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露木先生の受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

第21回 「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」のポイント

 さて、今回は、「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」の具体的な内容、ポイントについて解説していきたいと思います。今回も、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示す出題基準に即した内容で整理していきます。

本科目のねらい

 本科目の出題基準によると、大項目として、1.児童・家庭の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉需要(一人親家庭、児童虐待及び家庭内暴力(DV)、地域における子育て支援及び青少年育成の実態を含む。)と実際、2.児童・家庭福祉制度の発展過程、3.児童の定義と権利、4.児童福祉法、5.児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)、6.配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)、7.母子及び寡婦福祉法、8.母子保健法、9.児童手当法、10.児童扶養手当法、11.特別児童扶養手当等の支給に関する法律(特別児童扶養手当法)、12.次世代育成支援対策推進法、13.少子化社会対策基本法、14.売春防止法、15.児童・家庭福祉制度における組織及び団体の役割と実際、16.児童・家庭福祉制度における専門職の役割と実際、17.児童・家庭福祉制度における多職種連携、ネットワーキングと実際、18.児童相談所の役割と実際の18項目があげられています。

 上記の項目は、それぞれ独立しているというより、他項目と関連しています。そのため、それぞれを関連づけて学習していくことが重要です。

第32回試験をみてみると…

 本科目は、昨年度と同様に、全7問中1問が短文の事例問題でした。内容としては、学校現場において、児童への虐待が疑われるけがが確認された際の対応に関する事例問題(問題141)が出題されました。また、児童福祉法からは「里親制度」に関する問題(問題138)が出題されました。この他、児童福祉分野では重要項目と言える「母子健康包括支援センター(子育て世代包括支援センター)や要保護児童対策地域協議会について問われました。こちらは過去の問題をベースに整理しておきましょう。

 なお、近年の傾向・動向としては、他の科目でも出題されている統計の問題や、制度の発展過程や人名、業績などを問う問題も出題されています。特に、本科目では、「児童・家庭福祉制度の発展過程」について、我が国の児童福祉の歴史について、人名と功績(事業・活動内容)を選択する問題が出題されています。このほか、児童相談所の役割や機能についても問われています。

 今後は、子どもや女性の権利や児童虐待防止法等に関する問題、さらに、スクールソーシャルワーク(ワーカー)、保育所や他の子ども家庭福祉に関する施設や制度など、他(多)職種の連携協働を重視した事例問題等の出題が想定されます。

 では、出題基準で取り扱われる18項目を、ここでは8つに大別して整理していきたいと思います。

各項目の詳細について

(1)子ども・家庭の生活実態
1.児童・家庭の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉需要(一人親家庭、児童虐待及び家庭内暴力(DV)、地域における子育て支援及び青少年育成の実態を含む。)と実際

 本項目の児童・家庭の生活実態とこれを取り巻く社会情勢については、『厚生労働白書』(厚生労働省)などを利用して、整理しておくとよいでしょう。具体的には、少子化の進行、いじめ、少年犯罪、家庭の育児機能の低下などがあげられます。

 また、児童・家庭の福祉需要については、一人親家庭の実態、児童虐待の実態、家庭内暴力(DV)の実態、地域における子育て支援及び青少年育成の実態などについて整理しておく必要があります。

