張先生の受験対策講座

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。
- プロフィール張 百々代(はり ももよ)
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精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。
第13回 「現代社会と福祉」
現代社会における福祉制度と福祉政策
この分野は、福祉制度の概念の変遷、福祉政策の概念と理念に焦点を当てて学習しておきましょう。
わが国の福祉政策の変遷過程については、社会保障制度審議会勧告や社会福祉基礎構造改革等、戦後から現在に至る時代背景を踏まえてよく理解しておきましょう。第24回試験では、1970年代後半における「福祉の見直し」に関して出題されています。
福祉の原理をめぐる理論と哲学
福祉の原理をめぐる理論や哲学・倫理として、エスピン-アンデルセンの福祉国家論、ロールズの「正義論」やセンの潜在能力理論(ケイパビリティ・アプローチ)の出題実績があります。第24回試験では、福祉政策の学説について、ローズ、エスピン‐アンデルセン、マーシャル、ウィレンスキー、ティトマスが出題されました。今回は後ほど、この分野を取り上げていきます。
福祉制度の発達過程
この分野は、イギリスの福祉政策の歴史とわが国の福祉制度の発達過程について理解しておきましょう。産業の発展や貧困との関係、民間の慈善事業から社会事業への移行、戦時体制の影響などについて、社会背景も踏まえて学習しておくと理解が深まります。
福祉政策におけるニーズと資源
ニーズと資源の関係は、福祉政策との関連でしっかりと理解しておいてほしい分野です。福祉政策におけるニーズの意味、ニード充足のための資源の配分と福祉政策について学習しておきましょう。
福祉政策の課題
この分野からは、現代社会の福祉政策の課題があらゆる分野から出題されます。厚生労働白書や国民生活基礎調査等に目を通しておきましょう。また、国連による「持続可能な開発目標」(SDGs)が出題されています。
国連関係の報告書は日ごろ目を通すことは少ないと思いますが、出題実績のあるものに関しては、一度は目を通しておいたほうがよいでしょう。また、各国の社会保障制度の特徴についても整理しておきましょう。
福祉政策の構成要素
OECDの相対的貧困率の定義、ジニ係数などは定番問題です。また、福祉政策における市場の役割として、福祉政策における公と民の関係を理解しておきましょう。
また、政策評価法や、福祉サービスの評価の方法に関しての出題が見られます。評価の分野は苦手な方が多いと思いますが、基本的な内容だけ押さえておけば対応できますので、評価の目的と技法を整理しておくことをおすすめします。
福祉政策における資源供給の在り方として、現物給付と現金給付の性格の違い、負の所得税の考え方、普遍主義と選別主義の違いについても出題されています。資源供給の方法について、その目的と性格をよく理解しておきましょう。
福祉政策と関連政策
関連政策として、非常に幅広い分野からの出題があります。労働政策、教育政策、住宅政策、災害政策等、関連政策の法体系や制度について確認しておくとよいでしょう。
以上全体を概観してきましたが、今回は福祉政策の学説について解説していきます。
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