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張先生の受験対策講座

張 百々代(はり ももよ)

受験勉強のガイド役となるのがこのコーナーです。受験対策のプロである張(はり)先生が、あなたの合格までの道のりをサポートします。

プロフィール張 百々代(はり ももよ)

精神保健福祉士・社会福祉士。児童養護施設、老人福祉施設での勤務を経て福祉系専門学校講師に。
現在は受験対策講座講師、各大学での受験対策に従事しており、第三者後見人として精神障害者・知的障害者の成年後見活動にも携わっている。

第17回 「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」

 皆さんこんにちは。暑さが厳しくなってきましたが学習は進んでいますか。本試験まで長期戦ですから、健康に留意して学習をすすめていきましょう。
 今回は「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」を取り上げていきます。障害者関連法が制定されてから数年たち、検証と見直しの時期に入っています。改正内容等にも注意して学習しておきましょう。ではまず、前回の課題の解説をしていきます。

第23回 精神保健福祉士国家試験問題 「社会保障」

問題 55 国民年金に関する次の記述のうち、正しいもの1つ選びなさい。

  • 1 国民年金の第一号被保険者の保険料は、前年の所得に比例して決定される。
  • 2 障害基礎年金を受給していると、国民年金の保険料納付は免除される。
  • 3 学生納付特例制度の適用を受けた期間は、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されない。
  • 4 自営業者の配偶者であって無業の者は、国民年金の第三号被保険者となる。
  • 5 障害基礎年金には、配偶者の加算がある。
正答2

解答解説

  • 1 × 第一号被保険者の保険料は、全国一律の定額制度です。毎年4月に保険料額は決定され、2021年(令和3年)4月~2022年(令和4年)3月分の国民年金保険料は、月額16,610円です。保険料の納付期限は、4月分は5月末までというように、翌月末になっています。
  • 2 〇 第一号被保険者には、保険料の「免除制度」と「学生納付特例制度」及び「納付猶予制度」があります。「免除制度」には「法定免除」と「申請免除」があり、「法定免除」の対象者は、「生活保護の生活扶助受給者」と「障害基礎年金受給権者」です。申請免除は、低所得者で保険料支払いが困難な者が対象で、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4種類があります。法定免除の期間は年金の受給資格期間の算定対象になり、65歳になったら老齢基礎年金は2分の1を受給することができます。申請免除の期間も年金の受給資格期間に算定され、年金額は、全額免除期間分は8分の4、4分の3免除期間分は8分の5、半額免除期間分は8分の6、4分の1免除期間分は8分の7が支給されます。保険料納付免除期間の保険料は過去10年にさかのぼって追納でき、追納した期間は年金額に反映されます。
  • 3 × 「学生納付特例制度」の適用を受けた期間は、老齢基礎年金の受給資格期間に算入されます。「学生納付特例制度」とは、本人の所得が一定額以下のときに、申請により特例の対象になる制度で、家族の収入額は関係ありません。「納付猶予制度」は、20歳以上50歳未満の国民年金第一号被保険者で、本人、あるいは本人と配偶者の所得が一定額以下の場合、申請すれば保険料納付が猶予される制度です。「学生納付特例」及び「納付猶予」を受けた期間は、年金額には反映されませんが老齢年金の受給資格期間の算定対象になります。また、10年にさかのぼって追納することができ、追納した期間は年金額に反映されます。特例期間中あるいは猶予期間中に障害を負った場合でも、障害基礎年金は全額支給されます。
  • 4 × 国民年金の第三号被保険者となるのは、第二号被保険者の被扶養配偶者で、20歳以上60歳未満の者です。自営業者の配偶者であって無業の者は、第一号被保険者になります。
  • 5 × 障害基礎年金につくのは、「子の加算」です。加算がつく「子」の要件は、受給権者によって生計を維持している「18歳到達年度の末日までにある子」、「20歳未満で障害等級の1級または2級に該当する程度の障害の状態にある子」です。

 いかがでしたか。医療保険以外の、年金、介護、労災、雇用の各社会保険についても学習を深めておきましょう。では今回の「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」について、出題基準に沿って過去問題の出題傾向を分析し、対策を立てていきます。

