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露木先生の受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

第21回 「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」のポイント

(4)DV(ドメスティック・バイオレンス)
6.配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法:DV=ドメスティック・バイオレンス)については、同法第1条で定義がなされています。同条第1項では、「配偶者からの暴力」についての定義がなされており、それによると、配偶者からの身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をさすとしています。また、同条第3項には「配偶者」の定義がされており、婚姻の届けをしていないが事実上の婚姻関係と同様の状態にある者も含んでいます。同法も、子ども家庭福祉分野においてとても重要な法律のため、必ずあたっておいてください。

 近年の出題はありませんが、過去には、例えば、第24回試験では、「暴力」や「虐待」に関して2問出題され、1問は、前項の「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」であり、もう1問は、本項の「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)」です。この問題もまた、法律に関する問題でしたので、事前に法律を一読しておく必要がありました。このように、過去問解説集模擬問題集などで出題された法律や制度については、社会福祉用語辞典を活用して、必ず一読しておきましょう。

(5)母子福祉、児童手当、次世代・少子化対策
7.母子及び父子並びに寡婦福祉法、8.母子保健法、9.児童手当法、10.児童扶養手当法、11.特別児童扶養手当等の支給に関する法律(特別児童扶養手当法)、12.次世代育成支援対策推進法、13.少子化社会対策基本法、14.売春防止法

 7.母子及び父子並びに寡婦福祉法では、法の目的から始まり、母子寡婦福祉資金、母子福祉施設、母子寡婦福祉制度に係る財源、母子寡婦福祉サービスの最近の動向などについて整理しておいてください。また、8.母子保健法では、法の目的、母子健康手帳、養育医療の種類、母子保健制度に係る財源、母子保健サービスの最近の動向について整理しておいてください。

 9.児童手当法、10.児童扶養手当法、11.特別児童扶養手当等の支給に関する法律(特別児童扶養手当法)については、それぞれ手当の種類、手当に係る財源、制度の最近の動向などについて整理しておいてください。

 さらに、12.次世代育成支援対策推進法、13.少子化社会対策基本法については、各法律を必ず一読しておいてください。今後の子ども家庭福祉に関する指針が示されています。

 14.売春防止法については、法律の目的や概要の整理とともに、婦人相談所、婦人保護施設、婦人相談員などについて理解しておく必要があります。

 第31回試験、第29回試験では、「母子及び父子並びに寡婦福祉法」について問われています。この他、第29回試験では、問題141の「児童扶養手当」の事例問題が該当します。また第28回試験では、「母子保健法(問題140)」について問われています。内容としては、母子保健法と児童福祉法で規定される相違点について問われています。また、第27回試験では、問題141で「特別児童手当等の支給に関する法律」について問われました。本法の対象は、障害児とは20歳未満と規定され、障害児に該当する障害等級は、障害の程度に応じて重度のものから1級および2級とし、各級の障害の状態は、政令で定められています。

(6)子ども家庭福祉制度における組織や団体、専門職の役割と実際
15.児童・家庭福祉制度における組織及び団体の役割と実際、16.児童・家庭福祉制度における専門職の役割と実際

 15.児童・家庭福祉制度における組織及び団体の役割と実際については、国の役割、市町村の役割、都道府県の役割、家庭裁判所の役割、民生委員と児童委員の役割、児童・家庭福祉制度における公私の役割関係についての理解が重要です。

 また、16.児童・家庭福祉制度における専門職の役割と実際については、保育士の役割、家庭支援専門相談員の役割についての理解が重要です。

 「連携」と「協働」の重要性は、保健医療分野、高齢者分野、障害者分野だけでなく、児童・家庭分野でも重要です。特に、虐待のケースなど、生活を支える保育士の発見によってケースが展開されることが多々あります。保育士単独、保育所単独で解決するのではなく、他の専門職や団体・組織が連携・協働し、介入して解決していきます。

 第31回試験では、「民法の規定に基づいて行われる養親となる者の請求により特別養子縁組を成立させることができる組織・機関の名称」を問う問題が出題されていますが、答えは、そう「家庭裁判所」ですね。手続きとしては、養親となる者が居住地の家庭裁判所に申立を行い、6か月以内に養育状況を踏まえ、審判により成立します。過去問をベースに確認しておきましょう。この他、第30回試験では、問題141で「児童委員の職務」が問われています。設問文の言葉を借りると、児童委員は、児童及び妊産婦について、生活や取り巻く環境の状況を把握することが職務といえます。こちらは、児童福祉法に規定されています。第29回試験では、問題142で「家庭支援専門相談員」について問われています。少しだけ解説しておくと、家庭支援専門相談員は、乳児院や児童養護施設、児童心理治療施設及び児童自立支援施設に配置されており、児童福祉施設で暮らす児童の家庭復帰の支援を行う専門相談員です。

