的な取組」の内容が理解できていないと正答を導き出すことができませんでした。このほか、地域福祉を展開するために必要な基本的内容が問われていたことが特徴のように思います。本科目の難易度的には、内容が広範であることや、実践事例に関する事例問題が問われたこと、暗記を主とする用語を問う問題が出題されたことを総合すると、「やや難しかった」科目と言えそうです。

福祉行財政と福祉計画(7問)

 本科目の内容は、大別すると、(1)福祉行財政、(2)福祉計画の二つに分けることができます。内容的にも、地方財政に関する統計的な内容は、例年出題される「地方財政白書」からの出題でした(問題46)。こちらについては、地方の財政を理解するためにも社会福祉士に必須の知識となります。基礎的な用語を押さえた上で、各項目の統計を整理する学習をきちんとしていれば解ける問題です。このほか、問題42、44については、国、都道府県、市町村の役割や機能を問う問題でした。問題42については、低所得者、高齢者、障害者、児童などの横断的な知識を問うものなのでやや難しく感じたかもしれませんが、どれも、各教科で基本的な知識・内容となっている暗記項目です。そして、(2)福祉計画は、この財政を基盤として策定されるものです。全部で2問出題されましたが、やや詳細を問う内容となっていました。福祉計画については、社会福祉士として活躍される皆さんは、地域で策定される福祉計画をもとに、我々の地域福祉が実施されますので、一読しておきましょう。

社会保障(7問)

 社会保障は、「働く人が支える仕組み」ですので、現代の「働く人」の状況を的確に理解する力が必要です。ですから、現代の「働く人」の実情については重要ポイントです。労働人口や人口の動向や推計については、必ず整理しておかなければなりません。第33回試験では、問題49で「日本の人口」について出題され、問題50では、社会保障の役割と機能(出典:平成29年度版厚生労働白書)について問われました。また、例年出題されていますが、「医療保険」「労働保険(労働者災害補償保険)」「年金保険」については、その詳細が問われました。このように、本科目は、学習に取り掛かる際に、専門的な用語やその仕組みの理解から始めなければいけないので、「苦手意識」を持つ方も多いですが、実際の問題では、基礎をきちんと理解していれば解答できる問題もたくさんあります。また、社会福祉士にとって、社会保障に関する知識は重要ですので、身近な生活課題や問題と照らし合わせて学習すると理解が深まります。例えば、「もし病気になってしまったら」「医療費はどうするのか」「生活費はどうするのか」「仕事はどうなるのか」などを想像し、その際に対応する社会保険や社会保障を学習するなど工夫すると知識が身につき、定着します。

障害者に対する支援と障害者自立支援法(7問)

 本科目の問題は、昨年同様に、基礎的な内容を問うものが多く出題され、そういった意味では、標準レベルの難易度でした。例えば、問題56の「障害者の実態調査(出典:生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」、問題58の「障害者福祉制度の発展過程」などの例年問われる問題から始まり、「障害者総合支援法」の基本的内容を問う問題が出題されました。この他、「障害者差別解消法」「障害者虐待防止法」「精神保健福祉法」については、必ず各自で復習しておきましょう。また、第32回試験でも出題された「医療観察制度」については、例年通り、専門科目(午後の部)の「更生保護制度」で取り扱われました。キーワードとしては、「重大な他害行為」「社会復帰調整官」「生活環境の調査」「生活環境の調整」「精神保健観察」でしょうか。現在、国や社会、国民から「更生保護」(例えば保護観察や医療観察)における社会福祉士をはじめ、精神保健福祉士に対する期待は大きなものです。そういった意味では、ソーシャルワーカーとしてマスターしておく項目と言えます。

低所得者に対する支援と生活保護制度(7問)

 本科目は、出題基準から万遍なく出題されており、例年通りの内容、例年通りの難易度でした。低所得者の状況を問う問題(問題63)から始まり、生活保護の原理原則(問題64)、生活保護法に定める不服申し立てなどについて問われていました。後者の不服申し立ては、科目「権利擁護と成年後見制度」でも取り扱われる知識ですが、国民は行政の判断(行政処分)に不服がある場合は、(1)不服申し立て(行政不服審査法)と、(2)直ちに出訴(行政事件訴訟法)することができます。ちなみに、2014年に不服申し立ての手続きは「審査請求」に一元化され、「異議申し立て」は廃止となっています。それに伴い、不服申し立ては、処分庁以外の行政庁に3か月以内に行うこととなりました。また、(2)の直ちに出訴(行政事件訴訟法)ですが、全てのものではなく、(1)の不服申し立ての決済を得た後でなければ出訴できないものもあり、これを「不服申立て前置」といいます。生活保護の決定はこの「前置」の対象となります。これを前提に、生活保護の不服申し立てに話を戻すと、不服申し立て(審査請求)を行った後(決済後)でなければ、(2)の出訴をすることができません(選択肢4)。審査請求は、都道府県知事に3か月以内に行うこと(選択肢2)、再審査請求は厚生労働大臣に(都道府県知事の)裁決があったことを知った日の翌日から1ヶ月以内に行うことになっています(選択肢4)。事例問題については、福祉事務所の生活保護現業員の対応に関する問題が出題され、「自立」への支援と、保護の申請に関する支援について問われました。