障害者の生活実態とこれを取り巻く社会情勢、福祉・介護需要

 障害児・者の実態の分野では、「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」から、障害者手帳の種類別所持者数、手帳所持者の年齢階級別割合、障害種別の所持者数の推移、身体障害者手帳所持者の障害種別割合、今後の暮らしの希望、困った時の相談相手、外出の状況等が出題されています。患者調査等も含めて実態を押さえておきましょう。

 第23回では、「平成28年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」から、従来は出題のなかった、障害福祉サービスと障害児通所支援事業の中で利用実人員についての出題がありました。内容に目を通しておくことをおすすめします。

 障害者を取り巻く社会情勢としては、「障害者差別解消法」の出題実績があります。第23回では、法制定の経緯、「不当な差別的取り扱い禁止」規定と「合理的配所の提供」規定について、行政と民間事業者の義務・努力義務の別、障害者の定義、障害者差別解消支援地域協議会の設置規定についての出題がありました。法律の理念や合理的配慮の考え方、法律に基づく制度と実際の適用について理解しておきましょう。

 またこの分野からは、障害者スポーツについての出題もみられます。パラリンピックをはじめとする障害者スポーツ大会の名称と参加対象を理解しておきましょう。

 障害の概念の捉え方としては、国際生活機能分類(ICF)からの出題がみられます。「人体の構造と機能及び疾病」の科目からも出題されていますから、活動と参加の定義、活動制限、参加制約の意味、背景因子としての個人因子と環境因子についての理解を深めておきましょう。

 またこの分野では、障害者の地域移行や就労の実態に関して、厚生労働省が実施している「障害者の就業実態調査の結果」等に目を通しておくことをおすすめします。




障害者福祉制度の発展過程

 この分野からは近年、毎回出題があります。わが国の障害者福祉施策の発展過程と国際的な障害者施策との関連性を、障害者関連の法整備と共によく理解しておきましょう。

 国際障害者年、身体障害者福祉法、精神薄弱者福祉法(現在の知的障害者福祉法)、障害者基本法、障害者自立支援法、障害者総合支援法、障害者虐待防止法、障害者雇用促進法、障害者差別解消法、障害者権利条約等の制定の歴史的背景、法律の目的と対象と性格が出題されています。

 国際障害者年とわが国の障害者施策との関係、福祉関係八法改正、社会福祉基礎構造改革による措置から契約制度への移行、支援費制度と障害者自立支援制度、障害者総合支援法との違い等について、理解を深めておきましょう。

 第23回では、身体障害者福祉法、精神衛生法、身体障害者雇用促進法、自立生活運動、障害者自立支援法制定の背景が出題されました。

障害者総合支援法

 障害者総合支援法の概要は、大変出題率の高い分野です。法律の目的、サービス利用のプロセス、障害福祉サービスの種類、障害者支援施設の種類、自立支援医療、地域生活支援事業など、全体の仕組みと具体的なサービス内容についてしっかりと理解しておきましょう。

 出題実績をみると、障害福祉サービスの介護給付と訓練等給付の種類とサービス内容、相談支援事業者の役割、基幹相談支援センターの位置付け、地域活動支援センター、就労支援、地域移行支援等が出題されています。

 第23回では、共生型サービスの内容、行動援護の利用対象者、訓練等給付の支給決定プロセス、暫定支給決定対象サービス、障害児サービスの自己負担に関する出題がありました。共生型サービスについては今後も出題の可能性がありますので、内容を確認しておくとよいでしょう。

 この分野では、障害福祉サービスのサービス体系と、個々の障害福祉サービスの具体的な内容、利用者の状態像について事例問題にも対応できるよう整理しておきましょう。また相談支援業務について、基本相談支援、地域相談支援、計画相談支援、基幹相談支援センターの、それぞれの業務内容と位置付けを理解しておきましょう。




障害者総合支援制度における組織及び団体の役割と実際

 国の役割、都道府県の役割、市町村の役割は頻出分野です。障害福祉計画策定のための指針の策定を行う国の役割、障害福祉サービスの指定権者としての都道府県と市町村の位置付け、具体的なサービスの実施主体である市町村、指定サービス事業者、国民健康保険団体連合会等について、それぞれの役割を整理しておきましょう。

