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露木先生の受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

第11回 「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」のポイント

 さて、今回は、「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」の具体的な内容、ポイントについて解説していきたいと思います。今回も、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示す出題基準に即した内容で整理していきます。
 本科目について説明しておくと、実は本科目は第24回試験までは専門科目に位置づけられていましたが、平成24年度よりスタートした精神保健福祉士の新たなカリキュラムにおいて「専門とする障害の種別に関わらず、障害者福祉に関する法制度の基礎的な理解として欠かせない」本科目が共通科目として盛り込まれ、平成25年実施の第25回試験から午前の部「共通科目」に位置づけられました。

 また「障害者自立支援法」については、2012(平成24)年6月20日の参議院本会議で、「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律案(障害者総合支援法案)」が民主、自民、公明各党などの賛成多数で可決・成立しました。これにより、本法案は、2013(平成25)年4月より施行されています。ただし、本科目では、法律のみでなく、障害者福祉に関する総合的な自立支援制度の着目しており、科目名の変更はなされていません。

 さらに、障害者分野では、障害者の権利に関する国際的な動き、国内的な動きがあります。国際的には、障害者権利条約は、2006年12月13日に国連総会において採択され、2008年5月3日に発効されました。わが国は2007年9月28日に、高村正彦外務大臣(当時)がこの条約に署名し、2014年1月20日に、批准書を寄託しました。同条約は、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障害者の権利の実現のための措置等について定める条約と言えるものです。さらに、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行されています。なお、本条約の主な内容としては、(1)一般原則(障害者の尊厳、自律及び自立の尊重、無差別、社会への完全かつ効果的な参加及び包容等)、(2)一般的義務(合理的配慮の実施を怠ることを含め、障害に基づくいかなる差別もなしに、すべての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及び促進すること等)、(3)障害者の権利実現のための措置(身体の自由、拷問の禁止、表現の自由等の自由権的権利及び教育、労働等の社会権的権利について締約国がとるべき措置等を規定。社会権的権利の実現については漸進的に達成することを許容)、(4)条約の実施のための仕組み(条約の実施及び監視のための国内の枠組みの設置。障害者の権利に関する委員会における各締約国からの報告の検討)となっています。

 本科目に取り組む前に、以上のような制度的な変遷や障害者福祉を取り巻く現状況を理解すると、各項目の学習が捗ると思います。例えば、第32回試験の問題57が、障害者福祉制度の発展過程に関する問題の代表と言えます。

本科目のねらい

 本科目の出題基準によると、大項目として、1.障害者の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉・介護需要、2.障害者福祉制度の発展過程、3.障害者自立支援法、4.障害者自立支援法における組織及び団体の役割と実際、5.障害者自立支援法における専門職の役割と実際、6.障害者自立支援法における多職種連携、ネットワーキングと実際、7.相談支援事業所の役割と実際、8.身体障害者福祉法、9.知的障害者福祉法、10。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)、11.児童福祉法(障害児支援関係)、12.発達障害者支援法、13。障害者基本法、14.障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)、15。心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)、16。高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)、17.障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)の17項目があげられています。以上の項目は、単独で成立しているというよりは、他項目と密に関連しています。そのため、それぞれを関連づけて学習していくことが重要です。

第32回試験をみてみると…

 例年通り前述の項目から万遍なく出題されました。障害者総合支援法については、かなり詳細な内容まで問われています。例えば、問題59では「本法に定められている市町村の役割」や問題58では「本法に基づく福祉サービス」に関する事例問題など、本法における具体的な支援体制に関する内容が問われています。

 また、前述の通り、障害者の「人権」や「差別」といったキーワードからは、障害者福祉制度の発展過程と関連づけて出題されています(問題57)。この他、障害者の生活実態に関する統計・調査問題(問題56)などをチェックしておく必要があります。こちらの問題は、過去問ベースでよく復習しておきましょう。

 以上、障害者総合支援法と、障害者の人権や差別に関する項目は、本科目のメインと言える内容ですので、過去問をベースに整理しておきましょう。

 それでは、出題基準で取り扱われる17項目を、ここでは(1)障害者の生活実態、(2)障害者福祉概論、(3)障害者総合支援法、(4)障害者の社会参加と雇用の4項目に分けて整理していきたいと思います。

