5分で学ぶ露木先生の合格ゼミ
ー社会福祉士受験対策講座

新年度のスタートに合わせて、露木先生の受験対策講座もリニューアルいたします。これから学習を始める方、苦手な科目を学びたい方、モチベーションを維持したい方にとって、スマホで手軽に、科目別のポイント解説をチェックすることができます。
社会福祉士国家試験を受験される方は、ぜひ、「露木ゼミ」をご活用ください!
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
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社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。
第30回 クローズアップ 〜社会保障
第30回「露木ゼミ」も、各科目で出題頻度が高かったり、重要となる項目をクローズアップして解説していきます。本日は、「社会保障」のクローズアップ解説です。
本科目について、苦手意識がある方もいらっしゃるかもしれませんが、社会保障の知識は社会福祉士にとって必須であり、また自身の生活を支える知識となります。
Lessen.1 本科目のポイントの振り返り
社会保障は、社会保険と社会扶助の2つに大別されますが、本科目では、特に前者の社会保険の種類をはじめ、それぞれの目的や対象、給付内容、財源構成などに基本的な事項について理解、整理することが重要です。また、事例問題については、例年7問中1~2問前後が出題されています。したがって、丸暗記をするというよりも、制度を利用できる応用力を養うことが必要です。
つまり、関連する知識を結び付ける能力が必要で、例えば、公的保険と民間保険の関係や、社会保険と社会扶助の関係などを整理しておく必要があります(事例問題として出題されなくても、社会保険の実際的な内容を問う問題が増えてきています)。
本科目の傾向としては、社会保険については、年金保険や医療保険、労働に関する保険について出題されています(このほか、社会保険には介護保険があります)。また、社会保障や社会保険制度を支える人口動態(少子高齢化や生産年齢人口の減少など)や、社会保障費といった財政(財源や給付など)についても整理しておきましょう。
まずは、過去3か年で出題されている項目から学習していきましょう。この科目は、用語が耳慣れないため取りかかりにくかったり、苦手意識をもっている受験者が多いようです。しかし、実は一度しっかりと用語を理解して構造を整理してしまうと、確実に得点ができる科目の一つです。
Lessen.2 年金保険
社会保険を学習する際は、保険料を支払い、保険事故が起きた際に給付を受ける「被保険者」と、保険料を徴収し、保険事故が起きた際に被保険者に保険給付を行う「保険者」を知ることから始まります。ちなみに、年金保険の場合は、第1号から第3号までの被保険者に分けられています。
表 各福祉計画の概要
第1号被保険者 | 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満で第2号、第3号被保険者に該当しない者 |
第2号被保険者 | 厚生年金保険者(共済組合含む)の被保険者 |
第3号被保険者 | 第2号被保険者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の者 |
日本国内に住所を有する20歳以上60歳位未満の者は全ての者が被保険者となる、つまり強制加入の制度となっています。
さて、公的年金とは、どのような保険なのか? それは、「(働けなくなり)生活費用に“困った”」時に生活費用を給付する仕組みで、①国民年金と②厚生年金に大別され、それぞれ(1)老齢、(2)障害、(3)遺族の3つの種類に分けられています。
次に、国民年金の受給用件や、保険料が支払えない場合の免除制度や納付猶予制度を整理してみましょう。
表 受給用件
年金の種類 | 受給用件等 |
(1)老齢基礎年金 |
受給資格期間:下記1〜3が10年以上ある者が65歳以上に達した時 1.保険納付期間済期間 2.免除期間 3.合算対象期間(カラ期間) |
(2)障害基礎年金 |
以下全て満たす場合
|
(3)遺族基礎年金 |
死亡した者の用件
|
表 免除制度
法定免除 | 申請免除 | |
対象 |
・障害基礎年金または障害厚生年金(1級または2級)の受給者 ・生活保護法による生活扶助受給者 ・国立ハンセン病療養所など厚生労働大臣の指定する施設の入所者 |
・低所得者については、申請により所得に御応じて保険料を免除する(4区分) >全額免除 >3/4免除 >1/2免除 >1/4免除 |
支給額 | 全額納付の2分の1 |
>全額免除→1/2 >3/4免除→5/8 >1/2免除→6/8 >1/4免除→7/8 |
表 納付猶予制度
保険料納付猶予制度 | 同居している世帯主の所得にかかわらず、20歳以上50歳未満の者で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合に、申請により保険料の納付が猶予される。 |
学生納付特例制度 | 20歳以上の学生で、本人の前年所得が一定額以下の場合に、申請により保険料の納付が猶予される。 |
Lessen.3 労働に関する保険
労働に関する保険については、①雇用保険制度と、②労働災害補償保険制度(労災)に大別されます。なお、保険者は①雇用保険/②労災ともに「国」となっています。保険料については、被保険者と事業主の折半(労使折半)となっています。ただし、雇用保険二事業の保険料は全額事業主負担となっています。
表 納付猶予制度
失業等給付 | 求職者給付 (基本手当など) |
就職促進給付 | |
教育訓練給付 | |
雇用継続給付 | |
育児休業給付 | |
雇用保険二事業 | 雇用安定事業 |
能力開発事情 |
うろ覚えの項目を確実にしましょう!
いよいよ、受験勉強の重要な時期になってきました。現時点では、問題を解いても、150点満点中、60点、70点という方も多いかと思います、しかし、間違えた箇所を一つひとつ丁寧に暗記して、それを積み上げていくことで、合格ラインの約90点へと達していきます。
試験まで残り約100日ですが、合格に十分な日数があります。今から、諦めてしまうことなく、一つひとつ積み上げていきましょう。
ここからの勉強で重要なことは、不確実なもの、うろ覚えの項目を確実に暗記することと、間違った内容を整理したうえで、繰り返し問題を解いて、問題慣れすることです。
合格点に不足している点数も、実は単純なミスだったり、文章をよく読めば得点ができたりするものが多く、解答解説を読んだりすると、「なんだ、簡単だ!」「なんだ、わかってたよ」ということが多いかもしれません。しかし、そういった知識は、覚えていないのではなくて、身についていないのです。身についていない知識は、国家試験当日に発揮することはできませんので、繰り返すこと、そして説明できるぐらいに頭の中で整理されていることが重要です。
それでは、朝晩冷えますので、体調を崩さないように。「国家試験勉強の秋」をエンジョイしましょうね。
次回は、「クローズアップ~障害者に対する支援と障害者自立支援制度」です。
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