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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。


第35回 「低所得者への支援と生活保護制度」

 皆さん、こんにちは。試験まで2か月を切りましたね。不安や焦りを感じている方も多いかもしれません。これから十分力をつけることができますので、自信をもって取り組んでいきましょう。自分の弱点な科目や理解が不足している分野を把握し、不足している知識量を補い、曖昧な知識については確実な知識にしていきましょう。

 忙しい毎日の中での学習時間の確保は、大変だと思います。限られた時間の中で、出題率の高い分野を確実に得点できるように効率よく学習していきましょう。

 今回は「低所得者への支援と生活保護制度」を取り上げていきます。この科目は大きく分けて、公的扶助の歴史的発展の経緯、生活保護制度の概要、保護の実施機関と役割、生活保護の実態、生活困窮者自立支援法、求職者支援法、低所得者等への生活福祉資金貸付制度やホームレス対策、被保護者の就労支援施策等に分類されます。
 今回は、福祉事務所の現業員が行う被保護者に対する就労支援について取り上げていきます。ではまず前回の課題の解説をしておきましょう。

第23回 精神保健福祉士国家試験 「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」

問題58 障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち、最も適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 1949年(昭和24年)の身体障害者福祉法は、障害者福祉の対象を傷痍軍人に限定した。
  • 2 1950年(昭和25年)の精神衛生法は、精神障害者の私宅監置を廃止した。
  • 3 1960年(昭和35年)の身体障害者雇用促進法は、児童福祉施設に入所している18歳以上の肢体不自由者が増加する問題に対応するために制定された。
  • 4 1980年代に日本で広がった自立生活運動は、デンマークにおける知的障害者の親の会を中心とした運動が起源である。
  • 5 2010年(平成22年)に発足した障がい者制度改革推進会議における検討の結果、障害者自立支援法が制定された。
正答2

解答解説

  • 1 × 1949年に制定された身体障害者福祉法は、障害者福祉の対象を傷痍軍人には限定しておらず、全国のすべての身体障害者の職業的更生と社会復帰を目的として制定されたものです。労働年齢にありながら一定の障害のために十分その労働能力を発揮することができない者に、必要な物品の交付、指導訓練を行い、障害による職業能力の損傷を補い、障害者の自立による更生を援護することを目的としています。法律制定時には、重度障害者は対象外でした。また身体障害者の社会復帰のために、国に身体障害者更生援護施設の設置が義務付けられました。
  • 2 〇 1950年には、精神障害者のための医療提供体制整備を目的として、精神衛生法が制定されました。この法律は、1900年に制定された精神障害者を私宅監置する「精神病者監護法」と1919年に制定された「精神病院法」を廃止して、新たに制定された法律です。この法律には、私宅監置の禁止、精神病院の設置を都道府県の義務とし、精神衛生審議会の設置、精神衛生鑑定医制度の創設、措置入院制度・同意入院制度・保護義務者制度の創設等が盛り込まれました。
  • 3 × 1960年の身体障害者雇用促進法は、1955年にILO(国際労働機関)が「障害者の職業更生に関する勧告」を出し、障害者の就労推進が提言されたこと、またわが国で高度経済成長が始まり、労働者不足が生まれていたことなどを背景として制定されました。この法律では、障害者雇用は「努力目標」と位置付けられており、身体障害者の雇用を要請したもので、雇用を義務付けたものではありませんでした。また雇用の対象は、身体障害者に限定されていました。
  • 4 × 1980年代に日本で広がった自立生活運動は、1960年代にアメリカで始まり1970年代にアメリカ全土に広まった自立生活運動の影響を受けたものです。アメリカの自立生活運動は、四肢麻痺と呼吸器障害をもって、カリフォルニア大学に入学したエド・ロバーツによって始められた運動です。彼は、ADLの自立や経済的自立という従来の自立の概念を覆し、なんらかの障害を負っていて誰かの介護を必要としていても、自分の意思で、自分の在り方を決めて生きる「自己決定の在り方」こそが自立であるとして、1972年には障害者自立生活センター(CIL)を設立し、障害者の自立を守るための活動を精力的に行い、その後、自立生活運動は世界規模の運動となっていきました。
  • 5 × 2010年に発足した障がい者制度改革推進会議における検討の結果制定されたのは、「障害者総合支援法」です。国連が2006年に採択した障害者権利条約を批准するために障がい者制度改革推進会議が設置され、障害者関連法案の検討を始め、障害者虐待防止法、障害者基本法改正、障害者総合支援法制定、障害者差別解消法制定など、次々に条約批准に向けた法整備が行われていきました。2012年には、2011年の障害者基本法改正を受けて、障害者自立支援法が改称・改正され、「障害者総合支援法」が制定されました。障害者の定義に難病を追加し、従来の障害程度区分から障害支援区分への移行、重度訪問介護の対象の拡大などの改正が行われました。

 いかがでしたか。「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」では、障害者福祉の発展の経緯を始め、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの種類と対象とサービス内容、障害者基本法、障害者差別解消法、発達障害者支援法、障害者雇用促進法、障害者手帳制度等もしっかり学習しておきましょう。

 では今回の「低所得者に対する支援と生活保護制度」の「被保護者に対する就労支援」について取り上げていきます。


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「見て覚える!精神保健福祉士国試ナビ2022」
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