メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

露木先生の受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

第41回 クローズアップ~就労支援サービス

 今回は、「就労支援サービス」で特に理解しておくべきポイントについて解説します。ラストスパート、一緒に頑張りましょう。

「就労支援サービス」のポイントの振り返り

 本科目は、4問出題されます。全150問(点)中の4問(点)ですので、微力な感じがしますが、実はこの4点はとても大切だと思います。試験で多くの人が、「合格まであと1点足りなかった」「2点足りなかった」というケースで泣きます。そして、本科目は、次週解説する「更生保護制度」とともに、間違える人が多い科目です。内容的にはそれほど難しくはないので、用語の意味などをしっかりと押さえておけば十分に解答が可能な科目なのですが、意外と得点できない人が多いようです。こういったところをしっかりと得点できることが、合格のための重要な条件となってきます。取れるところはしっかりと取っておきましょう。

 さて、本科目の過去問をみてみますと、ほかの科目とも関連するため、併せて学習することが重要なことがわかります。特に、「就労支援(移行・継続)」「自立支援」「地域生活支援(共生社会の実現)」「就労定着」などの項目(キーワード)は、ほかの科目にも出てきます。ですから、そちらと関連づけながら学習することをおすすめいたします。特に、事例問題については、これらのキーワードが重要となります。本科目は、前述のとおり4問の出題ですが、近年の動向を見てみてみると、障害者や高齢者、生活保護受給者や生活困窮者といった対象に関する専門的な知識とともに、就労そのものに対する支援に関する問題も出題されるようになり、第30回試験も同様の傾向でした。

 このほか、過去の問題を分析してみると、労働力人口の定義や、労働法規における施策の対象者などについて問われ、また、労働基準法についても問われています。さらに、勤労そのものを規定する日本国憲法からの出題もありました。このように、「就労」や「働き」に関する幅広い知識が問われています。合わせて、現在、わが国では、仕事と生活のバランスを中心に、働き方の改革が進められていますので、そちらのチェックも必要でしょう。

障害者への就労支援サービス

障害者の雇用・就労

 本科目においては、障害者の雇用・就労についてよく理解しておくことが重要です。障害者の雇用・就労については、「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」から整理することができます。この法律は、障害者の雇用の促進と職業の安定を図ることを目的とし、(1)障害者雇用率制度、(2)障害者雇用納付金制度、(3)職業リハビリテーションの推進を中心とする施策を講じることなどを定めています。

 また、同法では、「障害者」を「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者」と規定しています。さらに、職業リハビリテーション機関では、発達障害者、難病患者、高次脳機能障害者についても支援の対象としています。

 (1)障害者雇用率制度とは、国・地方公共団体、民間企業は、障害者雇用促進法に定める法定雇用率に相当する数以上の身体障害者または知的障害者を雇用しなければならないことを定めた制度です。また、精神障害者は、雇用義務の対象ではありませんが、精神障害者保健福祉手帳所持者を雇用している場合には、雇用障害者数の算定対象に加えることができます。なお、2018(平成30)年4月からは、法定雇用率の算定基礎の対象に精神障害者が加えられています。また、法定雇用率についも、国・地方公共団体は2.3%、都道府県等の教育委員会は2.2%としています。民間企業の場合、一般の民間企業は2.0%、特殊法人等は2.3%となりました。また、(2)障害者雇用納付金制度については、法定雇用率未達成企業が不足する障害者一人に月額5万円を納付することとなっています。ここでは、合わせて「特例子会社」について整理しておいてください。

就労支援サービス・プログラム

 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)による就労支援サービス・プログラムを確認しておきましょう。本法では、自立支援給付の「訓練等給付」に位置付けられています。それによりますと、(1)就労移行支援事業、(2)−①就労継続支援A型事業(雇用型)、(2)−②就労継続支援B型事業(非雇用型)、(3)就労定着支援事業の3類型があります。

 少しだけ整理しておきますと、(1)就労移行支援事業は、就労を希望する障害者に対して、生産活動その他の活動の機会を提供し、就労に必要な知識・能力の向上のために必要な訓練などを行うものです。利用期間は2年間の標準利用期間のほか、6か月の職場定着支援があり、都道府県知事の許可によって最大1年間の利用延長が可能となっています。ここで重要なのは、「一般就労」に向けた作業や自習、職場開拓などを支援する点にあります。

