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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。


第28回 「心理学理論と心理的支援」

漸進的筋弛緩法

 では次に、不安を取り除くために用いられているリラクゼーションの具体的な治療法をみていきましょう。漸進的筋弛緩法は、筋肉の緊張を一時的に緊張させ、その後筋肉を弛緩させることで弛緩感覚を習得し、リラクゼーションを図る方法です。血流や代謝を改善し、痛みの軽減、不安の低下、集中力の改善等の効果がみられます。


自律訓練法

 自律訓練法とは、自己催眠による治療法で、意識的にリラックスした状態をつくることによって自律神経のバランスを図り、精神的安定を図る治療法です。深呼吸、手足や筋肉の弛緩、手足の温感練習などにより、意識を集中させて自己暗示をかけることによって、自分の心身の状態を自分で調整できるようにします。

 気持ちが落ち着いている、手足が暖かいなどと言葉に出して繰り返す、受動的注意集中によって、心身をリラクゼーションし、ストレスや緊張を緩和して、自律神経のバランスがくずれて起こる食欲不振や不眠、心身症、神経症等、ストレスの緩和に効果があります。

暴露療法

 暴露療法とは行動療法の一種で、不安を克服するために、クライエントが恐怖や不安を抱いているものに対して、危険がないように配慮しつつ直面させる治療法です。最初は、不安や恐れを感じる刺激が少ないものから触れさせていき、徐々に慣れていけるようにします。刺激や不安を避けるのではなく、あえて不安を喚起する場面に繰り返して曝し、徐々に不安をやわらげていくという治療法で、不安障害や強迫性障害等に適用することができます。


系統的脱感作法

 系統的脱感作法とは、暴露法と自律訓練法、漸進的筋弛緩法等を応用した治療法です。不安階層表を作成し、リラックスした状態で不安の弱い階層から不安の場面を想起し、段階を追って不安を解消していく方法です。

 まず自律訓練法によって、自分自身に対して「気持ちが落ち着いている」「手足が暖かい」などと、言葉に出して繰り返す「受動的注意集中」を行い、心身をリラクゼーションしていく方法を習得しておきます。これを習得したら、恐怖と不安の結びつきの低い条件刺激から与えていきます。

 ある一定の場所に対して恐怖感を抱いているため、その場所に近づくとパニックを起してしまうような場合、まず、その周辺を思い描いて、筋弛緩法等でリラックスした状態を確保します。その次に、実際にその周辺に近づいてもリラックスした状態を確保し、実際にそこに行っても緊張やパニックから解放されるようにするという治療方法です。

動作療法

 動作療法は、重度の脳性まひの児童のための動作訓練法として開発されたものです。身体の緊張が強かったり身体が自由に動かせない状態の児童が、治療者と一緒に課題の動作を行うことによって、身体の緊張をほぐしていくことで心の緊張もほぐれていくという体験を通して、身体の開放が精神の開放を促すことを発見した成瀬悟策によって開発されました。

 治療方法は、治療者が提供する動作課題をゆっくりと行いながら進めていきます。課題を進めていくことによって身体の無駄な緊張に気づき、力を抜いていくことを覚えていきます。身体の緊張によって閉ざされていた精神を開放していくというこの治療法は、現在さまざまな障害や精神疾患に適用されています。

漸進的筋弛緩法 筋肉の緊張と弛緩により弛緩感覚を習得し、リラクゼーションを図る方法
自律訓練法 自己催眠により意識的にリラックスした状態をつくることによって自律神経のバランスと精神的安定を図る治療法
暴露療法 計画的に恐怖感の軽い場面から徐々に不安に慣れさせていく治療法
系統的脱感作法 不安階層表を作成し、リラックスした状態で不安の弱い階層から不安の場面を想起し不安を解消していく方法
動作療法 動作を通して心理的問題を解決する方法

遊戯療法

 次に、さまざまな場面や道具を用いて行う心理療法についてみていきましょう。
 遊戯療法とは、遊びによる感情表出で治療する方法です。言語表現が十分できない子どもを対象とした療法で、遊びを通して自己を解放し、子ども自身が自己治癒力によって解決を見いだしていくことを助ける治療法です。

 この遊戯療法では、セラピストと児童の信頼関係が形成されていることが必要で、この安定した関係の中で、子どもが自分自身を自由に表現することができ、それが治癒につながります。遊戯療法の中で箱庭療法などを使用することもあります。

箱庭療法

 箱庭療法とは、砂の入った箱の中に、自由にミニチュアの玩具を置いて自由な表現を行う治療法です。言葉では表現できない意識の奥の葛藤などを表現することができ、自己への気づきや葛藤からの解放、自己理解の深化、人格的な変容が促されます。

 使用するミニチュアは、樹木、動物、建物、人物、ミニカー、恐竜、戦車等多様です。これらを使って自由に創作し、その後、それらの内容についてカウンセラーと会話をしていきます。色々と話していく中で、無意識に抱えていた思いに気づいたり、無意識を意識化したりすることができ、自己を再統合することができるようになります。


心理劇

 心理劇は、サイコドラマのことで、台本はなく即興劇を行います。クライエントが役割演技を行うことによって創造性、自発性を獲得し、洞察性を高める治療法です。問題場面を設定し、クライエントが主役をつとめ、相手役、観察者が加わって即興劇を行い、その後、意見交換や反省、分かち合いを行っていきます。

 クライエントは、役割を演じることによって、自己の生活を見つめ直し、新たな視点や解決策を見いだしてゆくことができます。

家族療法

 家族療法は、家族をシステムとして捉える治療法です。家族に問題行動を起こした人物がいた場合、その人物だけに問題があるのではなく、その問題は家族全体のシステムが引き起こしたとして捉えて、家族のシステムに介入して治療する方法です。

 問題を引き起こした人物は、家族システムの問題を背負っているだけであり、問題の本質は家族システムにあるので、家族の構成メンバーがその問題を自らの問題として自覚することができるように介入し、家族間の関係性の悪循環を変化させていきます。

遊戯療法 遊びによる感情表出で自己治癒力を引き出し治療法する方法
箱庭療法 箱の中にミニチュアの玩具を置いて自由な表現を行う治療法
心理劇 即興劇による役割演技によって創造性、自発性を獲得し洞察性を高める治療法
家族療法 家族をシステムとして捉え、家族全体に介入する治療法

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「見て覚える!精神保健福祉士国試ナビ2022」
https://chuohoki.socialcast.jp/set/219?fcid=12

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