 第32回試験や、第31回試験、第28回試験では、「児童相談所における児童虐待相談の対応件数」について、具体的な数値が問われています。少し整理しておくと、児童虐待の件数は約15万件を超え、統計公表当初の約一千件から右肩上がりで増加を続けています。また、虐待相談種別では、「心理的虐待」が最も多く、全体の半数近くを占めています。ついで、身体的虐待、ネグレクト(保護の怠慢ないし拒否)、性的虐待と続きます。なお、「心理的虐待」は近年増加しています。その一端に、心理的虐待とは、配偶者に対する暴力(見せる)その他児童に著しい心理的外傷を与える行為を含むことがあります。このほか、主な虐待者別では、「実母(5割弱:47.0%)」が最も多く、「実夫(約4割強:41.0%)」へと続きます。最後に、被虐待者の年齢別を見ておくと、最も多いのは「小学生」の年齢層の7歳から12歳で全体の3割強(33.7%)を占め、ついで、「3歳から就学前の6歳(約2割強:25.7%)」、「0から2歳(約2割:20.2%)」、「中学生:13歳から15歳(約1割強:13.7%)」、「高校生その他:16歳から18歳(約1割弱:6.8%)」と続きます。このように、虐待相談に関する統計については、過去問ベースで整理しておきましょう(平成30年度「福祉行政報告例」)。ちなみに、第32回試験は、児童虐待等様保護事例の検証に関する専門員会の「子どもの虐待による死亡事例等検証結果」から出題されています。また、第30回試験は、統計に関する問題は出題されませんでしたが、問題136で「幼保連携型認定こども園」について問われています。本園は、児童福祉法で規定される「児童福祉施設」であり、社会福祉法上の第2種社会福祉事業であるとともに、学校基本法に基づく「学校」とも規定されています。第29回試験では、前述の通り「保育園の需要及び供給」について、具体的な数値が問われています。さらに、過去の問題を見ておくと、第27回試験では、「母子世帯等の状況」について問われました。ちなみに、第25回試験では、子どもの死亡原因について問われました。さらに問題137では、社会的養護について問われていますが、里親認定を含めた法制度や、社会的養護の実態や政策動向について問われています。この社会的養護については、今後も出題されると思いますので、必ず用語と内容を整理しておいてください。

(2)子ども家庭福祉概論――子どもの権利
2.児童・家庭福祉制度の発展過程、3.児童の定義と権利、4.児童福祉法

 まず、4.児童福祉法については、福祉小六法などを活用して必ず確認しておいてください。同法の第1条には、児童福祉の理念が示されています。それによると、「全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図れることその他の福祉を等しく保障される権利を有する」とされています。そのほか、児童福祉施設の種類、里親制度、障害児支援、児童福祉制度に係る財源、児童福祉サービスの最近の動向などについても整理しておいてください。

 児童の定義も、同法の第4条で示されています。それによると、満18歳に満たないものを「児童」としています。このように、実は法律って大切なんです。すべての用語や定義は、必ず法律で明確にされています。さらに、この「児童」とは、「乳児」「幼児」「少年」に分けられます。「乳児」とは、児童福祉法(第4条)によれば、満1歳に満たない者をいい、母子保健法(第6条)によれば、1歳に満たない者としています。さらに、母子保健法(第6条)では、出生後28日を経過しない乳児を「新生児」としています。また、「幼児」ですが、児童福祉法(第4条)および母子保健法(第6条)によると、満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者とされています。この他に、「少年」は、児童福祉法(第4条)と少年法(第2条)でそれぞれ規定されています。まず、児童福祉法では、小学校就学の始期から満18歳に達するまでの者としています。また、少年法では、20歳に満たない者としています。通常、福祉関係で用いられる「児童」とは、満18歳までの者を指しています。ちなみに、第28回試験では、ズバリ、「児童福祉法における用語の意味」について問われています。また、第29回試験でも、「児童福祉法」に規定される内容を具体的に問う問題が出題されています。前述の解説以外の用語では、「要支援児童」「保護者」「特定妊婦」について問われました。第31回試験では、児童福祉法に規定される「医療型障害児入所施設(問題136)の内容を問う問題や、市区町村子ども家庭総合支援拠点の説明内容を問う問題(問題139)、発達障害児に関する事例問題で、「医療型児童発達支援」のサービスを問う問題(問題141)が出題されました。第32回試験では、児童福祉法に基づく里親制度(問題138)について問われました。また、現代の児童福祉や子ども家庭福祉を理解するために重要となる「母子健康包括支援センター(子育て世代包括支援センター)」と、要保護児童対策地域協議会について問われています。前者の「母子健康包括支援センター」の根拠法は母子保健法で、後者の「要対協(要保護児童対策地域協議会)」は児童福祉法となります。後者の要対協は、要保護児童等への適切な支援を図ることを目的に、地方公共団体が設置・運営する組織体です。要保護児童等とあるように「等」ですので、要保護児童の他、要支援児童、特定妊婦も支援対象としています。

