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5分で学ぶ露木先生の合格ゼミ
ー社会福祉士受験対策講座

露木 信介(つゆき しんすけ)

 新年度のスタートに合わせて、露木先生の受験対策講座もリニューアルいたします。これから学習を始める方、苦手な科目を学びたい方、モチベーションを維持したい方にとって、スマホで手軽に、科目別のポイント解説をチェックすることができます。
 社会福祉士国家試験を受験される方は、ぜひ、「露木ゼミ」をご活用ください!

プロフィール露木 信介(つゆき しんすけ)

社会福祉士(認定社会福祉士・医療分野、認定医療社会福祉士)、社会福祉学修士。
 現在、東京学芸大学教育学部ソーシャルワークコースで教員をするとともに、他大学や他専門学校での非常勤講師、現場におけるスーパービジョンや職員研修などを行っている。大学教員になる前は、病院でチーフ・ソーシャルワーカーとして管理業務や相談業務を行っていた。
 受験関係では、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士等の養成講座の講師、受験テキストや模擬試験問題の作成、受験対策講座の講師などを行っている。

第3回 社会福祉士国家試験について知ろう
〜第35回国家試験の振り返り

 第3回「露木ゼミ」では、まず、社会福祉士国家試験を知ることから始めたいと思います。その上で、第35回社会福祉士国家試験について簡単におさらいをしましょう。早い段階から、国家試験の概要を理解しておくことは、合格への近道です。

今日のレッスン

Lessen.1 社会福祉士国家試験の概要

 社会福祉士の国家試験は2月上旬(例年、第一週目)の日曜日、1日間で実施されます。午前の試験時間は、10時から12時15分までの135分(2時間15分)/午後の試験時間は13時45分~15時30分までの105分(1時間45分)で、午前の部は「共通科目(精神保健福祉士との共通)」の11科目(83問)午後の部は「専門科目」の8科目(67問)、合計19科目の150問で構成されています。

 また、解答方法は、記述式の五者択一/二(正しいものを1つまたは2つ選ぶ)となっています。 なお、合格基準として全19科目(18科目群)の各科目群で点数があることが条件なので、この18科目群の中で1科目群でも0点があると不合格になってしまいます。

 このことからも、全科目を万遍なく学習する必要があります。ただし、得意、不得意は主観的な(「自分が苦手だ」と思い込んでいる)ところも多く、科目の先入観を取払って、真っ新な気持ち・頭で取り組んでみると、「苦手だと思っていた科目が、得意科目や得点できる科目に変化」することもあります。

社会福祉士国家試験の概要を理解しよう! 〜その1

合格結果

第35回試験 第34回試験 第33回試験 平均
合格率 44.2% 31.1% 29.3% 34.9%
合格点 90点 105点 93点 97点

 過去3年の試験結果を見てみると、合格率の平均は34.9%で、三人に一人が合格するという、非常に厳しい試験であることがわかります。つまり、「まぐれ」で合格できる試験ではなく、日頃からの学習の積み重ねが重要であることがわかります。

 また、合格点は6割の90点を超える平均点となっています。このことから、まずは6割を目指すということ、次に「1点でも、2点でも」多く取ること、さらに解ける問題を落とすといった、「ケアレスミス」をしないことが合格の秘訣となりそうです。


Lessen.2 第35回試験の分析と勉強法

 第35回試験については、合格率44.2%で、総得点150点に対し、得点90点以上の者(総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正した。配点は1問1点) を合格としています。このことから、難易度としては平均的な内容と言えそうです。実際には、100点を超えた受験生も多かったようです。

 内容について少し分析してみると、問題自体は、「(過去の問題をベースとした)基本的な内容を問う問題」を中心に、「現代の社会問題や福祉に関する知識」が問われ、全体的な印象としては、過去問題や基礎知識をベースに、関連する新たな知識や、それを活かす応用力が必要な試験内容(問題)でした。
 このことから、過去の問題とその設問文から芋づる式に関連知識をきちんと学習していれば解答できる内容でした。つまり、基本をきちんと押さえておくことで確実に得点できる試験内容といえます。

 近年の国家試験の出題傾向としては、過去問題で取り扱われた内容や各科目の重要項目や基礎的な項目が出題されており、また統計や制度なども出題の頻度が高いです。
 よって、具体的な勉強法としては、やはり基礎固めが重要であることがわかります。この基礎固めは、夏までにしっかりしておくと後半の学習がぐっと楽になります。

