張先生の受験対策講座

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。
- プロフィール張 百々代(はり ももよ)
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精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。
第11回 「心理学理論と心理的支援」
2022年6月14日
皆さんこんにちは。お元気ですか。梅雨に入り天候が変化しやすいですが、体調管理に留意しながら、合格を目指して頑張っていきましょう。
今回は「心理学理論と心理的支援」を取り上げます。ではまず、前回の課題の解説をしておきましょう。
- 第24回精神保健福祉士国家試験「人体の構造と機能及び疾病」
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問題2 事例を読んで、国際生活機能分類(ICF)のモデルに基づく記述として、正しいものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(40 歳)は、脳性麻痺のため、歩行訓練をしながら外出時は杖を使用していた。しかし麻痺が進行し、電動車いすを使用するようになり、電車での通勤が困難となった。その後、駅の階段に車いす用の昇降機が設置され、電車での通勤が可能となった。- 1 疾患としての脳性麻痺は、「個人因子」に分類される。
- 2 電動車いす使用は、「心身機能・身体構造」に分類される。
- 3 杖歩行が困難となった状態は、「活動制限」と表現される。
- 4 電車通勤が困難となった状態は、「能力障害」と表現される。
- 5 歩行訓練は、「環境因子」に分類される。
- 正答3
- 1 × 疾患としての脳性麻痺は、「健康状態」に分類されます。「健康状態」とは、疾病や体の変調、けが、障害の有無などを指します。肥満や妊娠、高齢、ストレス等、様々なものを含む広い概念です。「個人因子」とは、年齢、性別、民族、生活歴、価値観、ライフスタイル、興味や関心などのことです。
- 2 × 電動車いす使用は、背景因子の「環境因子」に分類されます。「環境因子」には、バリアフリーのような物理的な環境や、家族や友人、同僚などの周囲の人間とのかかわりなどの人的環境、法制度や福祉サービスなどの社会的環境があります。電動車いすの使用は、物理的な環境に該当します。
- 3 〇 「活動制限」とは、活動の否定的側面のことで、個人が活動を行うときに生じる困難さのことです。「活動」とは、課題や行為の個人による遂行のことで、調理・掃除といった家事行為などの生活行為である行動を指します。杖歩行は「活動」に該当し、Aさんが杖歩行が困難な状態は「活動制限」に該当します。
- 4 × 駅の階段に昇降機がまだ設置されていなかったため、電車通勤が困難になった状態は「活動制限」に該当します。これは、背景因子である「環境因子」によるものです。「環境因子」には、生活機能の発揮を促進する促進因子と生活機能の発揮を阻害する阻害因子があります。この場合は、「環境因子」の阻害因子により、「活動制限」を引き起こしていることになります。
- 5 × 歩行訓練は、生活機能全体を向上させるものです。歩行訓練によって「心身機能」の向上だけでなく、「活動」と「参加」も促進させます。「環境因子」は物理的な環境、人的な環境、社会的な環境に分類され、それぞれに促進因子と阻害因子があります。
解答解説
いかがでしたか。「人体の構造と機能及び疾病」では、心身の構造と機能、健康の概念、疾病と障害、リハビリテーションなどについてもよく学習しておきましょう。
では、今回の「心理学理論と心理的支援」について、出題基準と過去問の分析によって出題傾向を把握し、対策を立てていきます。
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