 次に、2.児童・家庭福祉制度の発展過程についてですが、この項目については、テキストなどの年表を利用して、その流れを押さえておくとよいでしょう。また、ワークブックなどを活用して整理してもよいと思います。どのように児童・家庭福祉制度が変遷してきたかについては、時代背景とともに整理すると理解が進みます。

 最後に、児童の権利について少しお話ししておきます。これについては、1909年のアメリカの第1回ホワイトハウス会議宣言や1924年の国際連盟のジェネバ(ジュネーブ)児童権利宣言、1951(昭和26)年の日本の児童憲章、1959年の国際連合の児童の権利に関する宣言、1989年の国連総会で採択された児童の権利に関する条約などが列挙されます。こちらについては、第29回試験の問題138で「児童の権利に関する条約」について問われています。併せて、第30回試験の問題138でも、児童が「自由に自己の意見を表明する権利の確保」を明記する「児童の権利に関する条約」について問われています。こちらは、過去問をベースに一読しておきましょう。

図表 児童の権利に関する宣言と条約
年号宣言や条約内容
1909年第1回ホワイトハウス会議宣言(アメリカ)セオドア・ルーズベルトによって開かれ、要扶養児童問題が論じられ、「家庭は文明の最高の創造物」と宣言された。
1924年ジェネバ(ジュネーブ)児童権利宣言(国際連盟)前文と5か条からなり、(1)心身の正常な発達権、(2)愛護と保護の保障、(3)救済の最優先性、(4)搾取からの保護、(5)人類への奉仕を目指す児童の成長を定めた。
1951
(昭和26)年
児童憲章(日本)世界児童憲章案(1922年)、ジェネバ(ジュネーブ)児童権利宣言(1924年)、アメリカ・児童憲章(1930年)を参考に、児童福祉法の基礎理念を徹底するために作成された。
前文で(1)児童は、人として尊ばれる、(2)児童は、社会の一員として重んぜられる、(3)児童は、よい環境のなかで育てられるとうたっている。
1959年 児童の権利に関する宣言(国際連合)前文と10か条からなる。
「児童が、幸福な生活を送り、かつ、自己と社会の福利のためにこの宣言に掲げる権利と自由を享有することができるようにするため」に公布された。
1989年児童の権利に関する条約(国際連合)児童の定義、児童への差別の禁止、児童の最善の利益、親からの分離禁止、障害児の権利などが網羅的に規定している。また、児童の保護を受ける権利をすべての国々の児童に保障されるべきだとして受動的権利と、一方で、人権保障の必要性を確認し、能動的権利も明確にしている。受動的権利とは、誰かに何かをしてもらう権利で、能動的権利とは、自らが欲する権利で、意見表明や表現の自由、思想・良心及び信教の自由、集会及び結社の自由などである。日本は、採択の5年後(1994年)に国会の承認を得て、158番目の批准国となった。

 ここからは、さらに過去問から重要項目を整理しておきます。まず、第29回、第27回試験では、各法令が対象とする児童について問われました。具体的な内容を表で整理しておきます。第29回試験では、児童扶養手当に関する事例問題が問われています。こちらは、次単元と関連するものですが、ここで解説しておきましょう。

出題された各法令対象
児童扶養手当法18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者又は、20歳未満で政令に定める程度の障害状態にある者
母子及び父子並びに寡婦福祉法20歳に満たない者
児童手当法18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であって、日本国内に住所を有する者又は留学その他の厚生労働省令で定める理由により日本国内に住所を有しない者
児童の権利に関する条約18歳未満のすべて者
児童虐待防止法18歳に満たない者

