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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第7回 「精神保健福祉の理論と相談援助の展開②」

 皆さんこんにちは。学習は進んでいますか。中央法規から第22回から第24回までの試験問題を収載した過去問解説集が出版されています。試験までに3年分の過去問を、最低3回は解いて理解を深めておくことをおすすめします。早すぎることはありません。ぜひ早めに着手してください。

 今回も「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」を取り上げます。現場で相談援助を実践していくための具体的な援助技術に焦点を当てていきたいと思います。では最初に前回の課題の解説をしておきましょう。

第24回精神保健福祉士国家試験「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」

問題37 次の記述のうち、精神科リハビリテーションにおけるアプローチの説明として、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 IMR(Illness Management and Recovery)は、支援者が症状を管理する。
  • 2 IPS(Individual Placement and Support)は、本人の希望に基づいて、雇用を目標に支援する。
  • 3 家族心理教育は、家族病理に焦点を当てて治療を行う。
  • 4 包括型地域生活支援プログラム(ACT)は、グループワークを通して回復を目指す。
  • 5 ピアサポートは、経験的知識よりも精神保健福祉の専門的知識を用いる。
正答2

解答解説

  • 1 × IMRとは「疾病管理とリカバリー」のことです。精神疾患を有する人が自分自身のリカバリーの目標を設定して、自分に適した方法で病気を自己管理し、必要な情報や技術を獲得することを目的とします。自分自身の疾病をよく理解し、自分自身で管理することで自らのリカバリー目標を達成することを目標としています。病気や症状、服薬などの情報を入手し、当事者主体で適切な服薬、再発防止、ストレス管理、問題への対処、福祉・保健・医療サービスの活用方法を身につけていきます。
  • 2 〇 IPSは、「個別職業紹介とサポートによる援助付き雇用」のことで、個別の就労活動支援と職場定着支援を中心とした就労支援のアプローチです。IPSの理念は、「どんなに重い精神障害を持つ人であっても、本人に働きたいという希望さえあれば、本人の興味、技能、経験に適合する職場で働くことができる」「就労そのものが治療的であり、リカバリーの重要な要素となる」ということです。本人の「働きたい」という希望を重視し、本人の好みや長所に焦点を当てて就労を支援します。福祉的就労ではなく一般就労によって様々な仕事に従事することで、仕事内容、自分の適性、関心やニーズを知ることができるようになります。
  • 3 × 家族心理教育は、当事者の家族に精神障害についての正しい知識や情報を提供し、心理的なサポートを行って、家族の否定的な感情や心理的な負担を軽減するアプローチです。疾病に関する知識や情報の獲得と対処方法を学習し疾病への取り組みを支援することで、再発率の低下、感情表出の低下につながるとされています。①疾病・治療・社会資源についての知識・情報の共有、②対処能力の向上、③当事者相互のサポート、ネットワーク強化を基本的な構造としています。
  • 4 × 包括型地域生活支援プログラム(ACT)は、重度の精神障害者の地域での自立生活をチームで支援するアプローチで、アウトリーチによる支援を行います。利用人数はスタッフ1人に対して10~12名程度で、多職種によるチームが24時間365日体制で介入します。すべてのスタッフが多職種の役割を代替できるシステムになっています。
  • 5 × ピアサポートとは、同じような立場や課題に直面する当事者同士がお互いに支え合うことを意味します。ピアサポートは、同じ仲間や当事者が支援する側にも支援される側にもなり、本音を語り合える対等な関係で支え合えるのが特徴です。当事者は同じような体験をしているので、同じ境遇の人の話を聞いたり自分で言葉にしてみたりすることで、自分の抱えた課題に気づき、それに向き合えるようになっていきます。当事者だからこそ対等な関係でかかわることができるため、心を開きやすく相互の成長とエンパワメント、リカバリーの促進に有効です。

 いかがでしたか。では前回に続き「精神保健福祉の理論と相談援助の展開」を出題基準と過去の出題傾向の分析をもとに対策を立てていきます。


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