張先生の受験対策講座

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。
- プロフィール張 百々代(はり ももよ)
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精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第9回 「精神障害者の生活支援システム」
障害者総合支援法に基づく居住支援
障害者総合支援法に基づく障害者のための居住支援には、共同生活援助(グループホーム)、宿泊型自立訓練、福祉ホーム、住宅入居等支援事業(居住サポート事業)があります。
共同生活援助
共同生活援助は、障害者総合支援法における訓練等給付に位置付けられている障害者のための居住支援の制度です。このサービスは、地域で生活する障害者が、地域から孤立することを防止し、生活への不安の軽減、共同生活をすることによって身体や精神状態が安定すること等を目的としています。
利用対象者は、身体障害、知的障害、精神障害、難病等、すべての障害者です。主に夜間において、共同生活を営む住居で相談、入浴、排せつ、食事の介護、その他の日常生活上の援助、利用者の就労先や日中活動サービス等との連絡調整、余暇活動等の社会生活上の援助を行います。
利用料は、18歳以上の場合は利用者とその配偶者の所得、18歳未満の場合は児童を監護する保護者の属する世帯の所得に応じた自己負担の上限月額があります。ただ、月額上限よりもサービスに係る費用の1割の金額の方が低い場合には、その金額を支払います。その他、食材費、光熱水費、居住費などについての実費負担があります。なお、低所得者への助成制度として、入居者の所得に応じ上限1万円の助成があります。
共同生活援助には、介護サービス包括型、外部サービス利用型、日中サービス支援型、サテライト型住居があります。
介護サービス包括型指定共同生活援助
介護サービス包括型指定共同生活援助は、グループホームに生活支援員が配置されており、指定共同生活援助事業者自らが入居者に介護の提供を行う類型です。グループホームの職員が直接、入浴、排せつ、食事等の介護、調理、洗濯、掃除等の家事などのサービスを提供します。
サービス管理責任者、世話人、生活支援員が配置されており、生活支援員の人数は、利用者の障害支援区分に応じて配置されます。
外部サービス利用型指定共同生活援助
外部サービス利用型指定共同生活援助では、指定共同生活援助事業者が自ら介護の提供することはありません。事業者が外部の指定居宅介護事業者に入居者への介護の提供を委託します。
配置職員は、サービス管理責任者と世話人です。生活支援員は配置されていません。
日中サービス支援型指定共同生活援助
日中サービス支援型指定共同生活援助は、共同生活を行う住居であるグループホームで、24時間、相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の日常生活上の援助を提供する共同生活援助の類型です。事業所の従業者が24時間支援体制を確保し、相談や家事等の日常生活上の援助と入浴等の介護を合わせて行うサービスで、利用者の就労先又は日中活動サービス等との連絡調整や余暇活動等の社会生活上の援助も実施します。
日中サービス支援型指定共同生活援助は、共同生活援助(グループホーム)に、定員1~5名の短期入所を併設するか、あるいは同じ敷地内で短期入所を実施し、在宅で生活する障害者の緊急一時的な宿泊の場を提供することが義務付けられています。
配置職員は、サービス管理責任者と世話人、生活支援員で、生活支援員又は世話人については共同生活住居ごとに1日を通じて常時1人以上とされています。
サテライト型住居
サテライト型住居は、本体住居となる障害者グループホームがあることと、本体住居から交通手段を利用して20分以内のところにあることが条件で、民間アパートなどを借りて居住する形態の住居です。本体住居で食事や余暇活動などのコミュニケーションをはかることができ、そこから少し離れた場所で一人暮らしに近い状態で生活を送ります。
サテライト型住居は一人暮らしに近い形態になりますが、本体住居の職員が1日に数回巡回し、日常生活上でサポートが必要な場合には、すぐに対応できる体制が整えられています。障害を抱えていても、地域で1人で自立した生活を送りたいという想いを実現することを目的としてできた制度です。
サテライト型住居の要件として、日常生活を営む上で必要となる設備、サテライト型住居から緊急時に通報を受け取ることができる携帯電話等の通信機器が必要です。
共同生活援助
サービスの位置付け | 訓練等給付 |
---|---|
対象 | すべての障害者 |
障害支援区分認定 | 介護を必要とする者は、障害支援区分認定を受ける必要がある |
低所得者への助成制度 | 入居者の所得に応じ上限1万円の助成 |
介護サービス包括型 | 事業者自らが入居者に介護の提供を実施。生活支援員を配置 |
外部サービス利用型 | 外部の指定居宅介護事業者に介護の提供を委託。生活支援員は配置しない |
日中サービス支援型 | 24時間体制で世話人・生活支援員を配置。短期入所併設義務 |
サテライト型住居 | 本体居住施設に約20分以内。食事・余暇等は本体施設で提供可能。定期巡回を実施 |
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