 次に、第32回試験、第30回試験(共に問題137)では、「子どもの権利に関する先駆的な思想を持ち児童の権利に関する条約の精神に大きな影響を与えた人物」や「障害児福祉に貢献した人物」について問われています。問題の答えを借りて解説すると、前者は〈ヤヌシュ・コルチャック〉であり、後者は〈糸賀一雄〉となります。また、第28回試験でも、問題137で「日本の児童福祉の歴史」について、人名とその功績について問われています。また、第26回試験も、我が国の児童福祉の歴史上の人物と、その功績(内容)を問う問題でした。答えとしては、野口幽香の二葉幼稚園設立で、園では、貧困家庭の子どもなど、不幸な境遇にある子女に対して幼児教育を行いました。この他、第25回試験では、第二次世界大戦前の各法における児童の対象年齢に関する問題が出題されました。この対象年齢も、ある意味で児童の権利を保障するための年齢制限であるともとらえることができますので、出題された恤救規則、感化法、工場法、救護法、戦前児童虐待防止法の内容と共に、児童の対象年齢について整理しておきましょう。

表 第二次世界大戦前の各法における児童の対象年齢
出題された各法対象年齢
恤救規則(明治7年)無告の窮民であって、かつ13歳以下位の孤児を救済
感化法(明治33年)感化院の入院年齢は、満8歳以上16歳未満の者
工場法(明治44年)就労が禁止されていたのは、12歳未満の児童
救護法(昭和4年)3歳以下の幼者を救済の対象
戦前児童虐待防止法(昭和8年)対象年齢を14歳未満の児童

(3)児童虐待
5.児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)

 児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)は、2000(平成12)年5月に成立し、児童虐待の予防及び早期発見、その他の児童虐待に関する国や地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護及び自立の支援のための措置を定めることで、児童虐待の防止に関する施策を促進し、児童の権利擁護を目的として制定されました。2004(平成16)年4月には本法の一部が改正され、特に児童の安全保護などに警察の協力が必要な場合は、児童相談所長等に警察署長への援助要請を義務づける、虐待を受けたと思われる児童を発見した者は速やかに通告する義務を課すなどの措置が講じられました。

 第32回試験、第30回試験では、事例問題で問われていますが、第28回試験、第24回試験では「児童虐待の防止等に関する法律」が出題されています。また、第31回試験では、「児童虐待に関する児童相談所の相談統計」について出題されています。社会福祉士にとって必要な知識ですので、必ず確認しておいてください。そろそろ出題されるかもしれませんよ。要チェックです。

(4)DV(ドメスティック・バイオレンス)
6.配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法:DV=ドメスティック・バイオレンス)については、同法第1条で定義がなされています。同条第1項では、「配偶者からの暴力」についての定義がなされており、それによると、配偶者からの身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をさすとしています。また、同条第3項には「配偶者」の定義がされており、婚姻の届けをしていないが事実上の婚姻関係と同様の状態にある者も含んでいます。同法も、子ども家庭福祉分野においてとても重要な法律のため、必ずあたっておいてください。

 近年の出題はありませんが、過去には、例えば、第24回試験では、「暴力」や「虐待」に関して2問出題され、1問は、前項の「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」であり、もう1問は、本項の「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)」です。この問題もまた、法律に関する問題でしたので、事前に法律を一読しておく必要がありました。このように、過去問解説集模擬問題集などで出題された法律や制度については、社会福祉用語辞典を活用して、必ず確認しておきましょう。

(5)母子福祉、児童手当、次世代・少子化対策
7.母子及び父子並びに寡婦福祉法、8.母子保健法、9.児童手当法、10.児童扶養手当法、11.特別児童扶養手当等の支給に関する法律(特別児童扶養手当法)、12.次世代育成支援対策推進法、13.少子化社会対策基本法、14.売春防止法

 7.母子及び父子並びに寡婦福祉法では、法の目的から始まり、母子寡婦福祉資金、母子福祉施設、母子寡婦福祉制度に係る財源、母子寡婦福祉サービスの最近の動向などについて整理しておいてください。また、8.母子保健法では、法の目的、母子健康手帳、養育医療の種類、母子保健制度に係る財源、母子保健サービスの最近の動向について整理しておいてください。

