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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第24回「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」

 皆さんこんにちは。今回は「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」を取り上げます。精神障害者を支援するための援助の理論は、精神保健福祉士として実践現場で求められる知識ですから、分野ごとに整理しながら確実に学習しておきましょう。

 では最初に、前回の課題の解説をしておきます。

第24回精神保健福祉士国家試験「精神保健福祉相談援助の基盤」

問題27 就労移行支援事業を利用していたFさんは、運送会社の配送準備業務に従事し3週間が経過した。ある日、仕事帰りに事業所に立ち寄り、担当であるG精神保健福祉士に、「ミスしないようにと考えすぎなのか緊張が続き、疲れが取れません。これからも頑張っていきますが、紙に書いて丁寧に指示するという就職前の約束が実行されないので、困っています」と話した。G精神保健福祉士は話を整理し、「私の方から人事担当者に改めて話します」と答えた。
次のうち、G精神保健福祉士の対応の基となる考え方として、適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 社会モデル
  • 2 クラブハウスモデル
  • 3 社会的目標モデル
  • 4 医療モデル
  • 5 相互作用モデル
正答1

解答解説

    • 1 〇 社会モデルとは、障害者が受ける社会的な制約や困難は、障害者を取り囲んでいる社会や環境によって生まれるという考え方である。紙に書いて丁寧に説明するというFさんとの約束が守られなかったため、G精神保健福祉士が人事担当者に話をして環境を調整していくのは、社会モデルに該当する。
    • 2 × クラブハウスモデルは、1940年代にニューヨークでのファウンテンハウスの自助活動を源流に発展したもので、ハウスの運営をメンバーとスタッフが対等の立場で協働して行うことを特徴とする。メンバーの自己効力感を高め、自信を培い、過度的就労を経て一般就労につなげていく。
    • 3 × 社会的目標モデルとは、民主主義社会にふさわしい考え方や市民としての行動様式、社会的責任という価値観を、グループ活動を通して習得し、個人の成長を図り、社会的に望ましい目的を達成することを目指すモデルである。
    • 4 × 医療モデルとは、障害を治療の対象として捉える考え方で、障害者の生活課題は障害や疾病自体がもたらしていると考え、原因である障害や疾病を治療し、症状を回復させることによって、障害者の生活課題を解決しようとするモデルである。
    • 5 × 相互作用モデルは、人間と社会の関係は共生的な相互依存関係にあるとし、この相互作用を用いて、グループ活動の中でメンバーの成長を促すことを目的としており、媒介モデルとも呼ばれる。

 いかがでしたか。この科目では、相談援助の対象・価値・倫理・意義や、実践の場で活用すべき諸制度と関連専門職等についても理解を深めておきましょう。

 では「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」を取り上げていきます。この科目では、精神科リハビリテーション、ケースワーク、グループワークの特質と、それぞれの展開過程、スーパービジョンとコンサルテーション、地域移行支援、ケアマネジメント、ネットワーキング等、幅広い分野の援助技術についての学習が求められます。今回は、ケースワークの相談援助過程における各段階と留意点について取り上げていきたいと思います。


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