 第23回では、就労継続型支援事業所の役割として短文事例問題で、金銭管理が不得手な利用者に対する支援の在り方に関する出題がありました。実践現場に対応できるよう、諸制度に関する知識を習得しておきましょう。

障害者総合支援法における専門職の役割と実際

 この分野からは、相談支援専門員の業務について短文事例問題が頻出です。相談支援専門員として、事例の状況にふさわしい対応を選び取ることができる力を身につけておきましょう。

 サービス管理責任者、サービス提供責任者、居宅介護従事者の役割等についても、それぞれの専門職に求められる役割と働きについて、実践事例の解答を導き出すことができるようにしておきましょう。

 意思決定困難者の意思決定の支援については、「障害福祉サービスの利用にあたっての意思決定支援ガイドライン」が厚生労働省から出されていますので、一度は目を通しておくとよいでしょう。




障害者総合支援法における多職種連携、ネットワーキングと実際

 医療関係者・精神保健福祉士との連携、障害支援区分判定時やサービス利用時における連携、労働関係機関との連携、教育関係者との連携等、連携のあり方と、関係機関の制度についての理解を深めておきましょう。

相談支援事業所の役割と実際

 障害者の相談支援体系について、地域相談支援における地域移行支援と地域定着支援、基本相談支援と地域相談支援からなる一般相談支援事業所、計画相談支援におけるサービス利用支援と継続サービス利用支援、基本相談支援と計画相談支援からなる特定相談支援事業所の、それぞれの支援内容についてよく学習しておきましょう。




身体障害者福祉法

 身体障害者福祉法に規定する身体障害者の定義、身体障害者手帳の申請や交付、返還に関する規定、手帳制度に基づく諸サービス、身体障害者更生相談所や身体障害者福祉司の役割、市町村や都道府県、福祉事務所の役割と相談支援業務の委託などについて、法律で確認しておきましょう。

知的障害者福祉法

 療育手帳制度とそれに伴う優遇措置、知的障害者の更生援護に関する市町村、都道府県、知的障害者更生相談所、知的障害者福祉司のそれぞれの役割等について学習しておきましょう。知的障害者更生相談所の業務と専門職の配置についての出題がみられます。

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律

 この分野からは、「精神保健福祉法」における入院形態についての出題実績があります。専門科目とも重複する分野ですのでしっかりと学習しておきましょう。発達障害者の位置付け、精神障害者保健福祉手帳制度等も出題されています。手帳の申請方法、交付対象等について整理しておくとよいでしょう。

 第23回では、「精神保健福祉法」における、精神科病院管理者の退院後生活環境相談員選任義務、精神障害者の定義、精神医療審査会設置義務、精神保健指定医の要件、精神障害者保健福祉手帳の障害等級が出題されました。

児童福祉法(障害児支援関係)

 障害児サービスの具体的な内容について出題されています。児童福祉法に基づく障害児の通所系サービス、入所系サービス内容、障害児相談支援等について整理しておきましょう。また、利用手続きや支給決定のプロセス等もよく把握して、事例問題にも対応できるようにしておきましょう。

発達障害者支援法

 発達障害の定義、発達障害者支援センターの役割、発達障害児・者の早期発見と早期支援についての市町村と都道府県のそれぞれの役割、保育や教育・就労における配慮規定などを、法律に当たって確認しておきましょう。

障害者基本法

 1970年(昭和45年)の心身障害者対策基本法から1993年(平成5年)の障害者基本法制定、2004年(平成16年)改正、2011年(平成23年)改正のそれぞれのポイントを整理しておきましょう。2011年(平成23年)改正に関しては、目的規定の見直し、障害者の定義の見直し、地域社会における共生、差別禁止における社会的障壁の概念と合理的配慮、障害者政策委員会の位置付けなど、注意深く学習しておきましょう。