保健医療サービス(7問)

 本科目は、出題基準からやや偏りがありますが、基本的な内容が問われました。例年出題されてきた「国民医療費の概況」については、本年度は出題されませんでした(2年連続出題されていません)。国民医療費については、「現在の医療」を把握するために重要な指標・統計ですので、必ず整理しておく必要があります。このほか、例年出題されている「医療保険制度」「医療法等」などが出題されました。加えて、他職種の理解として、医師や訪問看護ステーションについて問われました。事例問題は、社会復帰に関する医療ソーシャルワーカーの対応について問われました。難易度としては、例年通りだったでしょうか。診療報酬制度(令和2年度改定)や、多職種連携・協働、チームケア(医療)や、「医療」と「介護」の連携などの出題はありませんでした。現代の医療や保健医療サービスを理解するためには、「国民医療費」「診療報酬制度(高額療養費制度や保健外併用療養)」「インフォームドコンセント」「ACP(アドバンスケアプランニング)」「医療事故調査制度」「クリティカルパス」「IPW(インタープロフェッショナルワーク)」といった内容は重要ですので、整理しておきましょう。

権利擁護と成年後見制度(7問)

 本科目は、(1)憲法・民法・行政法、(2)成年後見制度、(3)権利擁護といった構成で出題されました。まず、(1)憲法・民法・行政法では、問題78で契約に関する事例問題や、問題79で「遺言」、問題90で、民事責任に関する事例問題が出題されました。また、問題77では、財産権に関する基礎知識が問われました。このほか、成年後見制度(任意後見制度含む)に関する幅広い知識や「成年後見関係事件の概況」について問われました。昨年同様、(3)の権利擁護に関する問題は出題されませんでした。権利擁護=虐待や暴力・搾取については、ソーシャルワーク定義(グローバル定義)や社会福祉士の倫理綱領等でも、「人権」の理念を重視していますので、それを根拠とする各種の虐待防止法については、必ず整理しておきましょう。第33回試験では、「人権」や「権利擁護」に関する問題がそれほど多くはありませんでした。こちらは、近年益々注目されている項目ですので、ソーシャルワーカーにとって必須の知識となります。また、成年後見制度もソーシャルワーカーにとって必須の知識です。例えば、「法定・任意後見制度」や「後見・保佐・補助」など、基礎的な内容は各自で整理しておきましょう。必ず必要となる知識ですし、ソーシャルワーカーとして実践をしていけば必ず出会う事柄です。

まとめ

 以上、第33回社会福祉士国家試験の講評と要約、共通科目の解説でした。すごいボリュームになってしまいましたが、今日一気に覚えるわけではなく、一年間かけてやっていく内容なので、今は、用語や試験の概要など、基本的なことを理解しておいてください。

 また、国家試験は、大学などの入学試験と違い、「落とす試験」ではなく「理解度を確認する試験」といえます。そういった意味では、じっくりと学習し、内容をよく理解した人が合格するようにできています。

 第33回試験をまとめてみて気がついたことは、統計や法律、制度、用語や概念などを地道に学習した人が得点できる問題が多いということです。この基礎学習ともいえる用語や概念の整理は、早い段階で行っておくとよいでしょう。後半戦で絶対に力になります。

 新年度に入り、半月近くになります。環境が変わったり、出会いや別れがあったりと、変化の大きな時期ですが、自分のペースで、一歩一歩歩んでいきましょう。あと、周りの変化に戸惑い、自分も「もっとやらなければ」と焦っている人もいるかもしれません。しかし、今年は社会福祉国家試験の1年です。試験合格、国家資格所得は、次のための準備なので、今年一年は、地味な一年になるかもしれませんが、この一年間で蓄えたことが、これからの皆さんの仕事や生活、人生に必ず役に立っていくと思います。

 それでは、最後まで一緒に頑張りましょう。次回は、専門科目の解説です。

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