各項目の詳細について

(1)障害者の生活実態

1.障害者の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉・介護需要

 本項目では、障害者の生活実態とこれを取り巻く社会情勢について整理するとともに、障害者の福祉・介護需要について理解することが重要です。

 障害者の生活実態とこれを取り巻く社会情勢については、「厚生労働白書」(厚生労働省)などを利用して、障害者の生活実態と社会の動向・情勢について整理しておくとよいでしょう。また、障害者の福祉・介護需要としては、これらの実態、障害者の地域移行や就労の実態などについて理解しておく必要があります。これらの知識は、障害者の置かれている状況や生活の実態、社会の動向や状況などを理解するために必要な知識となりますので、しっかりと学習しておいてください。

 過去の問題を見ておくと、第32回試験、第31回試験の問題56で「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」における障害者の実態ついて問われています。この実態調査については、第26回試験でも「在宅の障害者の同居者」に関する実態調査が出題されています。このように、障害者を取り巻く社会情勢や障害者・児の実態については、重点項目ですので、必ず整理しておきましょう。このような統計に関する問題は、本科目以外に、「高齢者に対する支援と介護保険制度」や「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」などの科目でも出題される可能性が高いので、厚生労働省が実施している統計については必ず一読しておきましょう。

 また、第30回試験では、障害者スポーツに関して問われていますので、こちらは過去問ベースでチェックしておきましょう。日本は、2021年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、障害者スポーツや、障害者の差別解消、人権擁護、社会参加や共生社会の実現など、障害者を取り巻く環境整備が進んでいます。上記したキーワードは全てチェックしておいてくださいね。このほか、第28回試験では、問題56の「障害者差別解消法」が本項目に該当し、さらに問題57の国際生活機能分類(ICF)の「参加制約」に関する事例問題が問われています。

(2)障害者福祉概論

2.障害者福祉制度の発展過程、8.身体障害者福祉法、9.知的障害者福祉法、10。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)、11。児童福祉法(障害児支援関係)、12。発達障害者支援法、13。障害者基本法、15。心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)

 今まで(社会福祉六法以降)、障害者分野では、身体障害・知的障害・精神障害は、各障害が独自の法律のもとに、バラバラに支援が行われてきました。つまり、障害者自立(総合)支援法は、従来バラバラであった3障害への福祉サービスを一元化した法律といえます(障害者基本法においても、3障害を統合しています)。ここでは、「8.身体障害者福祉法」「9.知的障害者福祉法」「10。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」「12。発達障害者支援法」「13。障害者基本法」「15。心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)」について解説したいと思います。

 まず、「2.障害者福祉制度の発展過程」については、第32回試験、第31回試験、第30回試験では、問題57で「障害者福祉制度の発展過程」がズバリ問われていました。第31回試験は、前述しておりますが、そのなかでも、障害者の権利に焦点が当たった内容です。具体的には、「国際障害者年」「障害者虐待防止法」「障害者雇用促進法」「障害者差別解消法」「障害者の権利に関する条約」です。これらの法規等については必ずチェックしておきましょう。また、第28回試験でも、同様の内容が問われ、具体的には、身体障害者福祉法、東京パラリンピック、知的障害者福祉法、国際障害者年、障害者基本法、障害者総合支援法などが問われています。同様に、第27回試験でも、精神薄弱者福祉法(1960年)、重度精神薄弱児扶養手当法(1964年)、国際障害者年(1981年)、障害者自立支援法(2005年)、障害者差別解消法(2013年)の5つの内容が問われています。また、第25回試験では、1990年代から現在までの障害者福祉制度の発展過程が問われています。

 このように、障害者福祉制度の発展については、ほぼ毎年問われており、変革期にある障害福祉分野では、非常に重要な知識となります。学習方法としては、過去問をベースにワークブックなどで、内容と変遷(流れ)についても整理しておきましょう。