 9.児童手当法、10.児童扶養手当法、11.特別児童扶養手当等の支給に関する法律(特別児童扶養手当法)については、それぞれ手当の種類、手当に係る財源、制度の最近の動向などについて整理しておいてください。

 さらに、12.次世代育成支援対策推進法、13.少子化社会対策基本法については、各法律を必ず一読しておいてください。今後の子ども家庭福祉に関する指針が示されています。

 14.売春防止法については、法律の目的や概要の整理とともに、婦人相談所、婦人保護施設、婦人相談員などについて理解しておく必要があります。

 第31回試験、第29回試験では、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」について問われています。この他、第29回試験では、問題141の「児童扶養手当」の事例問題が該当します。また第28回試験では、「母子保健法(問題140)」について問われています。内容としては、母子保健法と児童福祉法で規定される相違点について問われています。因みに、第32回試験の問題139で出題されている「母子健康包括支援センター」は、母子保健法が根拠法であることを既に学習しましたね。また、第27回試験では、問題141で「特別児童手当等の支給に関する法律」について問われました。本法の対象は、障害児とは20歳未満と規定され、障害児に該当する障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級および2級とし、各級の障害の状態は、政令で定められています。

(6)子ども家庭福祉制度における組織や団体、専門職の役割と実際
15.児童・家庭福祉制度における組織及び団体の役割と実際、16.児童・家庭福祉制度における専門職の役割と実際

 15.児童・家庭福祉制度における組織及び団体の役割と実際については、国の役割、市町村の役割、都道府県の役割、家庭裁判所の役割、民生委員と児童委員の役割、児童・家庭福祉制度における公私の役割関係についての理解が重要です。

 また、16.児童・家庭福祉制度における専門職の役割と実際については、保育士の役割、家庭支援専門相談員の役割についての理解が重要です。

 「連携」と「協働」の重要性は、保健医療分野、高齢者分野、障害者分野だけでなく、児童・家庭分野でも重要です。特に、虐待のケースなど、生活を支える保育士の発見によってケースが展開されることが多々あります。保育士単独、保育所単独で解決するのではなく、他の専門職や団体・組織が連携・協働し、介入して解決していきます。

 第31回試験では、「民法の規定に基づいて行われる養親となる者の請求により特別養子縁組を成立させることができる組織・機関の名称」を問う問題が出題されていますが、答えは、そう「家庭裁判所」ですね。手続きとしては、養親となる者が居住地の家庭裁判所に申立を行い、6か月以内に養育状況を踏まえ、審判により成立します。過去問をベースに確認しておきましょう。この他、第30回試験では、問題141で「児童委員の職務」が問われています。設問文の言葉を借りると、児童委員は、児童及び妊産婦について、生活や取り巻く環境の状況を把握することが職務といえます。こちらは、児童福祉法に規定されています。第29回試験では、問題142で「家庭支援専門相談員」について問われています。少しだけ解説しておくと、家庭支援専門相談員は、乳児院や児童養護施設、児童心理治療施設及び児童自立支援施設に配置されており、児童福祉施設で暮らす児童の家庭復帰の支援を行う専門相談員です。

(7)子ども家庭福祉制度における多職種協働
17.児童・家庭福祉制度における多職種連携、ネットワーキングと実際

 本項目では、児童・家庭福祉制度における多職種連携、ネットワーキングと実際に関して、医療関係者との連携、教育関係者との連携、労働施策関係者との連携などについて理解することが重要です。前項目(6)子ども・家庭福祉制度における組織や団体、専門職の役割と実際でも少しふれましたが、虐待のケースや複雑化する児童・家庭福祉問題において、単一の専門職だけで支援することは限界に達しています。そのため、複数の多職種が手を取り合い、ともに支援していくことが重要です。現在の保健医療福祉の支援モデルは、チームケアを基本としているため、多職種連携や協働、ネットワーキングなどは非常に重要な内容となってきます。また、イギリスなどでは、インタープロフェッショナルワークなどが推進され、過去の虐待事件などを教訓とした、多職種との連携と統合の重要性が叫ばれています。