 次に、(2)ー①②の就労継続支援事業(A型、B型)は、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者に対して、就労の機会を提供するとともに生産活動その他の活動の機会を提供し、知識や能力の向上のために必要な訓練などを行う施設です。これらについては、利用期間の制限はありません。

 最後に、(3)就労定着支援事業は、新しく始まった事業で、生活介護や自立訓練、就労移行支援(前述の(1))、の就労継続支援事業(A型、B型)(前述の(2)ー①②)を利用して一般就労した障害者を対象に、事業所の事業主、障害福祉サービス事業者、医療機関等との連絡調整、連携、雇用に伴い生じる 日常生活又は社会生活を営む上での各般の問題に関する相談、指導、助言等を行います。ちなみに、利用期間は3年間を標準利用期間としています。

表 就労支援における専門職の役割
職種 配置先 業務内容
サービス管理責任者 就労移行支援事業所
就労継続支援事業所
就労定着支援事業所
 ・個別支援計画の作成
 ・事業の統括
就労支援員 就労移行支援事業所
  •  ・サービス管理責任者を補佐
  •  ・個別支援計画に基づく実習や定着支援
  •  ・当事者と事業所、企業と家族との関係調整
就労定着支援員 就労定着支援事業所
  •  ・サービス管理責任者を補佐
  •  ・個別支援計画に基づく定着支援
  •  ・当事者と事業主、サービス実施事業所、医療機関、家族との関係調整
職業指導員 就労移行支援事業所
就労継続支援事業所
  •  ・サービス管理責任者を補佐
  •  ・サービス実施事業所での作業における職業指導の実施(個別支援計画に基づく)
  •  ・家族との関係調整
生活支援員 就労移行支援事業所
就労継続支援事業所
  •  ・サービス管理責任者を補佐
  •  ・サービス提供事業所での安定した就業生活の維持を図るとともに、地域生活移行に関する相談を実施
  •  ・必要なサービス利用の調整

公共職業安定所(ハローワーク)

 公共職業安定所(ハローワーク)は、厚生労働省設置法に基づいて、国が設置する労働行政機関であり、職業安定法において、雇用の安定を図るために必要な業務を行い、無料で公共に奉仕することとされています。また、ハローワークは、障害者の就労に関して、就職を希望する障害者の求職登録を行い、専門職員や職業相談員がケースワーク方式で、障害の種類・程度に応じた相談などを行っています。具体的には、(1)職業相談や職業紹介、(2)法定雇用率達成指導、(3)職場定着や継続雇用の支援、(4)関係機関との連携などを実施し、障害者の就労を支援しています。

 以上、「就労支援サービス」の解説でした。次回は、「クローズアップ~更生保護制度」です。

ラストスパート~最後の最後まで、一緒に頑張りましょうね!

 昨年4月より皆さんと一緒に歩んできた「露木先生の受験対策講座」も、国家試験まで残すところ、「第42回 クローズアップ~更生保護制度」に加え、「第43回 国家試験の心構え」の2回の講義となりました。

 1年前を思い出してみてください。皆さん、どんな気持ちでいましたか? よく「初心にかえることが大切だ」といいますが、試験を目前にして、初心の気持ちをもう一度思い出してほしいと思います。なぜ、皆さんにとって社会福祉士という資格がそんなに必要なのでしょうか? 大切なのでしょうか? 社会福祉士を取ろうと思ったきっかけは何だったでしょうか?

 国家資格は、自分自身の活動の幅を確実に広げてくれます。最後まで初心の気持ちを持ち続けながら駆け抜けてください。そして、最後まで諦めないでください。もうすでに「諦めた」なんて言葉を耳にしますが、最後の最後まで諦めないこと。試験が始まってもそうです。試験が終わるその瞬間まで、全力で、諦めることなく、がんばってください。

■お知らせ■
 本講座とは直接関係性はありませんが、私のメールマガジン【社会福祉士をめざす「露木先生の合格受験対策講座」】があります。こちらの講座では、勉強方法やマル秘話、独学や勉強時間がない方を対象に開講しています。また、9月からは「後期講座」もはじまっています。更新頻度は、月6回です。こちらもチェックしてみてください。
  • ※メルマガ【社会福祉士をめざす「露木先生の合格受験対策講座」】は、中央法規出版及び本講座「けあサポ」との関係はありません。そのため、本メルマガの問い合わせに関しては、中央法規出版では対応しておりません。