張先生の受験対策講座

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。
- プロフィール張 百々代(はり ももよ)
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精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。
第43回 直前の心得② 「試験直前の過ごし方と試験当日の心構え」
皆さん、こんにちは。いよいよ本試験を直前に控え、緊張でいっぱいだと思います。今まで積み重ねてきた自分の力を信じてその実力を思う存分発揮していけるように、今回は試験直前の過ごし方と試験当日の心構えについてお話しします。
平常心で
精神保健福祉士国家試験は、専門科目が2月4日(土)、共通科目が2月5日(日)に実施されることになっています。新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行という厳しい状況の中での受験で、落ち着かない日々を過ごしておられることと思いますが、このようなときこそ平常心で最高のパフォーマンスができるよう取り組んでいきましょう。
持ち物の準備
受験票、筆記用具等の最低必要な物をもう一度確認しておきましょう。また、試験会場で目を通すことのできる「総まとめの資料」を1つ用意すると、試験までの時間を有効に使えるでしょう。いろいろと持って行きたくなるかもしれませんが、重い本や分厚い本は荷物になるだけですべて目を通す時間はありません。暗記用にまとめた手軽なものを持って行くのがよいでしょう。
寒さ対策
会場ではコロナ対策のため、一定の間隔をあけて座ることになるでしょう。また、換気が行われることになっていますから、寒さ対策はしっかりしておきましょう。なるべく暖かい服装をして、カイロなどの暖房用品を活用することをおすすめします。
温かい飲み物も、体が温まり精神的にもリラックスできますから準備しておきましょう。会場に到着するまでも寒さが厳しいと思いますので、十分対策をしておきたいものです。
エネルギーの補給
試験を受けるのはとてもエネルギーを使います。大脳の働きには、甘いものがとても有効で、エネルギーの補給にもなります。チョコレートや、空気の乾燥やのどの痛み対策としてのど飴などがあると安心できるでしょう。また、ナッツやドライフルーツ類もエネルギー源としておすすめです。
前日の心得
試験の前日はゆっくり過ごしてください。心配で資料を見直し始めると、すべて見直さなければ気が済まなくなり、睡眠不足になるおそれがあります。資料はざっと見直す程度にして、いつもより早めに就寝するようにしましょう。
当日は長時間集中力を維持し、全力を出し切らなければなりません。そのためにも睡眠は十分とっておいてください。
すぐ眠りにつけなくても、布団に入って目を閉じるだけで次の日の体力の備えになります。なかなか寝つけないときは、自分が一番リラックスできる音楽を聴いたり、心が安定する自然の風景やイメージを思い浮かべたりしながら深呼吸をすると、眠りにつきやすいでしょう。
当日の食事
当日は、胃がもたれるものより、消化のよいものを食べるのがよいでしょう。また、飲み物も試験会場に近いコンビニは混雑し、売り切れてしまうおそれがありますので、ポットに入れて持って行くか、あらかじめ自分の家の近くのお店で買っておくことをおすすめします。
時間は余裕をもって
交通機関の遅れなどに対応できるよう、また、余裕をもって試験の開始に臨めるよう、早めに会場に到着できる計画を立てておきましょう。特に、今回は試験会場に着いてから全員が検温することになっています。自分の席に着くまで通常以上に時間を要しますので、十分に余裕をもっていくことをおすすめします。
また、手指の消毒などのため、トイレも混雑が予想されます。会場に到着して自分の席を確認したら、早めにトイレを済ませておきましょう。
周りを気にしない
受験会場に着くと受験生の多さに圧倒されて、周りの人が全員、自分より頭がよく見えてくるものです。その人たちも皆同じように感じているでしょう。席に着いたら周りに気をとられず、試験直前まで気持ちを集中させていきましょう。
ストレッチと深呼吸
当日は、緊張して身体の筋肉が硬くなっているかもしれません。周りの迷惑にならない程度に両手を上げて背筋を伸ばし、ゆっくり深呼吸をしてみましょう。それが終わったらそのまま両手を左右に交互に傾けて身体の左右の側面を伸ばしたり、両手を後ろで組んでゆっくり胸を反らしたりしてみましょう。
深呼吸は3秒ほどかけてゆっくり息を吸い、できるだけゆっくり息を吐きます。深呼吸することだけに集中するので他のことが気にならなくなることと、脳に作用して神経を落ち着かせる効果があります。ストレッチと深呼吸は血液の循環をよくするので、リラックスできるでしょう。