(7)子ども家庭福祉制度における多職種協働
17.児童・家庭福祉制度における多職種連携、ネットワーキングと実際

 本項目では、児童・家庭福祉制度における多職種連携、ネットワーキングと実際に関して、医療関係者との連携、教育関係者との連携、労働施策関係者との連携などについて理解することが重要です。前項目(6)子ども・家庭福祉制度における組織や団体、専門職の役割と実際でも少しふれましたが、虐待のケースや複雑化する児童・家庭福祉問題において、単一の専門職だけで支援することは限界に達しています。そのため、複数の多職種が手を取り合い、ともに支援していくことが重要です。現在の保健医療福祉の支援モデルは、チームケアを基本としているため、多職種連携や協働、ネットワーキングなどは非常に重要な内容となってきます。また、イギリスなどでは、インタープロフェッショナルワークなどが推進され、過去の虐待事件などを教訓とした、多職種との連携と統合の重要性が叫ばれています。

(8)児童相談所
18.児童相談所の役割と実際

 本項目では、児童相談所の役割と実際についての理解が重要です。ここでは、概要のみを紹介したいと思います。

 まず、児童相談所の役割と機能についてまとめたいと思います。児童相談所は、都道府県と指定都市に設置義務があり、2006(平成18)年4月からは中核市など政令で定める市についても設置することができるようになりました。この場合、人口50万人に対して最低1か所程度の設置が適当とされています。また、2016年(平成28)年の児童福祉法改正で、政令で定める特別区は児童相談所を設置するものとなりました。次年度から、東京23区でも、各区に児童相談所が設置され始めます。2018(平成30)年4月現在、全国に212か所あります。

 児童相談所は、児童に関する家庭その他からの相談のうち、専門的な知識および技術を必要とするものに応じ、児童やその家庭に必要な調査並びに、医学的、心理学的、教育学的、社会学的および精神保健上の判定を行い、それに基づく指導を行うことを業務とする児童福祉行政機関で、児童福祉司をはじめ、児童心理司、医師、児童相談員、保育士などの専門職がチームで業務を行っています。体制としては、総務部門、相談・判定・指導・措置部門、一時保護部門の三部門制をとることになっており、外国人の児童も含むすべての児童を対象としています。

 児童相談所の援助を大別すると、2つの指導に分けることができます。それは、措置によらない指導と、措置による指導です。措置によらない指導とは、専門的な助言やカウンセリング、心理療法、ソーシャルワークなどを継続する継続指導、他の機関への斡旋といった指導のことをいいます。一方、措置による指導とは、児童福祉司による指導、児童委員による指導、児童家庭支援センターによる指導といった、児童福祉法第26条、第27条に基づく指導があります。

 以上、児童相談所は、児童分野における総合相談窓口ですので、十分な学習が必要です。曖昧な点や不明な点は、ワークブックや法律に立ち返って確認しておく必要があります。また、例えば虐待事例の場合、通報から立入調査、所内会議、措置決定までの一連の流れを確認しておくことも重要です。
 第28回試験、第27回試験では、事例問題で児童相談所の対応が問われています。過去問をベースに整理しておいてください。このほか、第25回試験では、児童家庭相談における児童相談所と町村の制度的関係に関する内容が問われました。

 以上が、「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」のポイントです。次回は、「就労支援サービス」の具体的な内容、ポイントについて解説していきます。

夏バテ注意!!夏の疲れが出る頃です

 皆さん、体調の方はいかがですか? 今年の夏は、長雨のあと、突然高温、暑い日が続きました。ただ、今年の夏は短く、ここ数日は、朝晩グッと涼しくなりました。ただ、日中は、残暑厳しく、1日の気温の変動も大きい季節です。体調管理が追いつかないですよね。

 国家試験勉強も、暑い日が続くと、集中するのが難しいですね。涼しい環境が整う方は、のんびり、ゆっくり、じっくり勉強に費やせるかと思いますが、暑い環境下では、なかなか勉強は進みませんね。

 試験勉強は、限られた時間の中で有効に学習することが重要ですが、勉強「時間」を決めて勉強するより、勉強「量」を優先して学習すると効率が上がります。多くの量をやらなくてもいいので、少量でも質を保ち、今この段階では、不明確な用語や制度などをまず整理することが重要です。その上で、問題にあたり、わかりにくい項目は解答解説のみでなく、ワークブックなどにあたって整理すると、知識が深まり、内容の理解も進みます。あと、日頃の生活や現場をもっている方、実習をされた方は、その実践を中心に必要な制度やソーシャルワークの技術等を整理していくと、多科目にわたって整理できます。

 それでは、暦の上では、秋。朝晩も本格的に涼しくなるこの時期から、国家試験勉強の後半戦です。この夏までに基礎を整理した上で、秋からは過去問題や模擬問題などの実践的が学習をはじめていきましょう。さて、後半戦。年末まで4か月、頑張りましょうね。年が明けると、ラスト1か月、まさにラストスパートとなります。
 最後の最後まで、一緒に頑張りましょう。

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