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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第26回 「精神障害者の生活支援システム」

 皆さんこんにちは。学習は順調に進んでいますか。受験申込書の受付期限は、10月8日(金)で消印有効です。手続きがまだの方はなるべく早めに済ませておきましょう。

 今回の「精神障害者の生活支援システム」は、精神障害者の概念、精神障害者の生活の実態、精神障害者の生活と人権、居住支援、就労支援、地域における精神障害者の生活を支援するシステム、市町村における相談援助等が出題範囲になっています。実際に地域で生活する精神障害者に必要な制度を具体的に想定しながら学習していきましょう。
 では最初に、前回の課題の解説をしておきましょう。




第23回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健福祉に関する制度とサービス」

問題 62 「医療観察法」に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 精神保健審判員は生活環境調査を実施する。
  • 2 検察官からの申立てを受けた家庭裁判所は合議体を形成する。
  • 3 通院医療の継続が必要な場合は、保護観察所の長が延長の申立てを行う。
  • 4 地方裁判所は処遇の実施計画を作成する。
  • 5 入院処遇における退院の決定は、保護観察所が行う。
正答3

解答解説

  • 1 × 精神保健審判員は、医療観察法に基づき、地方裁判所において裁判官とともに合議体を形成し、審判を行う精神科の医師のことです。生活環境調査を実施するのは、保護観察所に配置されている社会復帰調整官です。社会復帰調整官は保護観察所長の命を受けて、対象者の居住の有無、生計の状況、家族の状況や家族関係、生活歴等、生活環境の調査を実施し、「生活環境調査報告書」を作成して地方裁判所に提出します。
  • 2 × 重大な他害行為を行った加害者が、心神喪失等により責任能力がなく、「無罪」「減刑」「不起訴」になった場合、検察官は「地方裁判所」に対して、医療観察法による処遇の申立てを行います。地方裁判所は申立てを受けて、「裁判員1名」と、一定の研修を受けた精神科の医師である「精神保健審判員」の2名による合議体を構成し、必要な時は「精神保健参与員」の意見を聴取して処遇を決定します。
  • 3 〇 通院処遇期間は、原則3年で最大2年の延長が可能です。通院医療の延長が必要な場合は、保護観察所長は、指定通院医療機関が作成した通院期間延長の申立てに関する意見書を添えて地方裁判所に対して延長の申立てを行います。指定通院医療機関に通院中も、「精神保健福祉法に基づく入院」は可能です。
  • 4 × 処遇の実施計画の作成を行うのは保護観察所長です。通院決定あるいは退院決定により地域処遇の決定が下されると、保護観察所長は、ケア会議を開催し「処遇実施計画」を作成しなければなりません。ケア会議には、指定通院医療機関、保護観察所、地方裁判所、行政職員、保健医療機関、福祉サービス機関等の関係者等が招集され「処遇実施計画」が作成され、その処遇計画に基づいて関係機関は地域処遇を支援します。
  • 5 × 入院処遇における退院の決定は、地方裁判所が行います。指定入院医療機関の管理者は、入院患者が入院医療を行う必要がなくなったと判断した場合は、保護観察所長の意見を付して、直ちに地方裁判所に「退院許可の申立て」をしなければなりません。退院許可の申立てを受けた地方裁判所は、合議体により、退院あるいは入院継続のいずれかの判断を下します。地裁による退院許可がおりた場合は、通院処遇に移行します。
第22回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健福祉に関する制度とサービス」

問題67 「医療観察法」における鑑定入院に関する次の記述のうち、正しいもの2つ選びなさい。

  • 1 医学的観点から「医療観察法」に基づく入院による医療の必要性について意見をまとめる。
  • 2 検査・診断のみならず、 精神科治療も行われる。
  • 3 「精神保健福祉法」で規定された指定病院において実施される。
  • 4 入院期間は、原則4週間が限度とされている。
  • 5 鑑定は、精神保健審判員が実施する。
正答1、2

解答解説

  • 1 〇 検察官から審判の申立てを受けた地方裁判所は、まず精神鑑定のために鑑定入院命令を出します。鑑定医は鑑定後、「医療観察法」に基づく入院による医療の必要性について、鑑定結果に医学的見地からの意見を付して地方裁判所に提出する義務があります。
  • 2 〇 鑑定入院では、検査、診断だけではなく精神科治療も行われます。精神科治療を行うことにより、通院治療が可能であるか、入院治療が必要であるか等の判断が行われます。
  • 3 × 「鑑定入院医療機関」は、対象者を鑑定入院させるための施設として取りきめられた精神科病院(総合病院の精神科病棟を含む)のことです。「鑑定医」とは、鑑定入院をした対象者の鑑定を行うように裁判所に命令された医師です。
  • 4 × 鑑定入院期間は、原則として2か月以内で、必要な場合は1か月の延長が可能です。
  • 5 × 鑑定医は、鑑定入院した対象者の鑑定を行うよう裁判所に命令された医師で、精神保健審判員とは別の医師でなければなりません。鑑定医の条件は、精神保健判定医または同等以上の学識経験を有する医師とされています。

 いかがでしたか。「精神保健福祉に関する制度とサービス」では、このほか、精神保健福祉法、障害者総合支援法、医療観察法等による諸制度とサービス内容についても丁寧に学習しておきましょう。では、今回の「精神障害者の生活支援システム」を解説していきます。今回は、障害者の就労支援のための制度と機関、その役割に関して取り上げます。

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