アクシデント対策
もし試験中に何らかのアクシデントや困ったことが起きたら、遠慮せずに手を上げて試験官に合図をし、希望を伝えたり、指示を受けたりするようにしましょう。
問題だけに集中
試験が始まると、周りの人がページをめくる音が聞こえてきます。自分より早く問題を進めている人がいると気になり、焦ってしまうかもしれません。しかし、試験が開始したら周りのことは気にせず、問題だけに集中しましょう。制限時間内に正確に解答を導き出せば合格できますから、問題を解くスピードを人と比較する必要はありません。
難問に惑わされない
試験では難問と呼ばれる問題もあります。そういう問題にはとらわれないで、できる問題を確実に点にしていってください。聞いたことのない人物名や薬の名前等が問題に出てくると焦ってしまうかもしれませんが、落ち着いて問題全体を読むと、基礎的な知識で答えられるヒントが隠れています。問題の意図を的確に把握し、スピードと確実性の両面に気をつけて、今までの努力の成果を十分に発揮してください。
時間配分
問題を解くときは時間配分に気をつけましょう。難問に時間をとられて、できるはずの問題を解く時間がなかったということのないようにすることが大切です。科目によって難易度にばらつきがあるかもしれませんが、全科目に得点することと、基本的な問題は確実に正解することが合格の秘訣です。
ケアレスミスをなくす
試験では、実力があるのに緊張のあまり思ってもいないようなケアレスミスをしてしまうおそれがあります。ケアレスミスをなくすためには、落ち着いて問題文を読み、問題で問われていることを的確に把握して、解答を導き出すことが大切になります。
問題には必ずテーマがあり、そのテーマについて正確な知識があるかを問われるので、そのテーマに関してしっかりと把握していれば、問題の意図を素早く見抜くことができます。問題の意図や内容を読み間違えてしまうことのないように、問題文のキーワードにアンダーラインを引くなどの方法があります。そうすることでポイントを素早く整理して、勘違いや不注意によるミスを極力なくしていくことができるでしょう。
また、選択肢2つを選びなさいという問題文を見逃してしまい、1つしか選ばなかったという声をよく聞きます。選択肢2つという問題文には鉛筆で印をして、間違えのないようにしましょう。
見直しで気をつけること
もし時間があれば、もう一度マークシートを確認することも有効です。ただ、見直して書き直した解答が間違えていて、最初に書いたほうが正解だったという場合が多いので気をつけましょう。記憶が曖昧な場合、自分の解答に不安が残って書き直してしまい、結局間違えるというパターンです。
一概には言えませんが、迷ったときは理屈では説明できなくても、案外、勘で答えたほうが正解であることが多いのです。いずれにせよ、できる問題を不注意によって落とすことのないように、落ち着いて解答を導き出すようにしましょう。
また、基本的なことですが、マークシートの塗りつぶす番号が絶対にずれないように気をつけてください。鉛筆や紙を当てるなど工夫をするとよいでしょう。
最後まで落ち着いて
試験開始から一定の時間が経つと試験会場から退出することができますので、早く退出する人が出てきます。「自分はまだ全部解き終わっていないのに」と焦ってしまうかもしれません。しかし、決められた時間内に解けばよいのですから、チャイムが鳴るまで1秒も無駄にせずにしっかりと取り組んでください。
気持ちの切り替え
専門科目の試験が終わったら素早く気持ちを切り替えて、その日の疲れを取り除いて、次の日の共通科目の試験に備えましょう。専門科目の結果が気になるでしょうが、それに気分的にひきずられないよう、答え合わせはしないようにして、体力と気力を十分に蓄えて翌日に備えましょう。
共通科目は、科目数が多く試験時間も長時間に及びます。宿泊する人もいると思いますが、しっかり食事をとって、お風呂に入り、心も体もリラックスして早めに就寝しましょう。
できるところで確実に得点する
共通科目は苦手意識をもっている方が多いと思いますが、難問に出会ったらとりあえずわかる範囲で解答に印をしておき、あとで見直すという方法をとるとよいでしょう。今までの知識を総動員して、1点でも多く確実に得点していきましょう。
今までの努力を信じよう
いかがでしたか。本試験は今までの努力の集大成になりますね。今までの自分の頑張りを信じて自信をもって臨んでください。学習の成果を最大限に発揮して合格を勝ち取れるよう、皆さんのご健闘を心から応援しています。頑張ってください!
次回は、第26回試験の出題内容について分析をしていきます。
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