(8)児童相談所
18.児童相談所の役割と実際

 本項目では、児童相談所の役割と実際についての理解が重要です。ここでは、概要のみを紹介したいと思います。

 まず、児童相談所の役割と機能についてまとめたいと思います。児童相談所は、都道府県と指定都市に設置義務があり、2006(平成18)年4月からは中核市など政令で定める市についても設置することができるようになりました。この場合、人口50万人に対して最低1か所程度の設置が適当とされています。また、2016年(平成28)年の児童福祉法改正で、政令で定める特別区は児童相談所を設置するものとなりました。次年度から、東京23区でも、各区に児童相談所が設置され始めます。2020(令和2)年7月現在、全国に220か所(一時保護所数は、144か所)あります。

 児童相談所は、児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識および技術を必要とするものに応じ、児童やその家庭に必要な調査並びに、医学的、心理学的、教育学的、社会学的および精神保健上の判定を行い、それに基づく指導を行うことを業務とする児童福祉行政機関で、児童福祉司をはじめ、児童心理司、医師、児童相談員、保育士などの専門職がチームで業務を行っています。体制としては、総務部門、相談・判定・指導・措置部門、一時保護部門の三部門制をとることになっており、外国人の児童も含むすべての児童を対象としています。

 児童相談所の援助を大別すると、2つの指導に分けることができます。それは、措置によらない指導と、措置による指導です。措置によらない指導とは、専門的な助言やカウンセリング、心理療法、ソーシャルワークなどを継続する継続指導、他の機関への斡旋といった指導のことをいいます。一方、措置による指導とは、児童福祉司による指導、児童委員による指導、児童家庭支援センターによる指導といった、児童福祉法第26条、第27条に基づく指導があります。

 以上、児童相談所は、児童分野における総合相談窓口ですので、十分な学習が必要です。曖昧な点や不明な点は、ワークブックや法律に立ち返って確認しておく必要があります。また、例えば虐待事例の場合、通報から立入調査、所内会議、措置決定までの一連の流れを確認しておくことも重要です。

 第32回試験では、ズバリ、児童相談所の設置及び業務について問われています。この他、第28回試験、第27回試験では、事例問題で児童相談所の対応が問われています。

 以上が、「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」のポイントです。次回は、「就労支援サービス」の具体的な内容、ポイントについて解説していきます。

夏バテ注意!!夏の疲れが出る頃です

 皆さん、体調の方はいかがですか? 今年の夏は、長雨のあと、突然高温、暑い日が続きました。ただ、日の出と日の入りがグッと遅く、そして早くなり、暦の上では「秋」ですね。ただ、まだまだ日中は、残暑厳しく、1日の気温の変動も大きい季節です。体調管理が追いつかないですよね。

 国家試験勉強も、暑い日が続くと、集中するのが難しいですね。涼しい環境が整う方は、のんびり、ゆっくり、じっくり勉強に費やせるかと思いますが、暑い環境下では、なかなか勉強は進みませんね。

 試験勉強は、限られた時間の中で有効に学習することが重要ですが、勉強「時間」を決めて勉強するより、勉強「量」を優先して学習すると効率が上がります。多くの量をやらなくてもいいので、少量でも質を保ち、今この段階では、不明確な用語や制度などをまず整理することが重要です。その上で、問題にあたり、わかりにくい項目は解答解説のみでなく、ワークブックなどにあたって整理すると、知識が深まり、内容の理解も進みます。あと、日頃の生活や現場をもっている方、実習をされた方は、その実践を中心に必要な制度やソーシャルワークの技術等を整理していくと、多科目にわたって整理できます。

 それでは、暦の上では、秋。朝晩も本格的に涼しくなるこの時期から、国家試験勉強の後半戦です。この夏までに基礎を整理した上で、秋からは過去問題や模擬問題などの実践的が学習をはじめていきましょう。さて、後半戦。年末まで4か月、頑張りましょうね。年が明けると、ラスト1か月、まさにラストスパートとなります。

 最後の最後まで、一緒に頑張りましょう。

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