5分で学ぶ露木先生の合格ゼミ
ー社会福祉士受験対策講座

新年度のスタートに合わせて、露木先生の受験対策講座もリニューアルいたします。これから学習を始める方、苦手な科目を学びたい方、モチベーションを維持したい方にとって、スマホで手軽に、科目別のポイント解説をチェックすることができます。
社会福祉士国家試験を受験される方は、ぜひ、「露木ゼミ」をご活用ください!
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
-
社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。
第12回「低所得者に対する支援と生活保護制度」の重要ポイント
第12回「露木ゼミ」も、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示す出題基準に即した内容を中心に、「低所得者の支援と生活保護制度」の具体的な内容、ポイントについて解説していきたいと思います。
中だるみの6月…。一方で、やることなどが溜まり、それに追われている方も多いのではないでしょうか。学生の皆さんは期末レポートや期末試験、通信制の皆さんはレポート課題など、やることがいっぱいだと思います。
一つひとつ着実に片付けていけば、必ず終わります(当たり前のことなのですが)。まずは、目の前の課題から一つひとつ取り組んでみましょう。
合わせて、疲れが溜まりやすい時期ですので、意識的に「食事(栄養)」「適度な運動」「睡眠(休息)」をしっかりとりましょうね。それでは、本日は、「低所得者に対する支援と生活保護制度」のポイント解説です。
Lessen.1 出題基準(出題分野)と過去3か年の出題傾向の分析
本科目は、ソーシャルワークの環境を理解する科目と言え、全150問中7問出題されています。なお、第35回試験では事例問題が1問(問題69)出題されています。
本科目の出題基準は10項目ですが、出題の頻度が高いのは、「2.生活保護制度」です。本日、取り上げる生活保護の原理・原則や8つの扶助の種類や内容、生活保護の権利と義務、生活保護制度における専門職の役割などが問われています。合わせて、低所得者に対する支援として、生活困窮者自立支援制度や生活福祉資金貸付制度などが問われています。
攻略法としては、過去問で出題された内容をベースに、不確実や不明な用語を確実に学習することです。また、低所得者や貧困などの一般的な知識や動向については理解しておく必要があります。
出題傾向
第35回試験 | 第34回試験 | 第33回試験 | |
低所得階層の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉需要と実際 | 【63】 | 【63】 | |
生活保護制度 | 【64】【65】【66】 | 【63】【64】【65】【66】【67】【68】 | 【64】【65】【66】 |
生活保護制度における組織及び団体の役割と実際 | |||
生活保護制度における専門職の役割と実際 | 【67】【68】 | ||
生活保護制度における多職種連携、ネットワーキングと実際 | |||
福祉事務所の役割と実際 | |||
自立支援プログラムの意義と実際 | |||
低所得者対策 | 【67】【68】 | 【69】 | 【69】 |
低所得者への住宅政策 | 【69】 | ||
ホームレス対策 |
Lessen.2 生活保護の原理・原則
生活保護法第1条には、生活保護法の目的が謳われています。それによると、「日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」とあります。では、日本国憲法第25条とは何かというと、これは国民の生存権として、国がこれを保障することを謳ったもので、生存権保障を意味しています。
日本国憲法第25条第1項では、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とし、同条第2項では、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」としています。この条項を具体化するために誕生したのが、この現行の生活保護法です。
つまり、生活保護法の目的は、①国民の生存権保障、②自立の助長の2つの意味合いをもっていることになります。これは、「健康で文化的な最低限度の生活」を「国」が保障することであり、生活保護を受給する状態になった人々も、再び自立(自活)した生活が送れるように自立支援をすることです。
生活保護の原理・原則
【生活保護の原理】
- □国家責任の原理(法第1条):国による国民の生存権保障/自立の助長
- □無差別平等の原理(法第2条):困窮に至った原因や社会的身分、信条など
- □最低生活の原理(法第3条):健康で文化的な生活水準
- □保護の補足性の原理(法第4条):資産能力の活用、他法他施策の活用(優先)
【生活保護の原則】
- □申請保護の原則(法第7条):申請に基づき開始(急迫する場合は除く)
- □基準及び程度の原則(法第8条):厚生労働大臣の定める基準
- □必要即応の原則(法第9条):個人・世帯の実際の必要の相違を考慮
- □世帯単位の原則(法第10条):世帯単位(例外あり)
Lessen.3 生活保護の種類 〜8つの扶助
生活保護では、以下8つの扶助を世帯や状況などに応じて、必要な扶助を単体、もしくは組み合わせて給付しています。1つの扶助だけを受ける場合を「単給」といい、複数の扶助を合わせて受ける場合を「併給」といいます。
また、給付方法として、現金で支給される場合などを「金銭給付」といい、サービスなどで支給される場合を「現物給付」といいます。医療扶助や介護扶助は、基本的に「現物給付」となっています。
生活保護の種類 〜8つの扶助
扶助種類 | 給付 | 内容 | その他の事項 |
生活扶助 | 金銭 |
日常生活費
|
世帯単位の原則 |
教育扶助 | 金銭 | 義務教育にかかる費用 | 生活扶助と同時支給を原則 |
住宅扶助 | 金銭 |
家賃などにかかる経費
|
生活扶助と同時支給を原則 |
医療扶助 | 現物 | 医療にかかる費用 | 生活保護法による指定医療機関の利用が原則 |
介護扶助 | 現物 | 介護にかかる費用 | 生活保護法による指定介護機関の利用が原則 |
出産扶助 | 金銭 | 子どもを出産する費用 | |
生業扶助 | 金銭 |
職業訓練など仕事にかかる費用
|
自立の助長(生活保護法第1条の目的) |
葬祭扶助 | 金銭 | 葬式にかかる費用 | 葬祭を行う者に支給 |
スランプ(伸び悩み)の6月
国家試験勉強を始めている方も多いと思います。4月からスタートした方は、約3か月が経ちますね。過去問を解いたり、テキストを読んだりと勉強を進めていらっしゃると思いますが、自分の覚えの悪さやできなさに「ガッカリした」という方もいらっしゃるのではないでしょうか? けれども、やっているからこそ「できないこと」に気がつけるのです。やっていない人は「できているか」「できていないか」さえわからない状態なのです。
そして、勉強を始めて3か月目ぐらいに一度、スランプというか、延びが止まって不調期になるものです(伸び悩み)。今、スランプという方は、確実に成長していると証といえます(「やっていない人」にスランプはありません)。このスランプで諦めてしまわず、続けていってほしいと思います。
継続が必ず力となります。今の地道な努力や基礎が、必ず国家試験当日に役に立ち、発揮されます。最後の最後まで、一緒に頑張りましょう!
次回は、「保健医療サービス」の具体的な内容、ポイントについて解説していきます。
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