張先生の受験対策講座

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。
- プロフィール張 百々代(はり ももよ)
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精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。
第22回 「精神保健の課題と支援」
皆さんこんにちは。そろそろ8月も終わりとなります。まだまだ暑さが残りますが、健康に留意しながら、学習の手ごたえを感じ取っていってください。
今回は「精神保健の課題と支援」を取り上げます。この科目は、精神保健の様々な分野における法律や制度が出題されますので、専門科目の中でも苦手な受験生が多いのではないでしょうか。ただ、出題される項目はある程度決まっていますので、頻出分野に気をつけて学習しておくことで十分対応できます。ではまず前回の課題の解説をしていきましょう。
- 第24回精神保健福祉士国家試験「精神疾患とその治療」
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問題6 次の記述のうち、予後がよいと推測される統合失調症の特徴として、適切なものを2つ選びなさい。
- 1 解体型の病型である。
- 2 緩徐に発症する。
- 3 若年で発症する。
- 4 発症に明らかな誘因がある。
- 5 発症してから未治療の期間が短い。
- 正答4、5
- 1 × 解体型は若年での発病が多く、発症初期には感情の平板化、感情鈍麻等の陰性症状がみられ、一般的に予後が悪いといわれています。解体型の「解体」とは、思考や人格のまとまりがなくなることで、会話や言動が支離滅裂になるという特徴があげられます。
- 2 × 一般的に発症が急激であるほど予後はよく、緩徐な発症であるほど予後が悪いとされています。
- 3 × 若年発症ほど、予後が悪いとされています。これは、脳の脆弱性が原因である可能性が高いからだと考えられています。
- 4 〇 発症に具体的で明らかな誘因がある場合は、予後がよいとされています。発症について具体的誘因があるということは、脳の脆弱性の影響はそれほど大きくはないと考えられるためです。
- 5 〇 発症から受診までの未治療期間が短いほど予後はよく、長いほど予後は悪いとされています。統合失調症の治療臨界期は、一般的に発症から約5年といわれており、この間に脆弱性を原因とする種々の症状が現れ、病状が進むためであると考えられています。
解答解説
いかがでしたか。では「精神保健の課題と支援」を解説していきます。この科目は、ライフサイクルと精神の健康、ストレス対策、自殺予防、いじめや不登校、児童虐待・障害者虐待・高齢者虐待、配偶者間暴力、アルコール問題、職場におけるメンタルヘルス、認知症対策、災害時の精神保健等、範囲が広いので各分野を十分把握しておきましょう。
今回は、世界の精神保健に関するWHOの取り組みについて解説していきます。
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