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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第26回 「精神障害者の生活支援システム」

精神障害者総合雇用支援

 精神障害者を対象とする「精神障害者総合雇用支援」では、精神障害者および事業主に対して、主治医等の医療関係者との連携の下、精神障害者の新規雇入れ、職場復帰、雇用継続のためのさまざまな支援ニーズに対して、専門的・総合的な支援を実施します。

 精神障害者の雇用を総合的に支援するために、精神障害者の雇用促進支援、職場復帰支援(リワーク支援)、雇用継続支援、精神障害者支援ネットワークの形成等を実施しています。

 精神障害者の雇用促進支援では、事業主の採用計画立案等の支援、精神障害者に対する基本的生活習慣の習得、不安の軽減、集団適応、コミュニケーション能力・対人対応力の向上支援、医療機関や家族等との連携体制の構築等を実施します。

職場復帰支援(リワーク支援)

 障害者職業カウンセラーは、うつ病等で休職中の障害者が職場復帰をするために、雇用事業主や主治医と連携して、「職場復帰支援(リワーク支援)」も実施します。リワーク支援の対象は、主治医が職場復帰のための活動を開始することを了解している者です。

 具体的な支援内容としては、リワークスケジュールに沿って、障害者職業センターに通所して規則正しい生活リズムを構築し、ストレスへの対処方法の習得、復帰予定の職場での作業体験、上司や同僚などとの交流を通じた不安の軽減、会社との調整等を行います。


障害者職業カウンセラー

 地域障害者職業センターには「障害者職業カウンセラー」が配置されています。「障害者職業カウンセラー」は、就職や職場適応のための能力を評価する「職業評価」や「職業指導」を行い、「職業リハビリテーション計画」を作成します。事業主に対しては、「事業主支援計画」の作成、障害者雇用に関する相談・助言、情報提供、障害者の採用計画作成の支援、職場定着などに関する支援等を行います。

職場適応援助者(ジョブコーチ)

 職場適応援助者(ジョブコーチ)は、障害者の円滑な就職および職場適応を図るため、事業所にジョブコーチを派遣し、障害者および事業主に対して、雇用の前後を通じて障害特性を踏まえた直接的、専門的な援助を実施します。

 職業相談のための公共職業安定所等への同行支援、職場実習等における支援、通勤の支援、事業所への定期訪問等による職場定着への支援、その他、安定した職業生活を送るために必要な支援を行います。仕事に就いた者だけでなく、就職する前も、また、就職した後も支援するということに注意をしておきましょう。

 「職場適応援助者(ジョブコーチ)」には、地域障害者職業センターに配置されている「配置型ジョブコーチ」と、障害者の就労支援を行う社会福祉法人等に雇用される「訪問型ジョブコーチ」、障害者を雇用する企業に雇用される「企業在籍型ジョブコーチ」があります。

 「配置型ジョブコーチ」は、就職等の困難性の高い障害者を重点的な支援対象として自ら支援を行うほか、「訪問型ジョブコーチ」「企業在籍型ジョブコーチ」と連携し、支援を行う場合は効果的・効率的な支援が行われるよう、必要な助言、援助を行います。

 「職場適応援助者」は、障害者が職場に適応できるように、具体的な目標を定めた支援計画に基づいて支援を実施します。本人に対しては、障害者の職務の遂行がスムーズに行くように本人の職務遂行機能の向上に関する助言や援助、職場におけるコミュニケーションの支援、体調や生活リズムの管理に関する支援、安定した職業生活を送るための家族の関わり方に関する助言等を行います。

 事業主に対しては、障害特性に配慮した雇用管理に関する支援、障害者の職場配置や職務内容の設定に関する支援、職場全体の障害への理解のための意識の啓発、障害者との関わり方に関する助言、障害者に対する指導方法に関する助言等を行い、最終的には、事業者の上司や同僚によるナチュラルサポートにスムーズに移行していくことを目指して、支援します。


