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5分で学ぶ露木先生の合格ゼミ
ー社会福祉士受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

 新年度のスタートに合わせて、露木先生の受験対策講座もリニューアルいたします。これから学習を始める方、苦手な科目を学びたい方、モチベーションを維持したい方にとって、スマホで手軽に、科目別のポイント解説をチェックすることができます。
 社会福祉士国家試験を受験される方は、ぜひ、「露木ゼミ」をご活用ください!

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

第24回 クローズアップ 〜人体の構造と機能及び疾病

 さて、今回から各科目で出題頻度が高かったり、重要となる項目をクローズアップ解説していきたいと思います。暦の上では、すでに「秋」。秋の勉強法は、夏の基礎確立期から実践期(模擬問題や模擬試験など)へと移行していきます。

 もう一段ギアチェンジして、本格的な受験モードになる時期ですね。

今日のレッスン

Lessen.1 本科目のポイントの振り返り

 本科目のポイントを振り返ってみると、本科目は、近年の傾向として出題基準に則って、広域にバランスよく出題されています。また、各論というよりも概論について問われる傾向があります。

 このことから、本科目の攻略法は、やはり基礎をしっかりと暗記しておくことです。試験に出題されるか、出題されないかは別な問題として、各器官や臓器の名称、部位、機能や役割を理解しておくことが非常に重要です。ワークブック合格テキストなどを参考に、疾患の特徴や後遺障害などを関連づけて学習すると効果的です。

 疾患や障害などの医学一般の知識を問う問題としては、高齢者に多い疾患やその病態、身体や精神の発達とその障害などが出題されています。また、成人疾患と人体部位に関する問題や運動器における疾患、糖尿病認知症など、知識を問う問題も出題されています。

 健康の定義や、ICF(生活機能分類)、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)、主な難病などの基礎的な知識を問う問題も出題されています。

 以上を踏まえ、疾患の理解としては、難病や生活習慣病、がん(悪性新生物)、脳血管疾患(脳卒中)、心疾患などについて、特にしっかりと学習しておくことが重要です。

 また、障害の理解では、身体障害(内部障害含む。)をはじめ、知的障害精神障害(発達障害)高次脳機能障害といった障害の特徴内容についても学習しておいてください。


Lessen.2 生活習慣病とがん(悪性新生物)

 日本の死亡原因の上位にある悪性新生物(がん)や心疾患、脳卒中の因子となる生活習慣病について整理しておきましょう。

 生活習慣病とは、偏った食生活やストレス、喫煙や飲酒、運動不足などの生活習慣が原因で発症する疾患のことであり、食生活が原因とされる代表的なもの(疾患)として、糖尿病(2型)や肥満、高血圧脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症などがあります。このほか、心臓病や大腸がん、歯周病などの疾患も挙げられます。

 また、生活習慣そのものに加えて、遺伝的な要因も関与すると言われています。日本では、この生活習慣病予防に対して、特定健康診査をとおして、予備群として「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」を定義しています。

メタボリックシンドロームの診断基準

必須事項 内臓脂肪蓄積 ウエスト周囲経
男性:85センチ以上
女性:90センチ以上
選択項目
(2つ以上が合併)
血清脂質異常 中性脂肪値:150mg/dL以上
低HLDコレストロール値:40mg/dL未満
(どちらか、または両方)
血圧高値 収縮期血圧(最高血圧):130mmHg以上
拡張期血圧(最低血圧):85mmHg以上
(どちらか、または両方)
高血糖 空腹時血糖:110mg/dL以上

 なお、予備軍となった場合は、特定保健指導を受けることで、健康意識を高める取り組みをしています。

 ここでも、生活習慣病と関わりの深い「がん(悪性新生物)」についても整理しておきます。がん(悪性新生物)は、2021(令和3)年の日本における死亡者数は約38万人で、死亡総数に占める割合は約3割(26.5%)で、死亡率(人口10万対)は310.7であり、前年同様、日本人の死因の第1位です。また、新たにがんと診断された罹患数は約100万人で、生涯のうち約2人に1人ががんになると推計されています。

 年代別に見てみると、働く世代の死因の約4割ががんであり、小児の病死原因では改善傾向にありますが、それでも死亡原因の上位にあります(厚生労働省・人口動態統計)。

 これは、少子高齢化社会にある我が国にとって深刻な問題であることがわかります。一方で、我が国が取り組んできた「対がん10カ年総合戦略」や「がん対策基本法」などの成果として、がん患者全体の5年生存率は改善傾向にあります。さらに、がんにおける緩和ケアは、診断がついた当初から全人的苦痛を視野に入れたアプローチが重要とされており、鎮痛薬や抗不安薬の投与をはじめ、本人や家族を含めた精神的なサポート、社会的な苦痛に対しては社会資源の活用が重要となります。ここで言う「全人的苦痛」とは、〈身体的苦痛〉〈社会的苦痛〉〈精神的苦痛〉〈霊的(スピリチュアル苦痛)〉を指しています。

