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露木先生の受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

第19回 「福祉サービスの組織と経営」のポイント

 さて、今回は、「福祉サービスの組織と経営」の具体的な内容、ポイントについて解説していきたいと思います。今回も、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示す出題基準に即した内容で整理していきます。

本科目のねらい

 本科目の出題基準によると、大項目として、1.福祉サービスに係る組織や団体、2.福祉サービスの組織と経営に係る基礎理論、3.福祉サービス提供組織の経営と実際、4.福祉サービスの管理運営の方法と実際の4項目があげられています。

第32回試験をみてみると…

 本科目は、午後の科目で苦戦が予想される科目の1つです。例年、出題が予測されている内容としては、「福祉サービスの組織と経営に係る基礎理論」ですが、第32回試験でも、「組織に関する基礎理論」や「経営に関する基礎理論」が出題されています。また、「集団の力学に関する基礎理論」について出題されました。これらの基礎理論については、過去の問題をベースに整理しておきましょう。本科目は、闇雲に「丸暗記」するのではなく、まずは過去の問題で出題された項目から整理していくことが効率的です。

 また、例年問われる社会福祉法人(NPO法人やその他の法人)などの組織や法人については、過去問ベースでよいので必ず整理しておきましょう。今回は、問題119で社会福祉士法人制度について問われ、問題120では特定非営利活動法人の制度や実態について問われています。どちらも、基礎的な内容ですが、用語や仕組みを一読しておく必要があります。このほか、スーパービジョン体制やキャリアパス、OJT/OFF-JT、育児・介護休業、メンタルヘルス対策などは必ず整理、学習しておきましょう。また、「男女雇用機会均等法」におけるセクシュアルハラスメントおよび、「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」におけるパワーハラスメントについても、必ず整理しておきましょう。

 これからの「福祉」を支えるためには、「人(専門職)」をいかに、確保し、育てていくかが重要な課題となります。福祉サービスは、対人サービスであるため、「人(専門職)」をなくしては、成り立たないサービスです。そのため、働く人々の労働環境の整備は、福祉サービスの組織や経営の観点から重要となってきます。

 以上、本科目の出題は、前述の4項目から万遍なく出題されており、また、各項目の内容が関連しているため、関連付けて学習すると効率的です。では、出題基準で取り扱われる4項目を整理していきます。

各項目の詳細について

1.福祉サービスに係る組織や団体

 本項目では、福祉サービスに係る組織や団体についての理解が重要です。具体的には、1)社会福祉法人制度、2)特定非営利活動法人制度、3)その他の組織や団体(例えば、医療法人、公益法人、営利法人、市民団体、自治会など)に関して、それらが規定されている法が示す定義、役割、税制、実際などの理解が必要となります。

 ここでは詳細な解説はひかえますが、まず、社会福祉法人について少し整理してみます。社会福祉法人とは、1951(昭和26)年に制定された社会福祉事業法(現・社会福祉法)によって創設された法人です。同法人は、同法(社会福祉法)第22条で、「社会福祉事業を行うことを目的として、この法律の定めるところにより設立された法人」であると定義されています。この「法人」の性格を分けるものとして、営利性や公益性などがあります。営利性とは、経済活動によって得た利益をその構成員(法人職員)へ分配することを主たる目的とし、公益性とは、社会一般の不特定多数のための利益を高めることをいいます。社会福祉法人においては、非営利性と公益性という条件があります。

 もう少し解説すると、同法第22条でいう「社会福祉事業」とは、同法第2条で限定列挙されており、第一種社会福祉事業および第二種社会福祉事業に分類されています。第一種社会福祉事業とは、「公共性の高い事業」かつ「(対象者の)人格の尊厳に重大な関係を持つ事業」と規定されています。

