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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

特集⑤合格者に聞く!私が受かった勉強法 社会 精神 介護

第22回 「精神保健の課題と支援」

WHOの取り組み

 WHO(World Health Organization:世界保健機関)では、WHO憲章の制定、疾病の診断基準であるICDの作成、ICIDH(国際障害分類)とICF(国際生活機能分類)の作成、オタワ憲章の採択、メンタルヘルスアトラスプロジェクト、メンタルヘルスギャップアクションプログラム、アルコールの有害な使用を提言するための世界戦略などを採択しています。

WHO

 WHOは、1946年にニューヨークで開かれた国際保健会議が採択した世界保健憲章(1948年4月7日発効)によって設立されました。世界保健憲章は第1条で、「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的に掲げています。

ICD

 WHOは、診断基準としてICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems:国際疾病分類)を定めています。ICDとは、WHOが作成する国際的に統一した基準で定められた死因および疾病の分類のことです。

 わが国では、統計法に基づく統計基準としてICDを使用し、公的統計(人口動態統計等)においても適用しています。また、医学的分類として医療機関における診療録の管理等にも広く活用されているものです。

 ICDが約30年ぶりに改訂され、「ICD-11」が2019年5月にWHOの総会で承認されました。正式に発効したのは、2022年1月です。わが国では現在、ICD-11に準拠した「疾病、傷害及び死因の統計分類」の使用に向けて、告示改正のための準備と調整等を進めている段階です。

 ICD-11では、最新の知見をふまえて分類の名称や内容などが変更されました。

 例えば、ICD-10では主に広汎性発達障害(Pervasive developmental disorders)の下位分類として小児自閉症や非定型自閉症、アスペルガー症候群がありましたが、ICD-11では自閉スペクトラム症(Autism spectrum disorder)という分類になりました。

 また、嗜癖行動による障害の中に、新たにゲーム症/ゲーム障害が含まれました。

 性別に対する違和感等は、ICD-10では性同一性障害として「精神および行動の障害」に分類されていましたが、ICD-11では性別不合という名称で「性の健康に関連する状態」の中に位置付けられました。

DSM-5

 DSMは、アメリカ精神医学会(APA)によって作成されています。ICDがすべての病気を対象としているのに対して、DSMは精神疾患だけを対象として分類しています。現在はDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)が最新版として使用されています。

 DSM-4-TRまでは多軸診断システムを使用していましたが、DSM-5ではこの多軸診断が廃止され、新たにディメンション診断すなわち多元的診断が採用されています。ディメンション診断とは、各精神疾患をスペクトラムとして捉え、重症度によって分類する方法です。スペクトラムとは連続体という意味で、それぞれの疾患や障害を疾患群、障害群として分類し、その疾患や障害の程度に応じて下位分類をしていくという考え方です。

わが国での使用

 上記のように、疾患に関する国際的な診断基準にはICDとDSMがありますが、日本の医療機関や行政機関で、健康状態や病気、けがなどの診断や分類、統計などに使用されているのはICDです。精神疾患については診断が難しいこともあり、ICDやDSMの両者の記述を参考にして診断が下されることもあります。

ICD WHOによる診断基準。すべての疾患が対象
日本では統計法に基づく統計基準としても使用
DSM アメリカ精神医学会による診断基準。精神疾患だけが対象

ICIDH

 WHOは、1980年にICDの補助としてICIDH(International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps:国際障害分類)を作成しました。

 ICIDHは、「機能・形態障害」を一次的障害、「能力障害」を二次的障害、「社会的不利」を三次的障害として捉え、疾患や障害を原因として能力障害や社会的不利を引き起こすというように障害を因果関係によって直線的に捉える分類でした。

ICF

 ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)は、WHOがICIDHに代わるものとして2001年に採択したものです。

 ICFは、人間の生活機能と障害の相互関係に焦点を当てた分類です。人間の生活全体を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」という三次元で捉え、これらが「背景因子」である「環境因子」と「個人因子」との相互作用によって変化すると捉えて分類しています。

ICIDH 障害を因果関係によって直線的に捉える分類
ICF 人間の生活全体を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」という三次元で捉え、環境因子と個人因子の相互作用を重視する分類

アルマ・アタ宣言

 アルマ・アタ宣言は、WHOとUNICEFが主催した第1回プライマリヘルスケアに関する国際会議で採択された宣言です。世界中のすべての人々の健康を守り促進するため、世界全体で至急のアクションをとる必要性を強調したものです。

 すべての人にとって健康を基本的な人権として認め、それを達成するために地域住民を主体として、問題を住民たちの力で平等に解決していくことを目指しています。特に先進国と発展途上国の間に健康における大きな格差があることを指摘し、その格差を縮小するための基本的な重要事項をあげています。

オタワ憲章

 オタワ憲章は、WHOが1986年にカナダの首都オタワで開催した第1回世界ヘルスプロモーション会議で採択されました。この憲章で、ヘルスプロモーションとは「人々が自らの健康をコントロールし、改善できるようにするプロセスである」と定義されました。

 健康は生きる目的ではなくて毎日の生活のための資源であること、単なる肉体的な能力以上の積極的な概念であることなどが示されています。ヘルスプロモーションは、「健康的な公共政策づくり」「健康を支援する環境づくり」「地域活動の強化」「個人技術の強化」「ヘルスサービスの方向転換」を柱としています。

アルマ・アタ宣言 プライマリヘルスケアを提唱
オタワ憲章 ヘルスプロモーションを提唱


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