Lessen.3 糖尿病

 糖尿病も、生活習慣病の関連疾患の一つです。糖尿病とは、膵臓のランゲルハウス島β細胞から分泌されるインスリンの不足、筋肉・脂肪・膵臓でインスリン作用不足などにより、高血糖状態になる疾患です。

糖尿病の概要

診断 血糖値とともに、ヘモグロビンA1cで診断 初期は無症状であることが多い
種類 1型糖尿病 肥満とは関係なく、自己免疫や遺伝的要素が発症要因で、インスリン分泌障害。比較的若年に多い。
2型糖尿病 生活習慣病(肥満など)の関与が強く、過食などの環境要因と、遺伝的要素が関連して発症する。
比較的壮年期や高齢期に多い。
症状 ①口渇、②多飲、③多尿、④体重の減少
合併症 糖尿病性網膜症 視力障害、失明
糖尿病性腎症 腎不全 人工(血液)透析の導入
※透析導入理由の1位
糖尿病性神経障害 足の痺れや疼痛、壊疽、切断
治療法 ①食事療法、②運動療法、③薬物療法 ※この組み合わせ

Lessen.4 認知症

 認知症は、一度獲得した知能(知的機能)が、後天的な器質的原因により低下した状態を言います。認知症の診断は、(1)臨床症状、(2)CTなどによる脳の萎縮、(3)長谷川式認知症スケール(HDS-R)などの質問紙によって鑑定します。認知症の原因疾患としては、アルツハイマー病が最も多く全体の半数を占め、次に脳血管疾患と続きます。この他、レビー小体型認知症やピック病などがあります。

代表的な認知症の原因疾患とその症状

疾患名 症状や特徴
アルツハイマー型認知症 【特徴】全般的認知症脳全体の萎縮
【年齢・性差】70歳以上に好発。女性に起きやすい
【原因】加齢に伴う特殊な タンパク質異常
【症状】見当識、記銘力・記憶力障害などすべての能力が低下する、落ち着きがなく、多弁、本人に病識がないなど
【感情面】平板化(喜怒哀楽が乏しくなる)
脳血管性認知症
(血管性認知症)
【特徴】まだら認知症
【年齢・性差】50歳以降、加齢と共に増加。男性に多い
【原因】脳卒中(脳血管疾患)血流量の低下など
【症状】・記憶力障害はみられるが、判断や理解は保たれる、本人に病識がある
【感情面】易変性(感情失禁)
レビー小体型認知症 ■レビー小体が大脳皮質にまで現れた状態
パーキンソン症状、現実的で繰り返される幻視体験
■中核症状:①認知機能の変動、②幻視、③パーキンソンニズム、④レム睡眠行動障害のうち2つ以上
ピック病
前頭側頭型認知症
■前頭葉と側頭葉に限定した脳の萎縮
人格変化反社会的行動
■40~60歳で発症
クロイツフェル・ヤコブ病 ■プリオンたんぱくが関係
急速に進行し、発症から6〜12か月で死亡
■記憶障害、視覚異常、抑うつ
■50~70歳代に多い(男女差なし)

 認知症の症状は、中核症状と行動・心理症状に分けられ、中核症状は、脳の認知機能が障害されることによって生じる症状で、記憶障害や見当識障害が挙げられます。一方、行動・心理症状は、不安や抑うつ、幻覚・妄想、徘徊などが挙げられ、BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia(行動・心理症状)と言われることもあります。

認知症の中核症状とBPSD(行動・心理症状)

季節の変わり目、体調管理が大切。

 いよいよ夏も終わり、季節は秋ですね。そろそろ本格的に受験の準備を始める時期となりました。本講座での各科目の解説も、今回から二巡目となりました。科目ごとに出題の可能性が高い項目を中心に、解説していきたいと思います。

 あと、まだ過去の問題を見たことがない方、解いたことがない方は、一度目を通しておいてください

 夏の疲れが溜まっているかた、残っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。季節の変わり目ですので、体調など崩さないように、お気をつけください。

 最後になりましたが、社会福祉士の受験登録(出願)が始まりました。個人で受験される方は必要な書類などがありますので、ぎりぎりでなく、早めに手続き、出願をしておくといいと思います。

 次回は、「クローズアップ~心理学理論と心理的支援」です。

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