障害者虐待防止法・医療観察法・バリアフリー新法・障害者雇用促進法

 障害者虐待防止法の分野からは、障害者虐待の定義、障害者虐待の実態や障害者虐待防止センターの役割等に関する出題実績があります。障害者虐待の定義と通報先、虐待対応などとともに、障害者虐待の実態について最新データを確認しておきましょう。医療観察法に関しては専門科目と重なりますから、並行して学習しておくとよいでしょう。

 障害者雇用促進法については、法定雇用率、障害者雇用納付金制度等が出題されています。障害者雇用推進者、障害者職業生活相談員、雇用率未達成企業への雇い入れ計画作成命令等、障害者雇用促進に関する制度を十分学習しておきましょう。また、障害者差別解消法の制定に伴う障害者雇用促進法の改正内容のポイントを押さえておきましょう。

障害者虐待防止法

 この分野からは、障害者虐待の定義、障害者虐待防止センターの役割等が出題されています。第23回では、障害者虐待発見時の通報先、障害者虐待の種類、障害者虐待の実態が出題されています。「令和元年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果が、厚生労働省から公表されていますので、目を通しておきましょう。

 以上全体を概観してきましたが、今回は障害福祉サービスの「自立支援給付」を中心に取り上げていきます。

障害福祉サービスの体系

 まず、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの体系について、整理しておきましょう。障害福祉サービスには、利用者に個別に給付される全国一律のサービスとしての「自立支援給付」と、地域の実情に合わせて自治体が実施する「地域生活支援事業」の2種類があります。

自立支援給付

 自立支援給付には、「介護給付」「訓練等給付」「自立支援医療」「補装具」「相談支援」の5種類の給付があります。今回はこのうち、「介護給付」と「訓練等給付」及び「相談支援」を取り上げていきます。

支給決定プロセス

 自立支援給付の「介護給付」と「訓練等給付」の支給決定プロセスで異なる点は、「介護給付」は、「障害支援区分認定」が必要であるのに対して、「訓練等給付」は、原則的に「障害支援区分認定」が必要ではないということです。「訓練等給付」で「障害支援区分認定」が必要なのは、「共同生活援助」で、介護を受ける必要がある場合だけです。

暫定支給決定

 訓練等給付の対象サービスのうち、自立訓練(機能訓練、生活訓練)、就労移行支援又は就労継続支援A型の支給決定を行うにあたっては、「暫定支給決定」を行います。

 「暫定支給決定」とは、利用者本人の希望を尊重し、より適切なサービス利用を図る観点から、(1)継続利用についての本人の最終的な意向の確認、(2)継続利用が適切かどうかの客観的な判断を目的として、短期間の支給決定を行うものです。

 暫定支給決定の対象となるサービスは、自立訓練(機能訓練、生活訓練、宿泊型自立訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型です。暫定支給決定の有効期間は、最長2か月です。支給決定当初に、各サービス種別における通常の有効期間の支給決定を行い、支給決定期間のうち最初の2か月間を暫定支給決定期間として決定するという形になります。

介護給付

「介護給付」は直接介護を行うサービスで、9種類の給付がありますので、個別にみていきましょう。

 「居宅介護(ホームヘルプ)」は、障害者の居宅で、入浴、排泄、食事等の介護、家事援助等の、生活全般にわたる援助を行います。
 「重度訪問介護」は、重度の肢体不自由、知的障害、精神障害があり介護を必要とする障害者の居宅で、入浴、排泄、食事等の介護、家事援助等の生活全般にわたる援助を行います。

 「同行援護」は、移動に著しい困難を有する視覚障害者の外出支援です。外出の際同行し、移動に必要な情報提供、移動の援護、排泄・食事等の介護、移動の際の代読・代筆などを行います。
 「行動援護」は、行動に著しい障害のある知的障害や精神障害を有する者に対して、行動の際の危険回避のために必要な援護や移動中の介護等を行います。

 「療養介護」は、医療機関に長期入院中で医療的ケアを要する者に、機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理の下での介護、日常生活上の世話を行います。筋萎縮性側策硬化症(ALS)患者や筋ジストロフィー患者等が対象です。

 「生活介護」は、障害者支援施設等で、常時介護を要する障害者に、主に昼間、入浴、排泄、食事等の介護、創作活動・生産活動の提供、身体機能・生活能力の向上等の援助を行います。

