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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

特集③ 夏の勉強法 社会 精神 介護

第7回 「精神保健福祉の理論と相談援助の展開②」

コミュニケーション技法

 コミュニケーション技法は、言語的コミュニケーション非言語的コミュニケーションに分類できます。言語的コミュニケーションは言語を用いたコミュニケーションで、非言語的コミュニケーションは表情や身ぶり、視線、態度等の言語以外によるコミュニケーションです。援助者は、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの双方を活用して、クライエントを理解し信頼関係を構築していく必要があります。

傾聴

 援助における基本的な姿勢として、傾聴、受容、共感があります。傾聴は、クライエントが訴えたいこと、伝えたいことに焦点を当てて、言語化されたメッセージだけでなく、非言語メッセージで表現されている、その内面まで聴き取り理解しようとすることです。

受容

 受容とは、クライエントを無条件でありのままに受け入れることです。クライエントの存在そのものを丸ごと受け入れることであり、決してクライエントを批判したり評価したりしません。クライエントは受容されることで、自分自身がありのままで受け入れられている存在であることを体験し、クライエントが自分自身を受け入れていくことができるようになります。

共感

 共感とは、クライエントの考え方や感情、体験などを具体的、全体的に理解して、クライエントの苦悩や不安をクライエントとともに感じていくことです。援助の初期の段階では、援助者のこれらの基本的姿勢を通して、クライエントの心が開かれ、良好な信頼関係が築き上げられていきます。

質問技法

 面接では、援助関係を形成する際に、クライエントにかかわる基本的な情報を確認しておく必要があります。そのために、閉ざされた質問開かれた質問を使用します。

閉ざされた質問(クローズド・クエスチョン)

 閉ざされた質問は、クローズド・クエスチョンともいい、「はい」か「いいえ」、あるいは特定の内容に限定されていてひとことで答えられる質問です。情報の確認のための質問形式で、答えるために深く考えたり、自分の言葉で答えたりする必要がないため、初対面で緊張度が高いとき等に用いられます。

 ただ、閉ざされた質問は、一方的に情報を聞き取るという機械的な雰囲気を生み、クライエントが尋問されているような気持ちになりやすいことに留意する必要があります。また、クライエント自身が自己の内面を掘り下げたり、考えを深めたりする機会を奪いやすいので、慣れてきたら開かれた質問を適宜織り交ぜて使用することがより望ましいでしょう。

開かれた質問(オープン・クエスチョン)

 開かれた質問は、オープン・クエスチョンともいい、相手の答えを限定しないで自由に答えることができる質問です。クライエントからより多くの情報を入手したい場合や、クライエント自身が自己洞察を深めることができるように援助したい場合等に使用します。

 この質問は、クライエントが自分の考えや気持ちを表現できるため、自由な発想を促すようなとき用いられます。答えには様々な情報が含まれていることが多いので、コミュニケーションを促して会話を深めることができます。

 ただし、「どうしてそのようなことをしたのですか」のような聞き方をすると、クライエントは責められているように感じる場合があります。「そのようにしたのは、何かご事情がお有りだったのですか。よかったらお聞かせいただけますか」「それについて、あなたはどのように感じておられますか」などのように、相手を受容している姿勢が感じられるような聞き方をすることが大切です。

 以上の内容を簡単に表にしておきましょう。

言語的コミュニケーション 言語を用いたコミュニケーション
非言語的コミュニケーション 表情や身ぶり、視線、態度等の言語以外によるコミュニケーション
傾聴 クライエントが伝えたいことを内面まで聴き取り理解しようとすること
受容 クライエントをありのままに受け入れること
共感 クライエントの感情や意見をクライエントとともに感じること
閉ざされた質問 「はい」「いいえ」あるいはひとことで答えられる質問
開かれた質問 「なぜ」などの答えを限定しないで自由に答えられる質問

基本的応答技法

 面接における基本的応答技法は、面接の焦点付けと方向付けを行い、面接の目的を達成するために用いる応答技法です。

繰り返し

 繰り返しとは、クライエントの話のポイントをクライエントが使った表現を使ってそのまま繰り返して伝えることです。この技法を使うと、クライエント自身の気持ちを援助者が正確に理解しているかどうかを確かめられます。また、クライエントにとっては、自分の気持ちを援助者が正しく理解してくれているかを知ることができます。

支持(励まし)

 支持(励まし)とは、クライエントの感情や経験を尊重し支えていく表現と態度のことです。クライエントを受け止め、話しやすいように促しを与えます。具体的には頷く、相づちを打つ、クライエントの語ったことを承認することなどがあります。

相づち

 相づちは、支持(励まし)の1つで、クライエントの話に「そうですね」などのように言葉をかけ、クライエントが話しやすいように促していくことです。ただ黙って無反応に話を聞くより、相づちを打つほうがクライエントに関心を持ち共感していることを示すことができます。クライエントは、理解されていることを感じて勇気づけられ、励まされて、さらに話をしようと会話に対する動機が強められます。

感情の反映

 感情の反映は、現在のクライエントの感情を適切に言語化して返すことです。クライエントの感情を正確に感じ取ることが共感を高めることの基本になります。感情の反映により、クライエント自身が自分の感情に気づき、援助者に受容されていると知ることができます。また、感情を的確に反映することで、クライエントとの信頼関係がさらに深められます。

言い換え

 言い換えは、クライエントが話した内容を変えずに、簡潔に援助者の言葉に言い換えて返すことです。援助者が話の内容を的確に理解しているかを確認し、伝えることができます。

 言い換えによって、クライエントは、援助者が自分の話した内容をどう受け取ったのかを知ることができます。それが的確なものであれば、自分をわかってくれる人がいるという思いを持てます。

明確化

 クライエントが相談にくるときは、様々な課題や重荷を抱えています。話の内容も前後が入れ替わったり、繰り返しが多かったり、あちこちに飛んだり、矛盾していたりと、必ずしも筋道立って自分の言いたいことを表現できるわけではありません。

 明確化とは、このようにクライエントの話の内容がはっきりしない場合、クライエントの考えや思い、感情を言葉で明確に表現して伝えることです。クライエントのはっきりしない思いや感情を整理して伝えることで、クライエントが自らを見つめ直すきっかけになります。

要約

 クライエントの話は、断片的な事柄の羅列であったり、前後関係がバラバラであったり、起承転結がはっきりしなかったりします。要約とは、このようなクライエントの話の内容を的確にまとめてクライエントに伝えることです。要約して返すことにより、クライエントの抱える複雑な問題をはっきりさせ、整理することができます。

繰り返し クライエントの表現を使用してそのまま繰り返して伝えること
支持(励まし) クライエントの感情や経験を尊重し支えていく表現と態度のこと
相づち クライエントの話に適切に言葉をかけ、クライエントが話しやすいように促すこと。支持(励まし)の1つ
感情の反映 現在のクライエントの感情を適切に言語化して返すこと
言い換え クライエントの話す内容を変えずに、簡潔に援助者の言葉に言い換えて返すこと
明確化 クライエントのはっきりしない考えや思い、感情を言葉で明確に表現して伝えること
要約 クライエントの話を的確にまとめて伝えること

 次に、いろいろな場面における会話技法をみていきましょう。


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