 次に、特定非営利活動法人をみてみると、同法人は、認証主義によって法人格を取得することができます。法人化をする団体は、特定非営利活動促進法によって、所轄庁であるその主たる事務所が所在する都道府県の知事(1つの政令指定都市内のみに事務所を置く場合は、政令指定都市の長)の承認を得て、登記することによって活動することができます。

 第31回試験、第30回試験を見てみると、社会福祉法人の制度に関する問題が問われています(共に問題119)。また、第29回試験でも、社会福祉法人の制度に関する内容が問われています(問題119)。社会福祉法人については、引き続き重要項目です。平成28年3月には、社会福祉法人改革に関して「改正社会福祉法」が成立し、公布されました。ここでは、「社会福祉法人制度の改革」「福祉人材の確保の促進」の二本柱を中心に、さまざまな法人改革が示されています。詳細についてはここでは解説できませんが、例えば、組織運営のガバナンス強化では、理事会(理事・理事長)、評議員、監事の役割が改められ、理事会は【業務執行者】、評議員は【議決機関】、監事は【監査機関】として位置づけられています。

表 改定社会福祉法に伴う社会福祉法人制度改革の概要
社会福祉法人制度の改革福祉人材の確保の促進
  • 1.経営組織の在り方の見直し(ガバナンスの強化)
  • 2.事業運営の透明性の向上
  • 3.適正かつ公正な支出管理(財務規律の強化)
  • 4.地域における公益的な取組を実施する責務
  • 5.内部留保の明確化と福祉サービスへの再投下
  • 6.行政の関与の在り方
  • 1.介護人材確保に向けた取組の拡大
  • 2.福祉人材センターの機能強化
  • 3.介護福祉士の国家資格取得方法の見直しによる資質の向上等
  • 4.社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直し

 さらに、過去問を見ておくと、第29回試験では、問題119で「医療法人及び特定非営利活動法人」に関する問題が出題されています。また、問題124では、「社会福祉法人の経営・会計」について問われました(3.福祉サービス提供組織の経営と実際との関連項目)。

 このように、本項目からは、毎年1問は出題されていますので、必ず確認しておいてください。特定非営利活動法人はもちろんですが、社会福祉法人や、公益法人、営利法人、市民団体、自治会などの組織や団体に関して、それらが規定されている法が示す定義、役割、税制、実際などの理解もしておいてください。

2.福祉サービスの組織と経営に係る基礎理論

 本項目は、1)組織に関する基礎理論、2)経営に関する基礎理論、3)管理運営に関する基礎理論、4)集団の力学に関する基礎理論、5)リーダーシップに関する基礎理論の理解が重要となります。

 まず、1)の組織に関する基礎理論では、組織構造を決定する際の5つの原則について整理しておきましょう。5つの原則とは、(1)専門化の原則、(2)権限・責任一致の原則、(3)命令一元化の原則、(4)統制範囲適正化の原則、(5)例外の原則です。また、組織理論に関しては、テイラー、メイヨー、レスリスバーガー、バーナード、サイモンなどの提唱する理論も確認しておくとよいでしょう。例えば、バーナードは、個人の制約を克服するための協働が生まれ、この協働システムとして組織を捉え、組織とは2人以上の人々の意識的に調整された活動であるとしています。また、サイモンは、人間が意思決定して行動していると前提し、組織現象は意思決定過程の分析によって明らかになると考え、意思決定は完全に合理的にできるものではなく、制限のある合理性に基づくものであるという考えを示しています。当面の問題解決の代替案をすべて持とうとしないこと、代替案の評価も不十分なままであること、最終的には自分の欲求を満足させるなどの代替案を選ぶことなどを示しました。

 次に、2)経営に関する基礎理論では、チャンドラー、アンゾフ、ポーターなどの理論を確認しておきましょう。また、組織内外の環境分析の方法として、SWOT分析がありますので、こちらの確認も大切です。これは、自組織の課題を内部環境と外部環境の軸と、有利な点と不利な点の軸に分類し、内部環境の有利な点を力点(Strength)、不利な点を弱点(Weakness)、外部環境の有利な点を機会(Opportunity)、不利な点を脅威(Threat)として分類する方法です。