 「短期入所」は、居宅で障害者の介護を行う者が病気等の理由により介護できない場合、障害者支援施設や児童福祉施設等に短期間入所した障害者に、入浴、排泄、食事等の介護を行います。

 「重度障害者等包括支援」は、特に介護の必要性の高い障害者に、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、生活介護、短期入所等のサービスを包括的に提供します。
 「施設入所支援」は、施設に入所している障害者に対して、主に夜間に入浴、排泄、食事等の介護等を行います。

障害福祉サービスと介護保険サービスの関係

 障害福祉サービスを利用していた障害者が65歳以上になった場合、あるいは、40歳以上65歳未満の特定疾病による障害者が要介護認定を受けた場合は、障害福祉サービスより、介護保険サービスを優先的に利用しなければならないとされています。

 ただ、障害特性により、介護保険サービスにはない障害福祉サービスが必要な場合は、障害福祉サービスを利用できます。介護保険サービスにはない障害福祉サービスとして、「就労継続支援」「行動援護」「同行援護」「施設入所支援」などがあります。

共生型サービス

 障害福祉サービスを受けていた障害者が、65歳以上になって別の介護保険サービス事業所に移らなければならないという状態は、使い慣れたサービスが利用できないため、障害者にとって大きな負担になります。このような状態を解消するために考えられたのが、「共生型サービス」です。

 「共生型サービス」とは、同一の事業所で、介護保険サービスと障害福祉のサービスを一体的に提供するサービス類型です。共生型サービスを提供できるのは、居宅サービスの一部です。

 具体的には、障害者総合支援法における訪問系サービスとしての「居宅介護」「重度訪問介護」は、介護保険法のホームヘルプとして位置付けられる「訪問介護」が対応し、障害者総合支援法の通所系サービスである「生活介護」や児童福祉法の「児童発達支援」「放課後等デイサービス」は、介護保険法のデイサービスとして位置付けられる「通所介護」が対応し、障害者総合支援法における「短期入所」は、介護保険法のショートステイである「短期入所生活介護」「介護予防短期入所生活介護」が対応します。

介護給付

居宅介護 障害者の居宅での介護と家事援助等
重度訪問介護 重度の肢体不自由、知的障害、精神障害で介護を要する障害者の居宅での介護、家事援助等
同行援護 移動に著しい困難を有する視覚障害者の外出支援
行動援護 行動に著しい障害のある知的障害者・精神障害者の行動の危険回避のための必要な援護等
療養介護 医療機関に長期入院中で医療的ケアを要する者に、機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理の下での介護、日常生活上の世話
生活介護 障害者支援施設等で、主に昼間、入浴、排泄、食事等の介護、創作活動・生産活動の提供等
短期入所 障害者支援施設や児童福祉施設等に短期間入所した障害者に入浴、排泄、食事等の介護を提供
重度障害者等包括支援 重度障害者に多種類の障害福祉サービスを組み合わせて包括的に提供
施設入所支援 施設に入所している障害者に、主に夜間に入浴、排泄、食事等の介護等を提供
共生型サービス 同一の事業所で、介護保険サービスと障害福祉のサービスを一体的に提供するサービス類型
ホームヘルプ、デイサービス、ショートステイが対象

訓練等給付

 訓練等給付には、「自立訓練」「就労移行支援」「就労継続支援」「就労定着支援」「自立生活援助」「共同生活援助」の6種類のサービスがあります

自立訓練

 「自立訓練」は、入院施設や病院を退所・退院した障害者、特別支援学校卒業者、継続した通院などで症状が安定している障害者等が対象です。「自立訓練」には、「自立訓練(生活訓練)」と「自立訓練(機能訓練)」の2種類があります。

自立訓練(生活訓練)

 「自立訓練(生活訓練)」は、障害者に対して障害者支援施設や障害福祉サービス事業所、障害者の居宅で、自立した日常生活を営むために必要な訓練、生活相談等の支援を行います。利用対象者は、地域生活へ移行するために生活能力の維持・向上等の支援が必要な者です。

