張先生の受験対策講座

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。
- プロフィール張 百々代(はり ももよ)
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精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第11回 「心理学理論と心理的支援」
人の心理学的理解
この分野は、心理学の基礎的な知識を押さえておきましょう。
心と脳
大脳の各部位について、前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉、小脳等の機能を確認しておきましょう。
情動・情緒/欲求・動機づけと行動
この分野では、気分・情動・感情の違い、欲求と動機づけ、原因帰属等が出題されています。内発的動機づけ、外発的動機づけ、達成動機、マズローの欲求階層説等の意味や内容をよく理解しておきましょう。
感覚・知覚・認知
感覚・知覚・認知は、出題率が高い分野です。知覚の体制化、知覚的補完、知覚の恒常性、適刺激、暗順応、錯視、仮現運動、運動残効、図と地の分離、奥行き知覚、パターン認知等が出題されていますので、よく学習しておきましょう。
学習・記憶
オペラント条件づけ、レスポンデント条件づけ、刷り込み、観察学習、洞察学習と試行錯誤等、学習形成における具体的な実験の内容と学習理論を押さえておきましょう。第24回では、レスポンデント条件づけとオペラント条件づけの違いが出題されています。
記憶については、感覚記憶、短期記憶、長期記憶、エピソード記憶と意味記憶の違い、作動記憶、自伝的記憶、手続き記憶、展望記憶等、出題パターンは決まっているので、記憶の種類と内容を整理しておきましょう。第24回では、意味記憶、エピソード記憶、自伝的記憶、手続き記憶、展望記憶が出題されました。
知能・創造性/人格・性格
収束的思考と拡散的思考、結晶性知能と流動性知能、知能指数の算出方法、ウェクスラー版知能検査とビネー知能検査等が出題されています。
人格・性格論の分野は、類型論と特性論の違い、ユング、クレッチマー、シュプランガー、オールポート等を整理しておきましょう。
集団
集団については社会心理学的視点から、集団の凝集性や集団規範、集団思考、同調や社会的手抜き、アナウンスメント効果などの内容、ソシオメトリ―、リーダーシップ論等を、また教育心理学的視点からのピグマリオン効果なども整理しておきましょう。社会的ジレンマ、傍観者効果、同調、コーシャスシフト等も出題されています。ステレオタイプ、単純接触効果、ハロー効果などの意味も正確に押さえておくとよいでしょう。
適応/人と環境
適応の分野からは、防衛機制(適応規制)の出題がみられます。抑圧の考え方、知性化、転換、打ち消し、合理化、反動形成、昇華等を具体例で出されても解答できるようにしておきましょう。
人と環境については、あまり出題率が高い分野ではありません。コミュニティ心理学、犯罪被害者、ひきこもり、学生相談、職場のメンタルヘルス、非行児童等の支援の際の援助の手法や役割を理解しておきましょう。
人の成長・発達と心理
この分野は出題率の高い分野です。発達の概念として、成熟優位説、環境優位説、ピアジェ、エリクソンの発達段階説、ボウルビィのアタッチメント理論などを理解しておきましょう。第24回では、ピアジェとエリクソンの発達段階説について、それぞれ1問ずつ出題されていたのが目を引きました。今回は後ほどこの分野を取り上げていきます。
日常生活と心の健康
この分野からは、ストレス対処法(コーピング)、バーンアウト、ホメオスタシス等が出題されています。ストレスとストレッサーの関係、ストレスの症状と対処方法、危機介入、ソーシャルサポート、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピングのそれぞれの意味、心的外傷後ストレス障害などについても理解しておくとよいでしょう。第24回では、汎適応症候群の警告反応期、抵抗期、疲弊期の症状や、タイプA行動パターン、心理社会的ストレスモデル等が出題されています。
心理的支援の方法と実際
心理検査の概要
投影法と質問紙法の違いや、人格検査、発達検査、知能検査、適性検査の検査方法と検査対象を整理しておきましょう。MMPI、PFスタディ、TAT、WAIS、CMI、ロールシャッハテスト、東大式エゴグラム、内田クレペリン精神検査等の出題実績があります。第24回では、ウェクスラー児童用知能検査第4版、MMPI、改訂長谷川式簡易知能評価スケール、ロールシャッハテスト、矢田部ギルフォード(YG)性格検査が出題されました。
カウンセリングの概念と範囲
カウンセリングにおける介入法、心理教育カウンセリング、パーソンセンタード・カウンセリング、認知行動カウンセリング、家族カウンセリング、ピアカウンセリング、マイクロカウンセリング等が出題されています。カウンセリングは、心理療法の技法を応用していますので、心理療法をよく理解することで、カウンセリングについての理解も深まります。
カウンセリングとソーシャルワークとの関係についてはまだ出題がありませんが、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの業務や視点の違い等を理解しておくとよいでしょう。
心理療法の概要と実際
この分野は大変出題率が高いので、丁寧に学習しておきましょう。認知行動療法、サイコドラマ、解決志向モデル、森田療法、暴露療法、動作療法、社会生活技能訓練(SST)、ブリーフセラピー、系統的脱感作法、来談者中心療法、自律訓練法等が出題されています。箱庭療法、内観療法等も含めて、それぞれの内容と理論をよく把握しておきましょう。第24回では、精神分析療法、家族療法、遊戯療法、系統的脱感作査法、臨床動作法が出題されました。
以上、出題基準をもとに過去の出題実績を通して、出題傾向の分析と対策をみてきました。では今回は、ピアジェとエリクソンの発達理論を取り上げて解説していきます。
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