 以下は、各法の内容となります。
 まず、「8.身体障害者福祉法」については、身体障害者福祉手帳、身体障害者福祉法に基づく措置などについて整理しておいてください。また、身体障害者の定義についても確認しておいてください。ちなみに、第29回試験では、「障害者手帳」に関する内容が問われています。障害者手帳制度には、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」があります。もうひとつ、この項目で紹介しておくと、問題61の「障害者の法律上の定義」についても、各法が定める定義については一読しておいてください。こちらは非常に基礎的な内容です。因みに、第31回試験では、以下「知的障害者福祉法」「精神保健福祉法」を横断した問題が問題62で出題されています。このように、それぞれの法律をバラバラに理解するのではなく、関連づけて整理しておきましょう。

 次に、「9.知的障害者福祉法」については、療育手帳、知的障害者福祉法に基づく措置などについて整理しておいてください。知的障害者については、同法においては定義されていません。実務上では、2005(平成17)年の「知的障害児(者)基礎調査」の定義である「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)に現れ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」を利用することがあります。また、療育手帳制度で、障害の重さ(程度)をもとに区分したものを利用することもあります。第30回試験では、問題62で「知的障害者更生相談所の業務」について問われています。設問文の言葉を借りると「知的障害者の医学的、心理的及び職能的判断を行う所」と言えます。

 「10.精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」については、精神保健福祉手帳、精神保健福祉法に基づく措置入院などについて整理しておいてください。また、精神障害者とは、同法において、「統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者」と定義されています。第29回試験は、前述の通り「手帳」と「定義」です。第25回試験では、事例問題で、精神保健福祉法に基づく保護者の範囲及び順位が問われています。

 「11.児童福祉法(障害児支援関係)」については、児童福祉法に基づく障害児支援が問われるため、児童福祉法をはじめとする、児童福祉に関係する制度や政策については必ず押さえておいてください。実際、第27回試験では、問題61で児童福祉法における障害児支援に関する問題が出題されています。内容としては、保育所等訪問支援や放課後等デイサービス、福祉型障害児入所施設、児童発達支援センターなどが問われています。このほか、第26回試験では、「2012年に改正された児童福祉法に基づく障害児サービスの再編」について問われ、第25回試験でも、児童福祉における障害児支援サービスが問われました。

 「12.発達障害者支援法」は、2004(平成16)年に制定された法律で、発達障害を早期に発見し、発達支援を行うことに関する国や地方公共団体の責務を明らかにしたものです。また、発達障害者への学校教育や就労面の支援、発達障害支援センターの指定などについても定めています。同法で発達障害とは、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常年齢において発現するものとして政令で定めるもの」と定義しています。そのほか、発達障害者支援センターの役割などについても確認しておいてください。第32回試験では、問題60で、本法の規定に関する詳細の内容が出題されています。まずは、こちらの過去問題をベースに整理しておきましょう。

 「13.障害者基本法」は、わが国の障害者政策の基本となる法律で、1970(昭和45)年に制定された心身障害者対策基本法が、1993(平成5)年に全面的に改正されたものです。この法律では、「障害」とは、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害であることと、「障害者」とは、これらの障害および社会的障壁によって、継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものとしています。また、2004(平成16)年の障害者基本法の一部を改正する法律案に対する附帯決議では、「てんかん及び自閉症その他の発達障害を有する者、並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって、継続的に生活上の支障があるもの」も障害者の範囲に含まれるものと明記されました。同法については、必ず一読しておくことをおすすめします。第32回試験では、問題61で、ズバリ、本法について問われています。やや詳細ですが、まずはこちらの過去問題をベースに整理しておきましょう。

 「15.心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)」は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対して、その適切な処遇を決定するための手続き等を定め、継続的かつ適切な医療並びにその確保のために必要な観察及び指導を行うことによって、その病状の改善とこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、対象者の社会復帰を促進するものです。本項目は、例年、社会福祉士の専門科目である「更生保護制度」でほぼ毎年出題される項目です。キーワードとしては、社会復帰調整官、生活環境の調査・調整、精神保健観察、ケア会議などでしょうか? これらの用語が不明な方は、専門科目の「更生保護制度」の過去問題から「医療観察制度」に関する問題をチェックしておきましょう。学習の取り掛かりとして、社会復帰調整官は、保護観察所に配置され、社会福祉士や精神保健福祉士などの有資格者で、一定の業務経験を有する者などで、我々ソーシャルワーカーが、この担い手となっているということです。第32回試験では、本科目の問題62で出題されているので、一読しておきましょう。