 自立訓練(生活訓練)の中に、「宿泊型自立訓練」があります。これは、自立訓練(生活訓練)の対象者のうち、日中、一般就労や障害福祉サービスを利用している障害者を対象とするもので、一定期間居住の場を提供して、帰宅後の家事等の日常生活能力を向上させるための支援や、生活に関する相談や助言等の必要な支援を行うものです。

自立訓練(機能訓練)

 「自立訓練(機能訓練)」は、障害者に対して、障害者支援施設、障害福祉サービス事業所、障害者の居宅で、理学療法、作業療法等必要なリハビリテーション、生活相談等の支援を行います。利用対象者は、地域生活へ移行するために身体的リハビリテーションの継続や身体機能の維持・回復等の支援が必要な者等です。

就労移行支援

 「就労移行支援」は、一般就労を希望する65歳未満の障害者に対し、一定の期間、生産活動、職場体験等の機会の提供等により、就労のための訓練、就労相談に応じ就労支援などを行います。

就労継続支援

 「就労継続支援」には、「就労継続支援A型(雇用型)」と「就労継続支援B型(非雇用型)」があります。「就労継続支援A型」は、企業等に就労することが困難な障害者に対して、雇用契約に基づいて、生産活動の機会の提供、知識・能力の向上のために必要な訓練等を行います。「就労継続支援B型(非雇用型)」は、通常の事業所に雇用されることが困難な就労経験のある障害者に、生産活動の機会の提供、知識・能力の向上のために必要な訓練等を行います。

就労定着支援

 「就労定着支援」は、生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を利用して通常の事業所に新たに雇用された障害者の就労の継続を図るため、最長3年間(就労した場合は3年6か月)、企業、障害福祉サービス事業者、医療機関等との連絡調整を行い、雇用に伴い生じる日常生活や社会生活上の問題についての相談、指導、助言等の必要な支援を行います。

 具体的には、生活の乱れや体調の管理、給料の浪費等、遅刻や欠勤の増加、勤務中のいねむり、身だしなみの乱れ、薬の飲み忘れ等の課題の把握と必要な支援を行い、企業等と連絡調整を行って就労の定着を支援します。

自立生活援助

 「自立生活援助」は、居宅において単身等で生活する障害者に、原則1年間、定期的な巡回訪問や随時通報を受けて行う訪問等により、居宅における自立した日常生活を営む上での問題を把握し、必要な情報提供、助言、相談、関係機関との連絡調整等の必要な援助を行います。

 対象は、障害者支援施設や共同生活援助(グループホーム)等を利用していた一人暮らしを希望する者等で、定期的に利用者の居宅を訪問し、食事、洗濯、掃除等に課題はないか、公共料金や家賃に滞納はないか、体調に変化はないか、通院しているか、地域住民との関係は良好か等について確認を行い、必要な助言や医療機関等との連絡調整を行います。

共同生活援助

 「共同生活援助」は、障害者に主として夜間に、共同生活を営む住居で相談、入浴、排泄、食事介護その他の必要な日常生活上の援助を行います。利用対象者は障害の種別を問いません。訓練等給付の受給のためには、基本的に障害支援区分認定を必要としませんが、共同生活援助で介護を必要とする者については、障害支援区分認定が必要です。

訓練等給付

自立訓練(生活訓練) 障害者が地域生活へ移行するため等に生活能力の維持・向上等の訓練を行う
自立訓練(機能訓練) 障害者が地域生活へ移行するため等に理学療法、作業療法等必要なリハビリテーション等を行う
就労移行支援 一般就労を希望する65歳未満の障害者に一定期間就労のための訓練等を行う
就労継続支援A型(雇用型) 企業等に就労することが困難な障害者に雇用契約に基づいて生産活動の機会の提供、知識・能力の向上のために必要な訓練等を行う
就労継続支援B型(非雇用型) 通常の事業所に雇用されることが困難な障害者に、生産活動の機会の提供等必要な訓練等を行う
就労定着支援 就労移行支援等を利用して通常の事業所に雇用された障害者の就労の継続のため、関係機関との連絡調整、雇用に伴い生じる諸問題への支援を行う
自立生活援助 居宅の単身者の障害者等に、定期巡回訪問、随時訪問、相談対応、情報提供、助言、相談、関係機関との連絡調整等を行う
共同生活援助 主として夜間、共同生活を営む住居で相談、入浴、排泄又は食事介護等の日常生活上の援助を行う