障害者職業センター

障害者職業総合センター 研究、技法の開発、専門職員の養成
広域障害者職業センター 系統的な職業リハビリテーションの実施
地域障害者職業センター(全国に52箇所)
(障害者職業カウンセラーを配置)
職業能力評価、職業指導、職業リハビリテーション計画の作成、関係機関への助言、作業体験、職業準備支援、準備講習、生活技能訓練、障害の判定、リワーク支援計画、ジョブコーチ派遣・養成・研修、事業主支援計画の作成と雇用管理の助言、精神障害者総合雇用支援
障害者職業カウンセラー 職業評価、職業指導、職業リハビリテーション計画作成、事業主支援計画作成、職場定着支援、リワーク支援等を実施
職場適応援助者
(ジョブコーチ)
障害者の職場適応のため、障害者の職務遂行機能の向上、職場でのコミュニケーション支援、事業主への障害者雇用管理支援、職場配置や職務内容支援、職場の障害者理解のための啓発、障害者との関わり方に関する助言等を実施

障害者就業・生活支援センター

 「障害者就業・生活支援センター」は、障害者雇用促進法に基づき、障害者の職業生活における自立を図るため、雇用、保健、福祉、教育等の関係機関との連携の下、障害者の身近な地域において就業面および生活面における一体的な支援を行い、障害者の雇用の促進および安定を図ることを目的とする機関です。

 「障害者就業・生活支援センター」には、「就業支援担当者」と「生活支援担当者」が配置されています。

 「就業支援担当者」は就業面での支援を担当し、ハローワーク、地域障害者職業センター、特別支援学校、事業主などと連携しながら、就職を希望する障害者、職場不適応により離職した障害者への就職に向けた準備支援、職業準備訓練や職業訓練等のあっせん、職場実習のあっせん、就職活動の支援、職場定着に向けた支援、在職中の障害者への助言、事業主に対する雇用管理の助言、関係機関との連絡調整等を実施します。

 生活面の支援は「生活支援担当者」が担当し、就労移行支援事業者や、福祉事務所、保健所、医療機関等と連携し、生活習慣の形成、健康管理、金銭管理等の日常生活の自己管理に関する助言、住居、年金、余暇活動等の地域生活、生活設計に関する助言や関係機関との連絡調整等を行います。

障害者就業・生活支援センター

目的 就業面および日常生活面における一体的な相談支援を実施
就業支援 就業支援担当者。関係機関との連携により、就業支援、事業主に対する雇用管理の助言、関係機関との連絡調整等を実施
生活支援 生活支援担当者。関係機関との連携により、生活支援、関係機関との連絡調整等を実施

 いかがでしたか。「精神障害者の生活支援システム」では、このほか、障害者の居住支援、行政機関の役割、障害者の所得保障、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスなども整理しておきましょう。では今回は、第21回と第23回の精神保健福祉士国家試験の中から障害者の就労支援に関する課題をあげておきますのでチャレンジしてみてください。


第21回 精神保健福祉士国家試験

問題 75 次のうち、地域障害者職業センターの業務として、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 職業準備訓練のあっせん
  • 2 障害者雇用納付金の徴収
  • 3 職場復帰支援(リワーク支援)の実施
  • 4 高度の職業リハビリテーションに関する研究・開発
  • 5 職場適応援助者(ジョブコーチ)の派遣
第23回 精神保健福祉士国家試験

問題 74 次の記述のうち、「障害者雇用促進法」に基づく職場適応援助者(ジョブコーチ)に関する説明として、適切なもの2つ選びなさい。

  • 1 職業リハビリテーションに関して研究する。
  • 2 円滑な就職と職場適応ができるよう、障害者と事業所の双方を支援する。
  • 3 就業面の支援に併せて、体調や生活のリズムの管理に関する支援を行う。
  • 4 対象となる障害者が、正式に就職してから支援を開始する。
  • 5 障害者雇用率未達成の事業主に対して指導する。

受験対策WEB講座の配信がスタート!

「見て覚える!精神保健福祉士国試ナビ2022」
https://chuohoki.socialcast.jp/set/219?fcid=12

※専門科目のみ