 このほか、外部環境を重視する戦略として、「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」「コトラー戦略」「ポーター競争戦略」などがあります。ここでは「PPM」について少し説明しておきます。「PPM」では、各企業の商品やサービスを相対市場シェアと市場成長率にしたがって、「金のなる木(市場成長小・シェア大)」「問題児(市場成長大・シェア小)」「花形製品(市場成長大・シェア大)」「負け犬(市場成長小・シェア小)」に分類します。

 内部環境を重視する戦略としては、「エクセレント・カンパニー」「ビジョナリー・カンパニー」「コア・コンピタンス」などがあります。これらについても整理しておいてください。

 3)管理運営に関する基礎理論では、PDCAサイクルについての学習が必要です。PDCAサイクルとは、「計画(Plan)」と、それに基づく「実施(Do)」、実施した結果の「確認(Check)」、確認結果に基づく計画への「処置(Act)」のプロセスを経て進めることによって、品質の維持、向上を図る管理手段のことです。これは、デミングによって提唱されたもので、「デミング・サイクル」とも呼ばれます。

 4)集団の力学に関する基礎理論では、レビンが有名です。レビンは、バラバラな個人が経営組織に集まるとき、そこに集団生活空間が形成されると考え、第一に、集団にはメンバーに対する斉一性および同調性への圧力(集団圧力)が生まれること、第二に、集団には個人に対して集団にとどまらせるように働く魅力(集団の凝集性)が発生することを示しました。

 最後に、5)リーダーシップに関する基礎理論では、三隅二不二を中心とする集団力学研究所によって推進された研究で、PM理論があります。まず、PM理論では、リーダーの行動が課題遂行(Performance)、集団維持(Maintenance)の二次元で記述できるとし、それぞれリーダーシップP行動、リーダーシップM行動と呼びました。リーダーシップP行動は、集団の目標達成の働きを促進し強化する行動であり、リーダーシップM行動とは、集団のなかで生じた人間関係の過大な緊張を解消し、激励や支持を与え、少数者に発言の機会を与え、構成員相互依存を拡大していく行動をいいます。

 第32回試験では、問題121で「集団力学」について問われています。ここでは、集団の凝集性や、集団浅慮、コンフリクトやグループ・ダイナミクスなどの用語整理が必要となります。また第31回試験では、リーダシップ理論について問われています。リーダーシップについて整理する際は、(1)有能なリーダーの特性を研究した「特性理論」、(2)優れたリーダーの行動に着目した研究の「行動理論」、(3)集団の置かれた状況に応じて有能なリーダーが変わることを研究した「条件適合理論」に大別されますので、今学習している理論が、その研究に属するのかを意識して整理すると理解が深まります。例えば、前述の三隅のPM理論は、「行動理論」に属する研究ですので、優れたリーダーのあり方(行動)に着目しています。第30回試験では、「組織に関する基礎理論」からは、施設の組織構造の特徴を表す用語を選択する問題が出題されました。内容としては、職能ごとに部門を組織する「職能別組織」と施設全体で取り組むべき特定の課題解決のために、各職種が横断的に参加・組織化される「プロジェクト組織」について問われています。また、「経営に関する基礎理論」からは、「組織と外部環境」について問われています。こちらは、やや読み込む必要と、基礎知識が必要な問題ですので、模擬問題集などの解説やワークブックを活用して整理しておきましょう。加えて、第29回試験では、「集団のパフォーマンス(課題遂行)」や「リーダーシップ理論」について問われています。リーダーシップ理論については、基礎的な内容を問うものが出題されています。同様に第28回試験でも、リーダーシップに関する問題が出題されていますが、「部下の成熟度に合わせたリーダーシップ行動の変容に関する理論」について問われました。これは、先ほど解説した(3)「条件適合理論」であることがわかりますね。本設問では、ハーシーやブランチャードによる「状況リーダーシップ」ということになります。過去問でチェックしておきましょう。

