5分で学ぶ露木先生の合格ゼミ
ー社会福祉士受験対策講座

新年度のスタートに合わせて、露木先生の受験対策講座もリニューアルいたします。これから学習を始める方、苦手な科目を学びたい方、モチベーションを維持したい方にとって、スマホで手軽に、科目別のポイント解説をチェックすることができます。
社会福祉士国家試験を受験される方は、ぜひ、「露木ゼミ」をご活用ください!
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
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社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。
第15回 「社会調査の基礎」の重要ポイント
第15回「露木ゼミ」も、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示す出題基準に即した内容を中心に、「社会調査の基礎」の具体的な内容、ポイントについて解説していきたいと思います。
今回から、いよいよ「専門科目(午後の部)」の8科目です。それでは、「社会調査の基礎」のポイント解説を始めましょう。
- 今日のレッスン
Lessen.1 出題基準(出題分野)と過去3か年の出題傾向の分析
本科目は、全150問中7問出題されています。第35回試験では事例問題は出題されませんでした。本科目は、内容としては、(1)社会調査の基礎に関する問題や統計法(社会調査の基礎)、(2)量的調査、(3)質的調査に関する問題の3項目で構成され、この3項目から満遍なく出題されています。
具体的には、(1)社会調査の基礎や概論から1~2問、(2)量的調査の内容から3~4問、(3)質的調査の内容から1~2問といったような配分で出題されています。
攻略法としては、「調査」特有の用語になれるところからはじめます。まずは、過去問で取り上げられている内容や用語から整理していきましょう。最初は聞きなれない、やや難解な用語のように感じるかもしれませんが、一度覚えてしまえばそれほど難しいものではありません。
出題傾向【 】内は問題番号
第35回試験 | 第34回試験 | 第33回試験 | |
社会調査の意義と目的 | 【84】 | 【84】 | |
統計法 | 【85】 | 【85】 | |
社会調査における倫理 | 【84】 | ||
社会調査における個人情報保護 | |||
量的調査の方法 | 【86】【87】【88】 | 【85】【86】【87】【88】 | 【86】【87】【88】 |
質的調査の方法 | 【89】【90】 | 【89】【90】 | 【89】【90】 |
社会調査の実施に当たってのITの活用方法 |
Lessen.2 量的調査と質的調査
まずは、出題基準にもあります「量的調査」と「質的調査」について整理したいと思います。量的調査はデータを数値化、数量化するのに対して、質的調査はデータを文章化する特徴があります。また、量的調査は「数値化できる客観的なデータを収集し、全体的な性質を統計学的に探ろうとする調査」なのに対し、質的調査は「数値に還元できない、言語で記述された質的なデータの分析を通して、現象(現状や課題)の記述や仮説、モデル生成を目指す調査」と言えます。
よって、どちらの調査が優れているというものではなく、研究の目的に合わせてこれらの調査を選択したり、組み合わせたりします。
ここでは、本科目の学習の際、ご自身がどの領域や範囲の学習をしているのかを確認するための表を整理したいと思います。具体的には、①データをどのように収集するのか(データ収集方法)、②データをどのように分析・解析するのか(データ分析・解析方法)についてみてみましょう。
ご自身が、(A)〜(D)のどの範囲を学習しているのかを確認しながら学習するといいでしょう。
量的・質的調査とデータの収集法・分析法
①データの集積(収集法) | → | ②データの解析(分析法) | |
量的調査 | (A) ・ 質問紙 |
数値化 | (C) ・統計(SPSSなどの統計ソフト) |
質的調査 |
(B) ・ 面接法 ・ 観察法 |
文章化 |
(D) ・KJ法 ・GTA法(グラウンデッドセオリーアプローチ) |
Lessen.3 全数(悉皆)調査と標本(部分)調査
本項目は、量的調査に関する知識となります。量的な調査は、対象者全員からデータを得ることで、そのデータから調査対象の集団の特性を統計学的に探るものと言えます。よって、対象者全員からデータを得ることでより精度の高い情報を得ることが可能となります。
全数調査とは、対象となる集団(これを「母集団」と言います)の全員を対象として実施する調査のことです。一方、標本調査とは、母集団からその代表となる標本(サンプル)を取り出して実施する調査のことです。よって、標本調査の場合は、母集団からその代表をどのように抽出(選出)するのかといった、標本抽出方法が重要となります。その方法は、①確立標本抽出と、②非確率標本抽出に大別されます。
さらに、対象者全員に聞いた時のデータ(全数調査)と、その代表である標本に聞いた時のデータ(標本調査)のデータの差が生じますが、この差を「標本誤差」といいます。
全数調査と標本調査
内 容 | 調 査 |
全数(悉皆)調査 | 母集団全てのデータを集める調査 |
標本(部分)調査 | 母集団から一部(標本)を取り出して行う調査 ・標本抽出法 ・標本誤差 |
Lessen.4 横断調査と縦断調査
対象群(母集団)に対して、ある時点1回のみ実施して、さまざまな種類のデータをとる「横断調査」と、同一の母集団や個人に対して、時間的な間隔をあけて複数回データをとる「縦断調査」があります。
横断調査と縦断調査
横断調査 |
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縦断調査 |
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パネル調査 |
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コーホート調査 |
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トレンド調査 |
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横断調査は、時間変化による対象の変化といった因果関係は見出しにくい特徴があり、一方、縦断調査は、同一の母集団(対象)に時間をかけて繰り返し行う調査であるため、横断調査よりもデータからの因果関係を見出しやすい特徴があります。
夏を制するものは受験を制する!?
7月になり、夏本番です。春の頃、「夏から受験勉強を本格的に始めるぞ」と心に決めていた人も多いのではないでしょうか? その「夏」になりました。
国家試験勉強は、個人差がありますが、例年の合格者を見てみると、夏から秋までに基本的な用語を押さえ、秋以降は過去問題集や模擬問題集などを解き、さらなる知識の補充、詳細項目の検討に入っている人が多いです。このことから、夏の終わりの9月までには、福祉に関連する基礎や基本的な項目、用語は習得しておく必要があります。
試験間近になると、心も頭も焦りを感じ、落ち着いて細かな内容を整理したり、全体を俯瞰して関係性を整理したりすることが困難になってきます。今、余裕があるうちに少し腰を据えて取り組んでみましょう。
具体的な勉強法については、特集号の「特集③ 効果バツグン!夏の勉強法」を参考にしてみてください。タイプ別の勉強法について、私が解説しています。
受験生の間で語り継がれる言葉で、「夏を制するものは、受験を制する」という言葉があります。この夏の時期に基礎をしっかり作り、秋からの受験勉強に備えておきましょう。まだ、この時点で、本年度の試験を「記念受験」にするのは早すぎますよ。
最後の最後まで、一緒に頑張りましょうね。暑い日が続きますので、お体を大切に。
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