 以上、各法律について列挙し、内容をまとめましたが、詳細についてはテキスト福祉小六法などを活用して、再度確認しておいてください。

(3)障害者総合支援法

3.障害者総合支援法、4.障害者総合支援法における組織及び団体の役割と実際、5.障害者総合支援法における専門職の役割と実際、6.障害者総合支援法における多職種連携、ネットワーキングと実際、7.相談支援事業所の役割と実際

 本項目では、障害者総合支援法の目的にはじまり、障害支援区分判定の仕組みとプロセス、支給決定の仕組みとプロセス、財源、障害福祉サービスの種類、障害者支援施設の種類、補装具・住宅改修の種類、自立支援医療、地域生活支援事業、苦情解決、審査請求、障害者総合支援制度の最近の動向などの理解が重要です。

 もう一度、障害者政策の流れを整理しておくと、障害者自立支援法は、支援費制度に代わって2005(平成17)年に制定され、2006(平成18)年より施行されました。特徴としては、障害の種別ごとに異なる法律に基づいて提供されていた福祉サービスが一元化され、共通の障害福祉サービスとして提供されるようになり、支援費制度では対象外だった精神障害者も包括しています。そして、前述の通り、現在は、障害者総合支援法として、新たな仕組みのもとで障害者支援、サービスが提供されています。そして、この「障害者自立支援法」も、「障害者総合支援法」へと変わるわけです。

 障害者総合支援法の概要を少し整理してみると、法の理念としては、「共生社会の実現と、社会参加の機会の確保、地域社会における共生、社会的障壁の除去」のため、「総合的かつ計画的に行われること」が挙げられます。また、障害の範囲は、前述の通り三障害に、難病等を加え、「制度の谷間を埋める」努力をしています。このほか、細かいですが、従来、「障害程度区分」と称していたものを「障害支援区分」に改めることで、「障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合いを総合的に示すもの」としました。

 また、本制度では、相談事業と権利擁護についても重視しています。よって、相談支援事業所の役割と実際についても整理しておきましょう。相談支援事業所が行う相談支援とは、障害者相談支援事業として行われる相談や、計画的な自立支援を必要とする相談に分けられます。具体的には、障害者のニーズに応じて支援を効果的に実施するための仕組み(ケアマネジメント)が制度化されており、例としては、一人ひとりの利用者が、必要に応じて支援を受けられるよう、市町村の必須事業(地域生活支援事業)として相談支援事業を位置づけ、その中で一般的な相談支援を行う障害者相談支援事業を指定特定相談支援事業者または指定一般相談支援事業者に委託できるようにしています。また、特に計画的な支援を必要とする者を対象として、サービス利用の斡旋・調整などを行うための給付(サービス利用計画作成費)を制度化しています。この相談支援については、第29回試験の問題59で「特定相談支援事業」、第28回試験の問題61で「基幹相談支援センター」に関する詳細が問われました。ちなみに、第30回試験は、事例問題として、相談支援事業所の相談支援専門員の対応について出題されました。また前述していますが、第31回試験でも、問題60で「基幹相談支援センター」について問われ、問題61では、相談支援事業所の活動に関する事例問題が出題されています。

 このほか、同法における組織及び団体の役割と実際についても整理しておいてください。例えば、国の役割、市町村の役割、都道府県の役割、指定サービス事業者の役割、国民健康保険団体連合会の役割、ハローワークなどの労働関係機関の役割、特別支援学校などの教育機関の役割、障害者自立支援制度における公私の役割関係などについてです。ちなみに、第32回試験では、「本法における市町村の役割」、第28回試験では、「本法における都道府県の役割」、第29回試験でも、本法における自治体の役割」について問われました。同法における専門職の役割と実際としては、相談支援相談員の役割、サービス管理責任者の役割、居宅介護従事者の役割と実際について整理しておいてください。