3.福祉サービス提供組織の経営と実際

 本項目では、福祉サービス提供組織の経営と実際として、1)経営体制、2)財源、3)福祉サービス提供組織のコンプライアンスとガバナンス、4)福祉サービス提供組織における人材の養成と確保、5)福祉サービス提供組織の経営の実際などの理解が必要となります。

 1)経営体制では、理事会の役割など、2)財源では、自主財源、寄付金、補助金、介護報酬などの整理をしておきましょう。また、4)福祉サービス提供組織における人材の養成と確保では、2007(平成19)年に見直しされた「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針(新人材確保方針)」の理解が必要となります。この方針では、(1)労働環境の整備の推進、(2)キャリアアップの仕組みの構築、(3)福祉・介護サービスの周知と理解、(4)潜在的有資格者の参入の促進、(5)多様な人材の参入・参加の促進などについての方向性が示されています。

 第32回、第31回、第30回試験では、社会福祉法人(福祉サービスの提供組織)の財務(財務管理や資金調達)について問われています。社会福祉法人が保有する財産については、事業継続に必要な財産(控除対象財産)を控除した上で、再投下可能な財産(社会福祉充実残額)を明確にする必要があります。また、社会福祉充実残額が生じた場合は、社会福祉充実計画の策定が必要となり、法人は、その計画に基づき、既存事業の充実や新たな取り組みに有効活用する仕組みが構築されました。こちらは、必ず整理しておきましょう。

 さらに、第32回試験、第29回試験では「社会福祉法人の経営・会計」について、第28回試験でも「会計や経営に関する用語」について問われました。福祉経営に携わる方は、よく耳にする内容かと思いますが、初めて聞くという方もいらっしゃるかと思います。例えば、直接金融、貸借対照表(借方・貸方)、減価償却などです。こちらは過去問をベースに整理しておきましょう。このほか、財務諸表の資金収支計算書や、事業活動計算書などの見方や使い方などの基本的な事項は理解しておきましょう。

 このほか、第32回試験では、問題124で「介護サービスの人材の確保」について問われ、第31回試験では、問題125で「人事管理」について問われています。こちらは、過去の問題を整理する程度で十分ですので、一読しておきましょう。

4.福祉サービスの管理運営の方法と実際

 本項目では、福祉サービスの管理運営の方法と実際として、1)適切なサービス提供体制の確保、2)働きやすい労働環境の整備、3)福祉サービスの管理運営の実際についての理解が必要です。

 1)適切なサービス提供体制の確保では、スーパービジョン体制、サービスマネジメント、チームアプローチ、苦情対応、リスクマネジメントの方法などの出題が想定されています。これらの項目の内容については、テキスト社会福祉用語辞典ワークブックなどで確認しておきましょう。

 次に、2)働きやすい労働環境の整備では、キャリアパス、OJT(On the Job Training)やOFF-JT(Off the Job Training)、育児・介護休業、メンタルヘルス対策などがあげられます。ここでは、職場研修について整理しておきます。職場研修の代表として、OJTやOFF-JTなどがありますが、OJTとは、職場の上司や先輩が、部下や後輩に、職務を通じて、または職務に関連させて、指導、育成する研修で、職場研修の基本といえます。また、OFF-JTとは、職務命令により一定期間日常業務(職務)を離れて行う研修で、職場内で実施する場合と、職場外の外部研修に派遣する場合とがあります。

