5分で学ぶ露木先生の合格ゼミ
ー社会福祉士受験対策講座

新年度のスタートに合わせて、露木先生の受験対策講座もリニューアルいたします。これから学習を始める方、苦手な科目を学びたい方、モチベーションを維持したい方にとって、スマホで手軽に、科目別のポイント解説をチェックすることができます。
社会福祉士国家試験を受験される方は、ぜひ、「露木ゼミ」をご活用ください!
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
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社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。
第28回 クローズアップ 〜地域福祉の理論と方法
第28回「露木ゼミ」も、各科目で出題頻度が高かったり、重要となる項目をクローズアップして解説していきます。本日は、「地域福祉の理論と方法」のクローズアップ解説です。
Lessen.1 本科目のポイントの振り返り
本科目は、社会福祉法人や特定非営利活動法人をはじめ、社会福祉協議会とボランティア活動や組織などについて整理しておいてください。
特に、近年の社会福祉法の改正に伴い、社会福祉法人の抜本的な改革がありました。ここでは、社会福祉法人のあり方や組織や役員等の役割も大きく変わりました。必ずチェックしておいてください。
本科目との関連では、社会福祉法人の「地域における公益的な活動」もチェックしておきましょう。社会福祉法人は社会福祉事業を主たる事業とする非営利法人であり、制度や市場原理では満たされないニーズについても率先していく取り組みとして掲げられた新たな事業と言えます。
さらに、地域のネットワーキングを中心に、社会資源の活用・調整・開発、地域ケアシステムの構築方法の整理が必要です。また、福祉サービスの評価方法についても、社会福祉法に規定されているので確認しておいてください。
あと、「コミュニティケア」についても確認しておきましょう。具体的には、「地域包括ケアシステム」や「地域共生社会」です。これは、自分の生活する地域を自分たちの手でつくり、育て、保つことを前提とし、子育ても、高齢者の介護も、障害者の地域生活も、地域の治安や安全も、すべて地域の問題として捉え、地域住民みんなが取り組む課題として認識していくという考え方です。
Lessen.2 地域共生社会と地域包括ケアシステム
「地域福祉」という言葉は、適切な表現か分かりませんが、社会福祉分野におけるいわゆる“トレンド(流行・傾向)”といえます。高齢者、障害者、児童などすべての福祉が、地域による支え合いを前提として法整備をしています。
特に、現代の社会福祉においては、「コミュニティ」という概念が重視されており、また「コミュニティケア」という、地域住民の自治意識が重視されます。「コミュニティケア」とは、前述しましたが自分の生活する地域を自分たちの手でつくり、育て、保つことを前提とし、子育ても、高齢者の介護も、障害者の地域生活も、地域の治安や安全も、すべて地域が抱える問題として捉え、地域住民みんなが取組む課題として認識していくという考え方です。
また、個人の住み慣れた地域で生活していくためのサポートを、「自助」「互助」「共助」「公助」といったフェーズ整理しています。
表 地域福祉の変遷
年代 | 地域社会 | その特徴 | サポートの型 |
1950年以前 | 伝統的地域社会 | いわゆる村落共同体で、相互扶助に重きが置かれ、密接なつながりがある反面、閉鎖的で、自由や自立を拘束するという側面をもつ特徴があります。 | 互助 |
1950年代 〜1970年代頃 |
現代都市社会 | 伝統的地域社会の崩壊を意味し、地域のしがらみから個人を解放したところに特徴があります。しかしその反面、地域の人々の結びつきは希薄になり、孤独な社会となって、問題が潜在化する傾向にあります。例えば、孤独死や家庭内暴力(DV)、児童虐待、貧困などの問題が、社会へと顕在化されることなく家族内の問題とされる傾向があります。 | 自助 公助 |
1970年代以降 | コミュニティ |
現代都市社会のマイナス面を受け、伝統的地域社会への回帰ではなく、個人の自由を前提とし、新たな地域で人間関係や相互扶助を模索する理念として捉えられています。 →地域包括ケアシステム →地域共生社会 |
互助 補完する形で、自助・共助・公助 |
表 地域共生社会と地域包括ケアシステム
地域共生社会 | 地域包括ケアシステム |
制度や分野ごとの「縦割り」と、「支え手・受け手」という関係を超えた、地域住民や地域の多様な主体が参画し、世代や分野を超えて繋がることで、一人ひとりの暮らしと生きがい、地域を共に作っていく体制 →相談のワンストップ化 →住民意識の変革(地域の問題を我ごととして捉える意識) |
おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域において、地域の特性や個々人のニーズに応じて、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域の体制 →自助・互助・共助・公助 |
Lessen.3 民生委員
民生委員は、社会奉仕の精神を持って、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行うことにより、社会福祉の増進に努める役割を担っています(民生委員法)。また、民生委員は、児童委員(児童福祉法)を兼務することとなっており、非常勤特別職の地方公務員とみなされ、守秘義務が課されています。
表 民生委員制度の変遷
1917年 | 岡山 済生顧問制度:地域の貧民の相談による防貧対策 |
1918年 | 大阪 方面委員制度 |
1936年 | 方面委員令 |
1946年 | 方面委員から民生委員へ改称 *市町村長の補助機関 |
1948年 | 民生委員法制定 民生委員は、1950年に制定され生活保護法上の協力機関と位置づけられた。 |
2000年 | 民生委員法改正 |
表 民生委員の概要(根拠法は民生委員法)
待遇 | 非常勤特別職の地方公務員 給与は支給されず、活動費のみ支給される |
選任 |
①市町村に設置される民生委員推薦会の選考し、 ②都道府県知事への推薦 ③都道府県知事は、地方社会福祉審議会の意見を踏まえて、 ④厚生労働大臣に推薦 ⑤厚生労働大臣からの委嘱 |
定数/区域 | 【定数】 ①厚生労働大臣の定める基準を参酌し、 ②都道府県知事が市区町村の区域ごとに、 ③市町村長の意見を聞いて、 ④都道府県の条例で定める 【区域】 市町村の区域内で、担当の区域や事項を定めて職務を行う |
任期 | 3年(再任可能) |
主な職務 | ・住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておく ・援助を必要とする者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行う など |
秋の深まり
徐々に秋が深まっててきました(いや、急に?)。秋は夏に比べると、少し落ち着いて物事を考えたり、読み物をじっくり読んだりできる時期です。
皆さんも、ぜひ、この過ごしやすい秋の時間を大切にしてください。これから寒くなりますと、朝晩の勉強がつらくなります。長期予報では、今年の冬は「寒い」ようです。寒くなると、何事も億劫になりますよね。過ごしやすい今の季節のうちに、試験勉強もどんどん進めておきましょうね。
季節の変わり目ですので、皆さん、体調管理を万全に、ご自愛ください。
次回は、「クローズアップ~福祉行財政と福祉計画」です。
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