5分で学ぶ露木先生の合格ゼミ
ー社会福祉士受験対策講座

新年度のスタートに合わせて、露木先生の受験対策講座もリニューアルいたします。これから学習を始める方、苦手な科目を学びたい方、モチベーションを維持したい方にとって、スマホで手軽に、科目別のポイント解説をチェックすることができます。
社会福祉士国家試験を受験される方は、ぜひ、「露木ゼミ」をご活用ください!
- プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)
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社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。
第7回「現代社会と福祉」の重要ポイント
第7回「露木ゼミ」も、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示す出題基準に即した内容を中心に、「現代社会と福祉」の具体的な内容、ポイントについて解説していきたいと思います。
5月、新緑の季節。青い空、緑の大地を見ていると、身体の内面から力が湧いてくるようです。「五月病」なんて言葉がありますが、疲れたときは無理せず休んだり、愚痴ったりすることも大切です。そして、そんなときは、大きな空、海や山を眺めてみると、その深刻さが少しだけ軽減されます。
「どうしようもない」ことは「どうにもならない」ので、焦らず、ゆっくりと向き合っていけばいいと思います。少し時間を置くだけで、見えてくるものは違ってくるものです。
それでは、「現代社会と福祉」のポイント解説を始めます。
Lessen.1 出題基準(出題分野)と過去3か年の出題傾向の分析
現代社会と福祉については、前回「社会学と社会システム」同様に、環境を理解する科目と言え、全150問中10問出題されています。
受験生の声としては、前回「社会学と社会システム」と並んで、本科目も苦手意識をもっている人が多い科目の一つです。「社会理論と社会システム」も本科目も、まずは専門用語をきちんと理解したうえで、着実に整理しながら学習することが大切です。そうすることで、自然と力が身につき、得点力が上がっていく科目だと思います。
また、本科目では、新しい制度や政策についてしっかりと学習することで、さらなる得点が見込めます。まずは、専門用語の整理からじっくりと始めていきましょう。
出題傾向 【 】内は問題番号
第35回試験 | 第34回試験 | 第33回試験 | |
現代社会における福祉制度と福祉政策 | 【22】【24】 | 【22】【23】 | 【22】 |
福祉の原理をめぐる理論と哲学 | 【23】 | 【24】 | |
福祉制度の発展過程 | 【25】【26】 | 【25】 | 【23】【24】【25】 |
福祉政策におけるニーズと資源 | |||
福祉政策の課題 | 【28】【29】 | 【26】【27】 | 【27】【28】 |
福祉政策の構成要素 | 【27】【30】 | 【28】【29】【30】 | 【29】 |
福祉政策と関連政策 | 【31】 | 【【31】 | 【30】【31】 |
相談援助活動と福祉政策の関係 | |||
出題の傾向としては、歴史的な変遷や内容からはじまり、福祉政策の課題や現代における福祉制度や福祉政策に関する内容を問う問題が多く出題されています。現在、社会や政治に関するニュースでも、貧困・所得格差や景気・雇用対策、税と社会保障制度、社会福祉に関する議論が盛んに行われており、社会福祉士にとって必須の知識と言えそうです。
このほか、在留外国人や外国人材、性的マイノリティやSDGsに関する問題、人口(少子高齢化、人口減少)、地域格差(過疎化、限界集落)、女性や子どもの地位や権利(人権と国際条約)の問題、虐待や暴力に関する問題、教育政策や教育問題なども、現代社会を理解するために必要な知識となります。
Lessen.2 社会福祉の変遷
社会福祉の変遷としては、慈善事業からはじまり、社会事業、厚生事業を経て、戦後に制度化されます。また、1950年からの約50年に福祉は、表の通り「対象者」「措置」「処遇」を前提とした受動的なものでした。しかし、1990年代の社会福祉基礎構造改革を経て、2000年以降の福祉は、「利用者」「契約」「サービス」を前提とする能動的なものへと変化してきました。そして、現代の福祉は、「地域福祉」の時代へと変化しています。
社会福祉の変遷

ここでは、社会福祉法をはじめ、日本国憲法第25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」について整理しておきましょう、また、契約時代の現代の社会福祉では、成年後見制度も重要ですね。
Lessen.3 貧困
ここでは、貧困に関するいつくかの用語を整理します。
貧困に関する用語の整理
ジニ係数 | 貧困の格差を表す指標で「0から1」で示される。最も不平等で所得額差が大きいとき「1」に近づき、最も平等で所得格差が小さいとき「0」となる。0.5を超える場合、政策による是正が必要となる(再分配)。 |
完全失業率 |
労働人口に占める完全失業者の割合。 完全失業者とは、①仕事がなくて少しも仕事をしなかった(就業者ではない)、②仕事があればすぐ就くことができる、③仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む) 、以上の3つの条件を満たす者のこと。 |
相対的貧困率 | 等価可処分所得の中央値の50%未満(国民一人ひとりを所得順に並べた時、真ん中に当たる人の所得の半分に満たない)の所得者が全人口に占める割合。 |
このほか、貧困に関連する福祉の原理をめぐる哲学(人名とその業績)について、少し紹介しておきます。
まず、ロールズです。ロールズは、所与の制約条件下で、最も不遇な人々の期待を最大限に高めることを目的とする格差原理と呼ばれる配分原理を提案しています。なお、ベーシックインカム(構想)とは、全ての人に無条件で一定額の基本所得を支給するものです。
次に、リスターです。リスターは、車輪になぞられて、経済的貧困と関係的・象徴的側面との関係を論じています。
このほか、絶対的貧困と相対的貧困です。絶対的貧困とは、基本的な身体的ニーズを満たすのに十分な貨幣の欠如を意味し、相対的貧困とは、その所属する社会生活に必要な条件や快適さをもったりするために必要な資源を欠いている状況と定義しています。
以上、現代社会と福祉のポイント解説でした。次回は、「地域福祉の理論と方法」のポイントを解説します。
これから来る6月は梅雨の時期ですので、ジメジメと、悶々と、何となく気分が乗りませんね。目立った連休もなく、体も心も疲れぎみ。4月に立てた目標や、それを実現するためのモチベーションも、徐々に忘れ、中だるみの季節ではないでしょうか?
そんな時は無理をせず、自宅でも、自宅の近所でも、気分転換できる手軽な場所で、リセットしてみてはいかがでしょうか?
例えば、ゆっくり自分のためにコーヒーや紅茶を入れて、10分でも、30分でも何も考えずにのんびりしてみるとか。人間の脳はよくできていて、気持ち、気分一つで、行動も見えてくる世界も全然違ってきます。
それでは、Have a break!! Have a good time!!
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