 まずは、過去問題で出てくるキーワード、重要項目の内容を一つひとつ整理しておきましょう。この地道な積み重ねが得点へとつながり、合格ラインへと引き上げていきます。
 一方、各科目で新たに問われた項目もありました。しかし、多少、用語や法律・通知、人名などがわからなくても、設問文をしっかり読み、その内容や時代背景、福祉の変遷や動向などをしっかり捉えることで、正答までたどり着ける問題が多くありました。

 そういった意味では、一つひとつの設問の誤りを指摘できる力が必要でしたので、項目に対する関連知識が必要となります。このように、社会福祉士・精神保健福祉士の試験では、福祉の動向や変遷などをきちんと理解しておくことが重要であることがわかります。

 最後に、近年、重視される「各科目における事例問題」について整理しておきましょう。

事例問題の出題傾向(一部)

科目(一部) 第35回試験 第34回試験 第33回試験
福祉行財政と福祉計画 (事例問題としての出題はなし) 福祉計画の策定過程 福祉計画の策定過程
低所得者に対する支援と生活保護制度 生活困窮者を対象とした自立相談支援機関の相談支援員の対応 就労と収入認定等に関する説明
現業員による支援
保護申請時に行う説明
現業員の他機関連携による支援
保健医療サービス 医療ソーシャルワーカーの妊婦への支援 医療ソーシャルワーカーの対応 医療ソーシャルワーカーの対応
相談援助の基盤と専門職 障害者支援施設の生活支援員の支援方針の見直し
ピンカスとミナハンのチェンジ・エージェント・システムが抱える課題
病院の医療ソーシャルワーカーのソーシャルワーク実践
生活困窮者を対象とした自立相談支援機関の相談支援員の対応
母子生活支援施設の母子支援員の対応
多職種連携の観点からの地域包括支援センターの社会福祉士の対応
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 里親養育包括支援機関の相談員の対応 ほか ヤングケアラーへのスクールソーシャルワーカーの対応 ほか 配偶者暴力相談支援センター相談員の対応 ほか

 特に、ソーシャルワークの実践に関連するすべての科目で事例問題が出題されています。この他、基本的な知識をもとに、実例やそれを応用する形で出題されているものもあります。

事例問題を解くコツ

①設問文から「何を問われているのか」を読み解く
②事例から設問文で問われている内容に関する【キーワード】を見つける
③そのキーワードと関連する[知識や技術、制度や政策、価値や倫理]を引き出す

 事例問題の学習のポイントとしては、①設問文から「何を問われているのか」を読み解く、②事例から設問文で問われている内容に関する【キーワード】を見つける、③そのキーワードと関連する[知識や技術、制度や政策、価値や倫理]を引き出すといったポイントを押さえることが大切です。

 そのためには、まず過去問題で出題されている事例問題から、キーワードを整理し、そのキーワードに関連する知識や技術、制度や政策、価値や倫理について、合格テキストなどを活用して学習しておくようにしましょう。

Lessen.3 「合格する人は、天才ではなく、行動する(できる)人」

 合格した人、成功する人は、行動する(できる)人です。

 つまり、成功する(合格する)人は、天才ではなく、行動ができる人です。そして、秀才とは目標や夢に向かって、着実に行動できる人です。秀才とは、辞書では「人より秀でる」とありますが、「秀でる」とは「頭がいい」のではなく、人より少し「行動ができる」「夢を信じ続けることができる」ということです。

 国家試験の勉強は、一日で形になることはなく、学習の成果も視覚的には見えにくいものです。そのため、自分がやっていることが「本当に正しいのか」「これでよいのか」と不安に思うかもしれません。ただ、この不安は、皆がもつもので、新しいチャレンジをする人は、必ず最初に遭遇する感情です。

 私も、今から約20年数前に国家試験を受験しましたが、とても不安でしたし、とても孤独でした。でも、やればやっただけの結果が必ず出ます!それは、最終的には視覚的にもわかる「合格」という2文字に変わります。

 さて、みなさんは、「合格する人」ですので、まず週一回の「露木ゼミ」で各科目の基礎的な内容を整理すると共に、過去問題などを利用して、夏までに基礎となる用語を整理、暗記しておきましょう。
 それでは、次回から各科目の解説へと入っていきます。まずは、「人体の構造と機能及び疾病」科目です。

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