相談支援

 最後に「相談支援」をみておきましょう。「相談支援」には、「基本相談支援」「地域相談支援」「計画相談支援」があります。
「基本相談支援」は、障害者に関する全般的な相談支援で、情報提供や助言、関係機関との連絡調整を総合的に行う支援です。「地域相談支援」には、「地域移行支援」と「地域定着支援」があり、「計画相談支援」には、「サービス利用支援」と「継続サービス利用支援」があります。

地域移行支援

 「地域相談支援」の「地域移行支援」は、障害者支援施設や精神科病院等に入所又は入院している障害者が、地域生活に移行するために必要な住居を確保したり、地域における生活や活動についての相談に応じたりする支援を行います。障害者支援施設や精神科病院だけでなく、児童福祉施設、救護施設、更生施設、刑事施設、少年院、更生保護施設、自立更生促進センター等の障害者も対象です。

 具体的には、適切なグループホームや民間アパートを探したり、必要な場合は外出時に同行するなどして、障害福祉サービスの体験利用や体験宿泊の支援、地域移行支援計画の作成等を行います。

地域定着支援

 「地域相談支援」の「地域定着支援」は、居宅で単身で生活する障害者等に、常時の連絡体制を確保し、障害特性に起因する緊急時に支援が必要な事態に、緊急訪問や相談等の必要な支援を行います。単身者でなくても、同居する家族等に障害や疾病があり、緊急時の支援が見込めない状況にある場合は対象になります。ただし、共同生活援助及び宿泊型自立訓練の入居者は対象外です。

サービス利用支援

 「計画相談支援」の「サービス利用支援」は、障害福祉サービスの利用申請を行う際の、「サービス等利用計画案」の作成、サービス支給決定後の関係機関との連絡調整、「サービス等利用計画」の作成を行います。サービス利用支援に際しては、障害者の心身の状況や置かれている環境、障害福祉サービスについての本人の利用意向等を十分勘案することが求められています。

継続サービス利用支援

 指定特定相談支援事業者が提供したサービス利用支援によって「サービス等利用計画」が作成された、支給決定障害者や地域相談支援支給決定障害者の「サービス等利用計画」の利用状況の検証(モニタリング)、必要に応じて「サービス等利用計画」の変更及び関係者との連絡調整、新たな支給決定が必要な場合の申請の勧奨等を行います。

相談支援

基本相談支援 障害者全般の総合的な相談支援
地域相談支援 地域移行支援:障害者支援施設・精神科病院等の入所・入院者に退所・退院後の住居の確保、生活の相談に応じる支援
地域定着支援:居宅の単身等の障害者に、常時の連絡体制の確保、緊急対応を行う。共同生活援助及び宿泊型自立訓練の入居者は対象外
計画相談支援 サービス利用支援:「サービス等利用計画案」の作成、サービス支給決定後の関係機関との連絡調整、「サービス等利用計画」の作成を行う
継続サービス利用支援:「サービス等利用計画」の利用状況の検証、変更、関係者との連絡調整等を行う

 いかがでしたか。この科目は範囲が広いので、障害者総合支援法以外の障害者関連各法も十分把握しておきましょう。では第23回の精神保健福祉士の国家試験から今回の課題をあげておきますのでチャレンジしてみてください。次回は「低所得者に対する支援と生活保護制度」を取り上げます。

第23回 精神保健福祉士国家試験問題 「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」

問題 59 「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスに関する次の記述のうち、最も適切なもの1つ選びなさい。

  • 1 共生型サービスは、障害児が健常児と共に学校教育を受けるための支援を行うものである。
  • 2 行動援護は、介護保険の給付を受けることができる者でも必要に応じて利用できる。
  • 3 就労移行支援の利用には、障害支援区分の認定が必要である。
  • 4 生活介護を利用する場合は、暫定支給決定が行われる。
  • 5 障害児に関するサービスの利用者負担は不要である。