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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第25回 「精神保健福祉に関する制度とサービス」




 皆さんこんにちは。試験まであと4か月余りとなり、お忙しさの中でなかなか時間が取れず内心焦りを覚えている方も多いのではないでしょうか。今からでも十分間に合います。焦らずに、一つ一つ丁寧な学習を進めていきましょう。

 今回は「精神保健福祉に関する制度とサービス」を取り上げていきます。この科目は、精神保健福祉法をはじめ、障害者関連法における精神障害者のための諸制度、更生保護制度、医療観察制度、社会調査の意義と目的、その具体的な方法などがその主な内容となっています。今回は、医療観察制度を中心に取り上げていきます。では最初に前回の課題の解説をしておきましょう。

第23回 精神保健福祉士国家試験 「精神保健福祉援助技術の理論と相談援助の展開」

問題 44 次の記述のうち、グループワークにおいて精神保健福祉士が行うこととして、適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 グループ内の規範を定めずに、メンバーの自由な活動を推進する。
  • 2 メンバーの役割を固定して、効率的にプログラムを進行する。
  • 3 メンバーの体験談を活用して、社会的スキルの獲得を促進する。
  • 4 メンバー間の葛藤を回避して、グループ活動が円滑に進むようにする。
  • 5 終結期では、メンバー間の凝集性を強化する。
正答3

解答解説

  • 1 × グループワークは、プログラム活動を用いて、グループダイナミクスの作用を意識的に活用して、メンバーの成長とグループの成長を促す援助技術です。グループ活動を進めていくために、一定のルールや約束事を決め、メンバーがそれらを守ることをお互いに約束します。生命を脅かすような行動や、故意にグループに混乱をもたらすような行為は、制限します。これは、安全の確保と同時にメンバーの自我を強化し、成長を促すために必要な原則です。これを「制限の原則」といいます。
  • 2 × グループワークのプログラム活動は、プログラム活動を行うこと自体が目的ではなく、プログラム活動を通して、メンバーとグループが成長することを目的としています。プログラムを効率的に進行させることを目的とするのではなく、プログラム活動の展開の中でメンバーの役割は固定せず、プログラム活動の状況に応じて、それぞれのメンバーの役割が柔軟に変化でき、一人ひとりのメンバーが成長できるように援助します。
  • 3 〇 グループワークの特徴は、さまざまな体験をもっているメンバーが、相互に影響を与え合うことができるという点です。精神障害者は、社会生活の経験が乏しくなりやすく、社会の中で対人関係を円滑に運ぶための知識を習得する機会に触れる機会が少なくなりがちです。グループワークを通して、メンバーのさまざまな体験談を分かち合い、その体験談を聴くことによって、社会的なスキルを獲得することを促進することができます。
  • 4 × グループワークにおける作業期は、プログラム活動を展開していく時期で、メンバーとグループが目標に向かって具体的にプログラム活動を展開していきます。この時期には活動が活発化し、それと同時にグループのメンバー間に、葛藤が生まれがちになります。葛藤が生まれたら、その葛藤を避けるのではなく、メンバーとグループの成長の機会としてとらえて、葛藤に適切に取り組むことができるよう援助していくことが必要です。
  • 5 × 終結期は、グループワーク活動を終了する時期です。目標の達成、計画期間の終了などの要件を満たすことにより、グループワーク活動を終了します。ワーカーは、メンバーの感情をよく理解し、共感しながら、メンバーとともに活動を評価し、メンバー同士の感情の分かち合いの場も設けながら、それまでの活動が生活の場に活かされるよう励まして終結します。メンバー間の凝集性を強化するのは、開始期です。
第21回 精神保健福祉士国家試験

問題45 次の記述のうち、グループワークの作業期における精神保健福祉士のかかわりとして、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 メンバーのニーズを把握して計画を立てる。
  • 2 グループ内でのルールをメンバーと決める。
  • 3 個々のメンバーと波長合わせを行う。
  • 4 グループ内に形成されたサブグループを活用する。
  • 5 グループ目標の達成度をメンバーと評価する。
正答4

解答解説

  • 1 × メンバーのニーズを把握して計画を立てるのは、準備期のかかわりです。準備期は、グループ活動の開始の前の段階で、メンバーとの予備的接触を行う段階です。この時期には、ワーカーは、メンバーの課題やニーズなどを把握する「波長合わせ」や「予備的接触」を行います。また、グループワークを行っていく上で必要になる、関係機関との連絡調整等も行っておきます。
  • 2 × グループ内でのルールをメンバーと決めるのは、開始期のかかわりです。開始期には、メンバーとの援助関係を形成していきます。グループ活動を行う契約を結び、目標を設定し、プログラム計画を確認し、グループ内でのルールを決め、評価についての共通認識をもち、記録についても確認しておきます。
  • 3 × 個々のメンバーと波長合わせを行うのは、準備期のかかわりです。波長合わせとは、メンバーの課題やニーズなどを把握することで、予備的接触ともいいます。一人ひとりの興味や関心、抱えている課題、グループワーク活動の参加への動機づけなどを把握しておくことによって、グループワークを有効に展開できるように準備しておきます。
  • 4 〇 グループワークの作業期には、グループの凝集性が高まり、活動が活発化してくるのに応じて、サブグループが発生してきます。このサブグループが葛藤や対立を生み出すこともありますが、グループへの所属意識を高めたり、それぞれのサブグループ同士が相互に影響しあって新しい視点や価値観を生み出し、グループ活動を活性化することもあります。精神保健福祉士は、これらのサブグループをメンバーやグループの成長に活用していくことが求められます。
  • 5 × グループ目標の達成度をメンバーと評価するのは、終結期です。終結期には、目標の達成、計画期間の終了などの要件を満たすことにより、グループワーク活動を終了します。ワーカーは、メンバーの感情をよく理解し、共感しながら、メンバーとともに活動を評価し、メンバー同士の感情の分かち合いの場も設けながら、それまでの活動が生活の場に活かされるよう励まして終結します。

 いかがでしたか。「精神保健福祉援助技術の理論と相談援助の展開」ではこのほか、精神科リハビリテーションをはじめ、精神科専門療法、家族教育プログラム、チーム医療、ケースワーク、スーパービジョン、ケアマネジメント等の各援助技術の理論と展開方法もよく学習しておきましょう。

 では「精神保健福祉に関する制度とサービス」の科目を取り上げていきます。今回は、医療観察制度を取り上げて解説していきます。

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「見て覚える!精神保健福祉士国試ナビ2022」
https://chuohoki.socialcast.jp/set/219?fcid=12

※専門科目のみ