 さらに、同法における多職種連携、ネットワーキングと実際として、医療関係者との連携、精神保健福祉士との連携、障害程度区分判定時における連携、サービス利用時における連携、労働関係機関関係者との連携、教育機関関係者との連携などが特に重要となってきます。現在の支援体制はこの連携と協働がキーワードとなっています。

 以上、本項目は、試験でも問われやすいため、よく理解しておいてください。わからない用語については社会福祉用語辞典を使い、見たことのない法律については必ず福祉小六法などを使って確認しておいてください。また、各々の関係性や体制など不明瞭な場合は、テキストなどに収載されている図表を使ってよく理解しておいてください。

(4)障害者の社会参加と雇用

14.障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)、16。高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)、17。障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)

 高齢者、障害者等の移動等の円滑化及びその雇用の促進については、重要な課題となっています。

 まず、「16.高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」は、バリアフリー新法とも呼ばれており、従来のハートビル法と交通バリアフリー法を一体化させたものです。同法の目的は、建築物(商業施設など)や交通施設(駅など)についてのバリアフリー対策がそれぞれ別々に行われてきたことから、今後一体的に整備を行うことにあります。

 次に、障害者の職業の安定を図ることを目的として、雇用の促進とその後の職業生活の安定を積極的に支援するための法律として、「17.障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」があります。具体的には、(1)法定雇用率、(2)福祉的就労などがあります。

 (1)法定雇用率では、事業主は雇用する労働者のうち障害のある人を一定の数雇用しなくてはならないという法定雇用率が定められています。この法定雇用率を達成していない企業は、「障害者雇用納付金制度」により、一定額を負担することが義務付けられています。こちらについては、今年度、改訂されているのでチェックしておきましょう。例えば、法定雇用率そのものの変更があり、民間企業は、2.0%から2.2%へと引き上げられ、平成33(令和3)年4月までに、さらに0.1%引き上げた2.3%となります。また、国・地方公共団体等は、2.3%から2.5%へ、等道府県等の教育員会は、2.2%から2.4%へと引き上げられています。これに、対象となる事業主の範囲が拡大され、今まで従業員50人以上だったものが、45.5人以上に広がりました。なお、この内容については、ここ数年は、午前の部(共通科目)の「就労支援サービス」で取り上げられています。関連項目として整理しておきましょう。

 (2)福祉的就労については、一般の企業や公的機関での就労が難しい障害者の雇用の場として、授産施設、小規模作業所などがあります。これらの施設で就労することを福祉的就労といいます。障害者総合支援法では、訓練等給付に「就労移行支援」や「就労継続支援(A型/B型)」、「就労定着支援」が位置づけられており、こちらの詳細については、必ずチェックしておきましょう。つまり、障害者の就労支援については、「就労」への「移行支援」と、「継続支援」、これに加えて、「定着支援」が準備されているということです。また、関連する就労支援の仕組みについては、「障害者就業・生活支援センター」「ハローワーク」「地域障害者職業センター」をチェックしておく必要があります。まずは、用語から整理しておきましょう。

 このほか、第29回試験では、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)」について問われませんでしたが、問題62で「障害者虐待防止センターの対応」について事例問題が出題されています。また、過去の問題では、「障害者虐待対応状況調査(厚生労働省)」から障害者虐待の実態に関する問題が問われています。このような統計資料とともに、虐待防止法の内容についても必ず福祉小六法で確認しておいてください。虐待の定義から、法律の目的など、必ずチェックしておきましょう。

 以上が、「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」のポイントです。次回は、「低所得者に対する支援と生活保護制度」の具体的な内容、ポイントについて解説していきます。

梅雨に入りましたね。

 ジメジメな梅雨時は嫌ですね。こんな時は、少し早めに行動をして、余った時間でゆっくり、のんびりと過ごしてみてはいかがでしょうか?

 私の場合は、ゆっくり紅茶やコーヒーを飲んだり、ワインを開けたり。小説や文献をゆっくり読んだり。湯船にゆっくり浸かったり。アロマを焚いたり・・・ 工夫しています。このような時間を過ごすと、きっと見えてくる景色も変わるのではないでしょうか?

 それでは素敵な梅雨時の1日をお過ごしください。引き続き、国家試験勉強、一緒に頑張りましょうね。

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