5分で学ぶ露木先生の合格ゼミ
ー社会福祉士受験対策講座

新年度のスタートに合わせて、露木先生の受験対策講座もリニューアルいたします。これから学習を始める方、苦手な科目を学びたい方、モチベーションを維持したい方にとって、スマホで手軽に、科目別のポイント解説をチェックすることができます。
社会福祉士国家試験を受験される方は、ぜひ、「露木ゼミ」をご活用ください!
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
-
社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。
第17回 「相談援助の理論と方法(その1)」の重要ポイント
第17回「露木ゼミ」も、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示す出題基準に即した内容を中心に、「相談援助の理論と方法」の具体的な内容、ポイントについて今回と次回の2回に分けて解説したいと思います。
Lessen.1 出題基準(出題分野)と過去3か年の出題傾向の分析
本科目は、全150問中21問出題されています。なお、第35回試験では事例問題は8問出題されています。本科目は、前回解説した「相談援助の基盤と専門職(7問)」とセットの科目といえます(合計で「28問」出題)。
出題内容としては、システム理論を用いた「人と環境の交互作用」理論からはじまり、様々な実践モデルやアプローチ、相談援助プロセス、ケースマネジメントやグループワークなどが問われています。このほか、記録やスーパービジョン、ネットワーキングについては出題頻度が高い項目です。これに、権利擁護活動を含む相談援助に関する実践的な事例問題などが出題されています。
攻略法としては、まずは、過去問で問われている項目や用語からしっかりマスターしていきましょう。過去問で基礎が抑えられた方は、模擬問題集や模擬試験などを活用して、さらに新たな問題に当たっておくと良いでしょう。
出題傾向【 】内は問題番号
第35回試験 | 第34回試験 | 第33回試験 | |
人と環境の交互作用 | 【98】 | 【98】 | 【98】【99】【100】 |
相談援助の対象 | |||
様々な実践モデルとアプローチ | 【99】【100】 | 【99】【100】 | 【101】【103】【106】 |
相談援助の過程 | 【101】【102】【103】 | 【101】【102】【103】【104】 | 【102】【105】【110】 |
相談援助における援助関係 | 【104】 | 【116】 | |
相談援助のための面接技術 | 【105】【106】【107】【108】 | 【101】【108】 | 【108】【109】 |
ケースマネジメントとケアマネジメント | 【109】 | 【111】 | |
アウトリーチ | 【109】 | ||
相談援助における社会資源の活用・調整・開発 | 【106】【110】 | 【107】 | |
ネットワーキング | 【110】 | 【117】 | 【112】【118】 |
集団を活用した相談援助 | 【111】【112】 | 【111】【112】 | 【113】 |
スーパービジョン | 【113】 | 【113】 | 【114】 |
記録 | 【114】【115】 | 【114】 | 【115】 |
相談援助と個人情報の保護の意義と留意点 | 【115】 | 【116】 | |
相談援助における情報通信技術(IT)の活用 | |||
事例分析 | 【107】 | ||
相談援助の実際 | 【116】【117】【118】 | 【117】【118】 | 【117】 |
Lessen.2 人と環境の交互作用
ソーシャルワークの歴史は、この「人(個人)」と「環境(社会環境)」をどのように捉えるかの歴史ともいえます。リッチモンド以来、ソーシャルワーク研究において、「人(個人)」をどのように理解し規定するのか、また、「環境(社会環境)」をどのように理解し規定していくのか、さらに、「人」と「環境」をどのように捉え結びつけていくのかなどの議論が繰り返されてきました。
時には、「環境面」や「社会面」などの貧困問題を忘れたソーシャルワークと皮肉を言われることもありました。
その後、1950年代後半以降、問題の所在を「人(個人)」や「環境(社会環境)」のみに焦点を当てるのではなく、「人」と「環境」を一つのシステムで理解すればよいという新しい考え方が急速に広がっていきました。つまり、「人」と「環境」のように二元化して捉えるのではなく、「人」と「環境」を一つのシステムに内包することで一元化して捉えるようになりました。
その後も、ソーシャルワークの統合化や生態学の影響を受け、現代の「人」と「環境」の交互作用面に介入するソーシャルワーク援助が一般化されていきました。
人と環境の交互作用

ここでは、「人」と「環境」をシステムとして「人・環境」として一体化することで、「人」と「環境」の間には「関係性」にとどまらず、強固な、切っても切り離せない「相互作用」が生まれます。
よって、人と環境との交互作用モデルでは、支援の際、「人」を「その人を取り巻く環境」から取り除くことはしません。
アセスメントの際に、エコマップやジェノグラムを作成するのも、人と環境を一体的に捉えるからこそのアセスメントツールとなります。そして、システム全体に介入するということは、①人への支援、②環境への支援、③相互作用面への支援といった三つの支援・視点が必要となります。また、この時、「人」と「環境」の問題点の列挙ではなく、それぞれの強みや独自性、個性といった「ストレングス」に着目し、それを支援に生かすことも特徴となります。
Lessen.3 相談援助の過程(援助プロセス)
ここでは、各段階について細かく取り扱いませんが、一つひとつの項目に関してはよく理解しておきましょう。同時に、ソーシャルワークは、このような過程を経て終結へと進んでいくことを理解しておいてください。
そして、各段階は、前後の段階と相互に関連し合っていることも理解しておいてください。また、この援助プロセスには、常にクライエントが主体となっています。つまり、物理的に同席しているかは別として、常にクライエントと共に行われているということです。
本項目では、各過程における基礎から留意点が事例問題で出題されています。過去問を中心に、各段階の基礎や基本的な事項を踏まえ、事例を介した応用学習をしておきましょう。
相談援助の過程(援助プロセス)

基礎づくりの「夏」
暑い日が続きますね。水分補給に栄養のバランスのとれた食事、睡眠や休息をしっかりとって、この夏を乗り越えましょうね。受験生にとって、この夏は、基礎をしっかり固める重要な時期です。この夏の基礎作りが秋からの応用へと繋がっていきます。
秋以降の学習は、テキストをじっくり読んで理解する学習法から、問題にあたり不足する知識や関連する知識をどんどん実践していくことになります。そこで、夏は、基礎を繰り返して、基礎づくりをしていくことが重要です。
具体的には、不確実な用語や項目、制度などにじっくり取り組んでみましょう。基礎段階の勉強は、地味ですし、成果に出にくいので、「いや」になってしまったり、「飽きて」しまったりするかもしれませんが、この地道な学習が後半の受験勉強、そして受験当日に必ずあなたを助けてくれます。
最後の最後まで、一緒に頑張りましょうね。
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