 第31回試験では、リスクマネジメントについて問われています。出典は、「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針~利用者の笑顔と満足を求めて(厚生労働省)」からです。内容的には、常識的な範囲で解答可能ですが、必ず一読しておきましょう。このほか、問題124では「適切な福祉・介護サービスの提供体制」について問われています。具体的には、運営適正化委員会や福祉サービス第三者評価、福祉サービス情報に関する公表制度、苦情についてです。こちらも、過去問をベースに整理しておきましょう。第30回試験では、問題124で「福祉・介護サービス提供体制の確保」について問われ、福祉サービスの第三者評価事業や、介護サービス情報の公表制度、苦情対応、運営適正化委員会、個人情報の保護に関する法律から出題されています。また、問題125では、「人材育成や研修」について問われ、これは、前述しましたOJT(On the Job Training)やOFF-JT(Off the Job Training)について問われています。

 第29回試験では、問題125の「組織で働く者の労働意欲やキャリア形成」について問われています。人名と用語を列挙しておきますので、各自でチェックしておきましょう。人名では、「ハーズバーグ」「マズロー」などが問われています。用語では、「コーチング」「キャリアアンカー」「メンタリング」などが問われています。このほか、「キャリアプラトー」「キャリアパス」についてもチェックしておきましょう。また、第28回試験では、「リスクマネジメント」「労働法(労働契約、就業規則、労働協約)」について問われています。さらに第27回試験では、問題124で「福祉サービスの苦情対応、事故対応及び事故防止」に関する内容が問われ、問題121で「組織におけるキャリアパス」、問題125で「労働安全衛生管理の体制やメンタルヘルスケアの推進」に関する内容が問われています。これらの項目は、すべて重要事項かつ出題頻度が非常に高いので、過去問をベースに必ず整理しておきましょう。さらに、過去の問題を見てみると、第26回試験は、サービスマネジメント論を基盤とした福祉サービスにおける運営管理に関する問題が出題されています。福祉は、1990年からの社会福祉基礎構造改革によって、「措置」から「契約」となり、「対象者」は「利用者」となり、「処遇」は「サービス」となりました。よって、社会福祉法人をはじめとする福祉サービスを提供する組織・機関にとって「サービスの質の向上」が経営において直接影響を及ぼすようになりました。また、サービス提供のプロセスには、利用者も参加するため、利用者の参加の態度や行動によってサービスの質に影響を及ぼします。

 以上が、「福祉サービスの組織と経営」のポイントです。本科目の学習方法としては、まずは社会福祉法を読むことから始めるとよいでしょう。次回は、「高齢者に対する支援と介護保険制度」の具体的な内容、ポイントについて解説していきます。

5.なぜ、社会福祉士に経営や組織運営の知識が必要なのか?

 社会福祉士の役割として、利用者への直接援助(問題解決)、ケアマネジメントをイメージする人が多いのではないでしょうか? もちろん、これらのいわゆるミクロレベルへの介入や支援も社会福祉士にとって重要です。しかし、社会福祉士の介入視点は、ミクロレベルのみでなく、集団や組織といったメゾレベル、地域社会や制度政策、国際といったマクロレベルを包摂するものです。つまり、本科目のように、組織の経営や運営といったメゾレベルへの介入も、重要な役割の一つと言えます。このことから、社会福祉士の試験問題は、ミクロレベルの知識技術:1/3、メゾレベルの知識技術:1/3、マクロレベルの知識技術:1/3ぐらいの割合で出題されると思ってください。

 この夏に、過去の問題や模擬試験などを受験してみると、自分の苦手分野が明らかになると思いますが、科目ごとに苦手分野を整理するのではなく、ミクロ、メゾ、マクロレベルで弱点や苦手分野を整理すると、学習効率が上がりますよ。つまり、前述のようなイメージ(社会福祉士=個別援助・ケアマネジメント【ミクロレベル】)をもっている人は、どんなに受験勉強をしても「50点」を越えないということです。

 最後に、何と言っても、福祉サービスは、対人援助が基礎であるため、提供するものは「人」です。ロボットや人工知能が取って代わることはできないのです。このことからも、組織の人材の確保と共に、人材育成とキャリア形成(パス)、働く人々の環境整備が重要であることがわかると思います。

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