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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

特集③ 夏の勉強法 社会 精神 介護

第11回 「心理学理論と心理的支援」

ピアジェの認知発達理論

 ピアジェは、人間の発達について認知機能の発達に焦点を当てて研究し、認知発達理論を提唱しました。

 ピアジェは、環境との相互作用によって形成される知識の枠組みをシェマと名付けました。人は外界と接触するときに、シェマによって新しい事物を自己の中に取り入れます(同化)。ただし、新しい事物を既存のシェマでは同化できないとき、既存のシェマを修正して新たな枠組みを作ります(調節)。ピアジェは、この「同化」と「調節」の作用のバランスが発展していく過程を操作という概念を用いて発達段階を提示しました。

 「操作」とは、実際の行為がイメージとして自分の中に内在化されることです。ピアジェはこの操作の概念を用いて、発達段階を「感覚運動期」「前操作期」「具体的操作期」「形式的操作期」という発達の4段階として提示しました。

ピアジェの認知発達理論

分類基準 認知機能の発達に焦点を当てた発達段階論
シェマ 環境との相互作用によって形成される知識の枠組みのこと
同化 人が外界と接触するとき「シェマ」によって新しい事物を自己の中に取り入れること
調節 新しい事物を既存の「シェマ」では同化できないとき、既存の「シェマ」を変化させて作られる新たな枠組みのこと
操作 実際の行為が自分の中に内在化されること

感覚運動期

 ピアジェは、0~2歳頃までを感覚運動期としました。感覚運動期は、自分自身が外界に働きかけて、動く、見る、触る、つまむ、噛む等の行為を通して外界と接触し、その行為に対する外界からの反応を受け、その反応に対してさらに働きかけるという相互行為によって外界を認識し認知機能が発達し成長するとしました。

 この時期は、循環反応による理解、対象の永続性の理解、手段と目的の関係の理解をする時期です。

 循環反応による理解とは、人が環境に働きかけることによって一定の反応が引き起こされる場合、それを繰り返すことで環境を理解していくということです。例えば、物を落とすと音がするという経験を一度すると、物を落として音を鳴らすという行動を繰り返すようになります。そのことを通して、外界を認知していきます。

 対象の永続性の理解は、感覚運動期の終わり頃に獲得されます。ある物が何かの陰に隠れて見えなくなっても、それがなくなったのではなく、陰に隠れてそこにあるとわかるということです。例えば、ぬいぐるみを見せてそれに布をかぶせると、対象の永続性の概念を獲得していない段階では、ぬいぐるみがなくなったと思いますが、対象の永続性の概念を獲得すると、布がかぶせられているだけで、ぬいぐるみはそこにあることを認識できるようになります。

 手段と目的の関係の理解とは、目的を達成するために、様々な手段を試してみる活動ができるようになることです。例えば、机の上に布がかけられていて、その上にぬいぐるみが置いてあるとします。ぬいぐるみが欲しいのに手が届かない場合は、机の上の布を引っ張ることによって、そのぬいぐるみを手元に引き寄せることができるということを理解できるようになることです。

前操作期

 ピアジェは、2~7歳頃までを前操作期としました。前操作期は、他者と自分とを明確に区別できないため、他者が自分とは違った考え方をするということがわからないという思考の自己中心性を持っている時期です。また、石に話しかけたり、お日様が笑っていると言ったりするように、物質である石や太陽も、自分と同じように命があると考えるアニミズムもこの時期の特徴であるとしています。

 また、前操作期には、象徴機能を獲得します。象徴とはシンボル、つまり何かを別の何かに見立てる機能です。この「見立て」ができるようになると、人や物の関係性が理解でき、「ごっこ遊び」ができるようになります。

具体的操作期

 ピアジェは、7~11、12歳頃までを具体的操作期と名付けました。具体的操作期は、具体的な物をイメージとして内面化できる時期です。また、人の気持ちを推測できるようになり、長さ、重さ、時間、体積等を把握できるようになります。これらにより、保存の概念の獲得や可逆的な操作ができるようになります。

 保存の概念とは、ある物の外見が変化しても、その重さや数量は変化しないということが理解できるということです。

 例えば、同じ大きさの2つのコップに同じ量の水を入れて、一方のコップの水を子どもが見ている目の前で、細くて背の高いコップに移し替えます。そして、「2つのコップの水の量は同じですか」と聞くと、前操作期の子どもは、「背の高いコップのほうが多くなった」と答えます。これは水の高さが高くなったことによって、水の量も増えたと思ってしまうからです。しかし、保存の概念を獲得していると、水を入れ替えても量は変わらないとわかるため、「量は同じ」という答えが返ってきます。

 可逆的な操作は、保存の概念と深く関係しています。前述のコップの水を形状の異なる別の器に移した後、その水を元の器に戻せば、元と全く同じ状態に戻るということがわかるということです。

形式的操作期

 ピアジェは、11、12歳以降を形式的操作期としました。形式的操作期には、具体的な事物にとらわれないで、抽象的な理論を構成することができるようになります。仮説に基づいて結論を導き出せるようになり、「AはBより大きい」「BはCより大きい」場合は、「AはCより大きい」と導き出すことができる力を獲得します。

 ピアジェの認知発達理論

感覚運動期
0~2歳頃
見る、触れるなど感覚運動の発達段階
「循環反応」「対象の永続性」を獲得。「手段と目的の関係」を理解
前操作期
2~7歳頃
思考の自己中心性、アニミズムが特徴
象徴機能を獲得し「ごっこ遊び」ができるようになる
具体的操作期
7~11、12歳頃
思考の組織化、論理的思考が特徴
保存の概念の獲得、可逆的操作が可能になる
形式的操作期
11、12歳頃~
抽象的な概念について論理的操作を行うことができるようになる


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